前回の続き・・・。
工場に着いた我々は、早速、工場を案内して頂く。
どの工程で抗酸化処理が可能化の確認をすることに・・・。
2階に案内された我々・・・。
Mさん、女性スタッフ、Nさんには見慣れた光景なのだろうが、私にとっては初めての光景である。
写真を撮って良いか聞いてみると、社長が快く、「是(Shi)!」と答えてくれた。
沢山かけられた眼鏡達。
メッキ前の眼鏡を検品するスタッフ・・・。
工程を案内してもらう。
洗浄、洗浄、洗浄・・・。
「工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工」・・・・と思う位、洗浄を繰り返す。
何がどう違うのかは分からないが、写真前方に見える槽から順番に奥に向かって沈めていくのである。
そして、別の部屋に案内されるのだが・・・。
ここでも洗浄、洗浄、洗浄・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~
先ほどとは違う洗浄工程なのだ・・・( ̄へ ̄|||) ウーム
そしてエアをかけて水分を飛ばす工程・・・。
ここで疑問に思い、Nさんに聞いてみた・・・。
私:「眼鏡って、工程数はどのくらいあるんですか?」
N:「$#%位ですかね。」
私:「え~っ!!!!」
私は、以前、奄美大島の島おこしのために、奄美大島に幾度となく訪れているのだが、奄美大島で作られる大島紬を作る工程を見学させてもらったことがある。
大きく分けると、図案→整経(せいけい)→絣締(かすりじめ)→染色→加工→織りとなるのだが、細部の作業工程を合わせると 60 工程、更に、熟練した職人の細かい技術も工程数に勘定すると何百という工程になるのだと聞いて、驚いた記憶がある。
しかも、その一つ一つに熟練した技術が求められ、何百という工程の中のたったひとつでも職人さんがいなかったら、大島紬は出来上がらないのだ・・・。
では、眼鏡のフレームを作るのにどのくらいの工程が想像できるだろうか?
20 工程・・・?
50 工程・・・??
100 行程・・・???
Nさんの上記の答えは・・・。
ナント、約 200 工程だったのだ・・・工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工
「眼鏡、恐るべし!」
眼鏡を掛けて、40 年弱・・・。
今まで何本の眼鏡にお世話になってきたことか・・・?
最近でこそ、格安の眼鏡が登場し、1 本 10,000 円どころか、1 本 5,000 円を切るメガネまで出てきて、買い易くなってきたが・・・。
当時は、眼鏡一本 40,000 ~ 50,000 円というのも珍しくなかった。
200 以上の行程を通して出来上がってきた眼鏡に改めて感謝しなければいけない・・・(^人^)感謝♪
眼鏡を掛けない人には、全く、関係のない話だが・・・。
例の如く、ちょっと脱線を・・・(o´∀`;o)aポリポリ
眼鏡というさほど大きくはない製品のどこにそこまでの工程があるのだろうか・・・?
眼鏡を掛けている人でも、眼鏡を掛けていない人でも、眼鏡はフレームの中にレンズを入れて作られていることは理解できると思う。
しかし、このフレームは実に細かいパーツで出来ている。
眼鏡を掛けている人でも、眼鏡の細かいパーツの名称は知らないのではないだろうか?
Onimegane®さんという、眼鏡が地場産業として有名な福井県をアピールするサイトにパーツとその由来が紹介されていたので、少し拝借・・・m(_ _)m
眼鏡の基本構造としては、 9 パーツで基本的には出来ているらしい。
種類によっては、構造が変化するため、8 パーツのものや 10 パーツのものもあるということだ。
では、行ってみよう・・・!
★リム・・・レンズを入れる枠
【由来】
・「縁」や「枠」を意味する英語の “rim” から。
★ブリッジ、山・・・両側のリムの橋渡しをしているパーツ
【由来】
・橋渡しをしているので、英語の “bridge” から。
・正面から見て山がたになっているのでそのまま山という場合もあるらしい。
★パッド・・・鼻にあたる樹脂製のパーツ
【由来】
・「当て物」という意味の英語の “pad“から。
★クリングス、箱足・・・パッドを取り付けるパーツ
【由来】
・「くっつく」「しがみつく」という意味の英語 “cling” から。
・パッドをネジで取り付けるための「箱が付いた足」から[箱足]とも言うらしい。
★リムロック、ブロー智・・・メタルフレームをねじ止めするためのパーツ
【由来】
・「リム」を「ロック」するから。
・「智」とはフロントからテンプルに繋がっている部分一体を指すらしいのだが、何故ブロー智なのかは不明らしい(笑)
★丁番(ちょうばん)・ヒンジ・・・眼鏡を折りたたむために取り付けられているパーツ
【由来】
・蝶番(ちょうつがい)→蝶番(ちょうばん)→丁番(ちょうばん)となったらしい。
・「蝶番」を意味する英語の “hinge” から。
★ヨロイ・・・リムとその他のパーツをつなげたり、ブロー智や丁番を外から隠したり
かけ具合の調整をするパーツ
【由来】
・上から見た時の形状が武士の鎧の肩の部分、「肩鎧」に似た形だから「ヨロイ」。
★テンプル、ウデ、ツル・・・耳にかかる横のパーツ
【由来】
・「こめかみ」を意味する英語の “temple” から。
・読みそのままで「腕」のことで、英語で「アーム」とも言うらしい。
・「ツル」は、植物などの巻きつく「蔓」、あるいは、固定する「吊り下げる」から。
★モダン、先セル・・・テンプルの耳当たりを良くするためにつけるパーツ
【由来】
・「現代風」を意味する英語の “modern” から。
(※注) 昔はこのパーツが存在せず、金属そのままだったらしく、かけ心地や重量バランスを良くするために、テンプル先にセルロイドのカバーを付けたところ、「オシャレ!」、「新しい!」、「ナウい!」的なノリでつけられたらしい(笑)。
・「先セル」は、先に付いているセルロイドパーツという意から
如何だろうか?
これらのパーツを、デザインであったり、機能性であったり、ユーザーの求める方向性を苦慮して、200超の工程が施されていくという訳である。
Nさん自身は、これらのパーツのうち出来る限り、抗酸化処理をしたいといういこうだったのだが、私が、某大学の医学博士の導き出した実験結果から、フレームのトップコート、パッド、モダンのみで大丈夫という結論に達した。
そして、今回のメッキ工場視察という流れになったのである。
トップコートとは、金属フレームの眼鏡は 顔に触れる部分が錆びやすくなるため、メッキ処理で保護しているのである。
次回へ・・・。