前回の続き・・・。
沖縄県の長寿県転落以降、取って代わったのは、長野県である。
5年ごとに発表される都道府県別平均寿命ランキング(2015年度分)が、昨年発表されたが、惜しくも、男性は滋賀県に抑えられ 2 位に甘んじたが、女性は 1 位を維持している。
しかし、男性も平成 2 年に戴冠すると、 5 期連続 1 位だったのだ。
昭和 40 年から見てみると・・・。
昭和 40 年( 1965 年)・・・ 9 位/ 68.45 歳
昭和 45 年( 1970 年)・・・ 7 位/ 70.46 歳
昭和 50 年( 1975 年)・・・ 4 位/ 72.40 歳
昭和 55 年( 1980 年)・・・ 3 位/ 74.50 歳
昭和 60 年( 1985 年)・・・ 2 位/ 75.91 歳
平成 2 年( 1990 年)・・・ 1 位/ 77.44 歳
平成 7 年( 1995 年)・・・ 1 位/ 78.08 歳
平成 12 年( 2000 年)・・・ 1 位/ 78.90 歳
平成 17 年( 2005 年)・・・ 1 位/ 79.84 歳
平成 22 年( 2010 年)・・・ 1 位/ 80.88 歳
平成 27 年( 2015 年)・・・ 2 位/ 81.75 歳
一方、女性は、沖縄県が 平成 17 年( 2010 年) 位をずっと維持していたが、長野県は、以下のように伸びてきている。
昭和 40 年( 1965 年)・・・ 26 位/ 72.81 歳
昭和 45 年( 1970 年)・・・ 19 位/ 75.22 歳
昭和 50 年( 1975 年)・・・ 16 位/ 77.00 歳
昭和 55 年( 1980 年)・・・ 9 位/ 79.44 歳
昭和 60 年( 1985 年)・・・ 9 位/ 81.13 歳
平成 2 年( 1990 年)・・・ 4 位/ 82.71 歳
平成 7 年( 1995 年)・・・ 4 位/ 83.89 歳
平成 12 年( 2000 年)・・・ 3 位/ 85.31 歳
平成 17 年( 2005 年)・・・ 5 位/ 86.48 歳
平成 22 年( 2010 年)・・・ 1 位/ 87.18 歳
平成 27 年( 2015 年)・・・ 1 位/ 87.68 歳
女性のこの伸びようは目を見張るものがある。
長野県と言えば、言わずと知れた海無し県・・・。
沖縄のように、新鮮な魚介類が取れるわけでは無い・・・。
しかも、昭和 40 年当時、長野県は脳卒中の死亡率が全国 1 位だったという・・・Σ(゚Д゚;エーッ!
如何にして、長寿県 No.1 の地位を手に入れたのか?
実は、この謎を、順天堂大学大学院教授の白澤卓二医師が解き明かしている。
白澤教授は、2008 年位から毎月長野へ通い、その長寿研究を続けていたらしい・・・。
その研究成果が、『長寿県 長野の秘密』(しなのき書房)という形で出版されている。
白澤教授曰く・・・。
「長野が長寿の県として注目されてきたのは、ここ 2 ~ 3 年( 2013年を基準)ですが、そのきっかけは 50 年ほど前にさかのぼります。
当時、脳卒中の死亡率がトップクラスだったのは、長野県民の塩分摂取量の多さが大きな原因でした。
長野は海に面しておらず、冬が厳しいため、食物を保存するために塩辛い食べものが多かった。
それが高血圧を引き起こし、脳卒中につながっていたわけです。
これをなんとかするために、昭和 20 年に長野に赴任した若月俊一先生という医師が、『予防医学』の考え方を広めていった。」
まず初めに、塩分を控えるための取り組みが始まり・・・。
医師・保健師による健康指導・・・。
生活習慣病予防のための講座開講・・・。
更に、野沢菜や味噌汁の塩分濃度を減らすための運動が県ぐるみで行われたらしい・・・
声:「塩分摂取に関しては、私は、異を唱える立場なので、ここはスルーする。」
それに加えて、白澤教授は、“ 環境 ”を取り上げている。
長野県は、日本アルプスや八ヶ岳など日本を代表する高山に囲まれており、長野にある農地はほとんどが標高 300m 以上に位置し、必然的に、平地よりも気圧は低くなる。
これが影響しているというのだ。
白澤教授曰く・・・。
「細胞内にあるミトコンドリアの活性に関係してきます。
ミトコンドリアは、ほとんどの生物の細胞内にある小器官ですが、酸素をつかって炭水化物などを分解し、エネルギーを生み出す重要な役割を担っています。
気圧の低いところでは、肺の中の酸素分圧が低くなり、血液中の酸素濃度が下がる。
すると、全身の細胞への酸素供給量も低下します。
そうなると、ミトコンドリアは少ない酸素で効率的にエネルギーを生成しようと、活性を上げるのです。
これは、陸上選手が行う高地トレーニングと同じ理論です。」
声:「おっ!ミトコンドリア!!得意な分野でないか(笑)。」
白澤教授は、長野県という高地にある環境が、人、そして、そこで育つ植物にも良い影響を及ぼすと見ているようだ。
白澤教授曰く・・・。
「高山村や茅野市、佐久市など多くの市町村では、冬の冷え込みが厳しいだけでなく、一日単位で見ても、昼夜の温度差がかなりあります。
これが、野菜などの植物を強くするんです。
過酷な環境で栽培された植物ほど、抗酸化作用や免疫力を高める栄養素・フィトケミカルをより多く含んでいます。
代表的なものには、ポリフェノールやカロテンなど。
つまり、厳しい環境で育った野菜の方が、栄養価が高いのです。」
白澤教授は、植物にしか触れていないが、これは家畜にも言えることだろう・・・!
更に、沖縄県民の食生活にも影響していると挙げたファストフード店やコンビニエンスストアが、長野県は少ないらしい・・・。
調べてみた・・・\_((ヾ(`・∀・´*)カタカタ
★ファストフード店( 10 万人あたり店舗数)
沖縄県・・・ 6.2 店舗/全国 2 位
長野県・・・ 3.9 店舗/全国 30 位
★コンビニエンスストア( 1 万人あたり店舗数)
沖縄県・・・ 3.1 店舗/全国 2 位
長野県・・・ 2.3 店舗/全国 26 位
声:「ホントだ・・・( ̄へ ̄|||) ウーム」
次回へ・・・。