「真実の口」1,223 血液型と病気・・・⑱

前回の続き・・・。

前回、かつては長寿県と言われていた沖縄県に触れた。

厚生労働省からは、 5 年ごとに「都道府県別生命表」が発表されている

それを見てみると・・・。

【平均寿命:沖縄県・男】

1975 年: 10 位 72.15 歳
1980 年: 1 位 74.52 歳
1985 年: 1 位 76.34 歳
1990 年: 5 位 76.67 歳
1995 年: 4 位 77.22 歳
2000 年: 26 位 77.64 歳
2005 年: 25 位 78.64 歳
2010 年: 30 位 79.40 歳
2015 年: 36 位 80.27 歳

【平均寿命:沖縄県・女】

1975 年: 1 位 78.96 歳
1980 年: 1 位 81.72 歳
1985 年: 1 位 83.70 歳
1990 年: 1 位 84.47 歳
1995 年: 1 位 85.08 歳
2000 年: 1 位 86.01 歳
2005 年: 1 位 86.88 歳
2010 年: 3 位 87.02 歳
2015 年: 7 位 87.44 歳

因みに、 2000 年に男性が 26 位に転落した時は、“沖縄クライシス”あるいは“26ショック”とまで呼ばれ、話題になったようだ・・・。

「デイリー新潮」の取材記事によれば・・・。

沖縄県保健医療部に訊いてみたところ・・・。

「 75 歳と 6 5歳の平均余命は依然として、男女共に順位は高いんです。男性は(全都道府県中) 2 位と 6 位で、女性は共に 1 位です。これより低い年齢層で、平均余命の順位が下位に位置したため、全体を押し下げています」と言う回答を得たそうだ。

これもデータがあるようだ。

【平均余命:沖縄県・男】
75 歳: 2 位 12.62 年
65 歳: 6 位 19.80 年
40 歳: 38 位 41.36 年
20 歳: 36 位 60.67 年
0 歳: 36 位 80.27 年

【平均余命:沖縄県・女】
75 歳: 1 位 16.51 年
60 歳: 1 位 25.19 年
40 歳: 4 位 48.25 年
20 歳: 7 位 67.80 年
0 歳: 7 位 87.44 年

地元沖縄県でも、 2010 年に女性が 1 位から 3 位にランクを落とした時に、大きな話題となり、地元メディアや医療系サイトなどでも取りあげられたようだ。

その時に、原因として挙げられた仮説は以下のようなものだったらしい。

食生活が原因・・・。

飲酒が原因・・・。

モータリゼ-ションが原因・・・。

掘り下げてみよう・・・レッツ━━━━━━o(・∀・)○━━━━━━ゴー!!

食生活・・・。

沖縄県民の食生活が変化した原因は誰もが想像付くだろう・・・w(・0・☆)w あっ

米軍の統治である・・・!

沖縄は、 1945年から1972年の沖縄本土復帰に至るまで、 27 年間に及ぶアメリカ合衆国/米軍による統治されていた。

しかも、現在も、米軍基地は、県土面積の約 10% を占めている。

米軍基地

少し古いデータになるが、軍人、軍属、その家族を合計すると約 47,300 人が沖縄に住んでいる。

そのため、アメリカ占領下にあった 1960 年代から、米軍の軍用食料が供出されるようになり、急速に食の欧米化が進んでしまったのだ。

ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ビーフステーキ、タコスといったファストフードチェーン店が本土より早く根付いていったのだ。

A&Wは「日本初のファストフードレストラン」とされ、その1号店となる屋宜原店のオープンは米軍統治下の 1963 年である。

こんなの見たことは無いだろうか?

SPAMTULIPMidland

沖縄県民がこよなく愛する“ポークランチョンミート”である・・・。

これを箱買いするのである・・・!

しかも、本土で買えば、一缶 500 円前後するものが、 200 円前後で買えるのだ。

更に、シーチキン・・・!!

シーチキン

もちろん、箱買い!!!

年間消費量は、一人当たり20缶で断トツの日本一である!!!!

恐るべし沖縄県民・・・(^д^)スゲー!

更に、野菜摂取量は、男性が全国で 45 位、女性が 44 位という、ナント、バランスが取れた食生活なのだ・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

飲酒・・・。

アルコール消費量ランキングでは、全国1位は東京都( 9.54㍑)、 2 位:鹿児島県( 9.43㍑)、3位:宮崎県( 9.34 ㍑)、 4 位:沖縄県( 8.75 ㍑)、 5 位:秋田県( 8.24 ㍑)。

・・・と、これはHP上検索して出てきた一つのデータなのだが、結構、バラツキがあるようで参考にならない。

単純に、病気で見てみよう・・・。

アルコールと言えば肝臓病が心配になる・・・。

沖縄の肝疾患死亡率は、 10 万人当たり、男性 18.7 人、女性 6.0 人で、全国の男性 9.8 人、女性 3.5 人を大きく上回っている。

死亡数を人口で割った粗死亡率でも、沖縄の男性の肝疾患死亡率は全国最下位で、女性は 14 位。

やっぱり、飲みすぎ・・・?

私は、時折、沖縄に行くのだが、沖縄県民独特な飲み方がある。

会社が終わった後、一旦、帰宅し、シャワーを浴びて、その後に飲み会に参加し、ダラダラと長時間飲むのである。

この長時間と言うのにも理由があるのだが、そこはまた後で・・・。

そして、“モアイ(模合)”という名の飲み会である。

沖縄独特の風習なのだが、地縁・血縁に根ざした“模合(もあい)”というグループがある。

システムは以下のようなものだ。

1.何人かが集まって模合のメンバーになる。
2.毎月の金額を決める。
3.今月の「親」をくじや入札で決める。
4.金額×人数分のお金を「親」が受け取る。
5.金額を受け取った親は、翌日から定額(例えば1割)を上乗せして支払う。
6.これを毎月繰り返し、全員が親をしたら終了。
7.以上のことを延々と繰り返す。

沖縄版金銭相互扶助システムというところなのだが、飲み会の資金拠出のためといった小規模なものから、事業の運転資金調達といった大規模なものまで様々なものがある。

これを人によってはいくつも掛け持ちするから、当然、月に参加する飲み会が増えていくのである。

もう一つ紹介したいので次回へ・・・。