長編を書き終えて、次に、何を書こうかと思ったのだが、久しぶりに彼の国について寄稿してみようと思う・・・。
経済成長の失速が囁かれ、久しい彼の国だが・・・。
中国の代表的な株価指数である上海総合指数は、直近1年で2倍以上にハネ上がり、年明け以降も6割上昇・・・。
今年7月に訪れたのだが・・・。
6月12日につけた5166.35ポイントをピークに、6月13日から下落を初め、35%強の暴落の最中だった・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
その際に聞いた話は衝撃だった・・・。
中国の証券取引は、ほとんどが信用取引らしいのだが・・・。
証券取引をされたことが無い方にはピンと来ないかも知れないので、少し解説をすると・・・。
信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて売買することを言い、一般には証券会社に預けてある株式や現金などを「委託保証金」という形で担保とし、株の売買を行うことである。
日本では、法令上、最低委託保証金率は30%になっており、30万円の保証金で100万円の売買が可能となる。
手持ちの資金以上の取引ができるので、成功すればそれだけ成果が期待できる一方、失敗した場合のリスクも大きくなる。
信用取引では「買い」からだけでなく、「売り」からも取引を始められ、「買い」からしか取引を始められない現物取引の場合、相場下降局面では損失が出てしまうが、信用取引では「空売り」をすることにより、収益チャンスに変えることが可能となる。
もちろん、売買には期日が決められており、借りている間の金利も払わなければいけない・・・。
中国で、信用取引が開始されたのは、それほど昔ではない。
2010年3月のことである・・・。
当初、託保証金率は50%以上となっており、低いレバレッジ(経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること)しか得ることが出来なかった・・・。
また、顧客は最低でも預かり資産が50万元(当時:約660万円相当)以上でなければならず、さらに、職業や年収、保有資産、投資経験など詳細な個人情報等をもとに厳格な審査をパスして、事前に研修を受けることも必要なだったらしい・・・。
売買対象についても、深センA株40銘柄、上海A株50銘柄、合計90銘柄に限られていた・・・。
それから5年・・・。
空前の経済成長を遂げた中国では、当然のごとく、一般の人も株式取引に興味を持ち出す・・・。
昨年末以降、信用取引の急速な規模拡大を原動力に株価が急上昇を遂げた・・・。
信用取引残は、直近1年で約5倍に膨らみ、5月には2兆人民元(現在:約40兆円)の大台を突破している。
しかし、中国の証券会社で信用取引を行うためには、最低50万元(現在:約1,000万円)の証券資産をもっていないと利用することはできない。
普通の個人投資家は、それほど余裕資金を持っていない・・・。
そこで、個人投資家は、証券会社で信用取引口座を開設するのではなく、場外配資(外部信用取引)とよばれる融資会社を通して、株取引の融資をしてもらうのである・・・。
中国全体で1万社以上が株取引の融資会社として存在していると言われているから凄い・・・。
更に、凄いのはその取引実態である・・・。
委託保証金10万元(現在:約200万円)を預けると、100万元(現在:約2,000万円)信用取引が行えるのである・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~
元手の10倍の投資が出来るのだから、投資ではなく、投機の域である・・・。
暴落が始まり、追加証拠金(専門用語では“追証”)を入れなければいけない顧客が増大した・・・。
そして、7月1日までは、損失額が信用取引するための委託保証金の70%に達すると強制的に損切りされる仕組みになっていた。
この70%という損失額と委託保証金の比率は日本の信用取引と大差はない・・・。
上記の例を出すと、委託保証金10万元(約200万円)で、100万元(約2,000万円)信用取引を行った場合、株式が100万元(約2,000万円)から93万元(約1,860万円)に下落すると強制的に損切りさせられてしまうのだ・・・。
つまり、委託保証金の70%に相当する7万元(約140万円)の損失が発生すると、強制的に損切りされて7万元(約140万円)の損失が確定する仕組みとなる・・・。
委託保証金10万元(約200万円)の中から、7万元(約140万円)が相殺されることになる・・・(||゚Д゚)ヒィィィ!
手元には、3万元(約60万円)が・・・。
こうであれば、まだ良い方なのだが・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…。
次回へ・・・。