前回の続き・・・。
夕方、廊下から話声が聞こえてきた。
隣の部屋(前回話をしていた部屋と逆サイドの部屋)の人と大家さんの奥さんが話しているようだったので、話の終わり際を見計らい、玄関から顔を出し、大家さんを呼び止めた。
私:「こんにちは。少し部屋見てもらえますか?」
大家さん(以下:大):「はい。どうされました?」
私:「地震でトイレにヒビが入ったみたいなんで・・・。」
大:「ああ。そうですか。じゃあ、少し入らせてもらいますね?」
私:「はい。どうぞ。壁のこっち側に、結構、長く入っているんで・・・。」
大:「ああ。そうですね~。」
私:「まあ、支障はないみたいですけど・・・。」
大:「修繕されますか?」
私:「まあ、この程度であれば、自分で何とかなりますから大丈夫ですよ。」
大:「そうして頂けると助かります。」
私:「隣はどうされたんですか?」
大:「地震で歪んだみたいで、廊下側の窓が開かなくなったんで、その修理をいつするかの打ち合わせです。」
私:「ああ、結構、揺れたんですね?」
大:「はい。もう、ウチは殆どの食器がダメになりました。」
私:「ああ。こっち側の部屋も、酷かったみたいですね~。テレビから何から壊れたって言っていましたから・・・。」
大:「そうみたいですねぇ。」
私:「他は大丈夫だったんですか?」
大:「上の方よりも 2 階、3 階の方が、被害が大きかったんです。」
私:「えっ?そうなんですか?」
大:「はい。2 階、3 階の部屋では、ドアが開かなくなったんです。」
私:「え~っ!そんなに酷かったんですか?で、どうされたんですか?」
大:「仕方がないんで、穴開けて、バールでこじ開けたんですよ~。」
私:「ありゃ~。この前、外壁塗り替えたばっかりだったのに・・・。」
大:「そうなんですよ~。」
私:「だから、地震当日、いつもは玄関を開け放していない部屋もドアが開いていたんですね?」
大:「そうだと思います・・・。」
私:「まあ、自然災害には勝てませんから・・・。」
大:「はい。怪我された人がいないだけ良かったかなと、思わなきゃやっていけません・・・。」
私:「そうですね~。茨木の自宅の方は、まだ、ガスが使えないんですよ。」
大:「それは不便ですね~。」
私:「まあ、水と電気は使えるだけマシかなと・・・。」
大:「そうですね~。他に何かありましたら教えてください。」
私:「はい。分かりました。」
大家さんと会話を終えた私は、自分の部屋の廊下側の壁を見てみた。
声:「あれ?クラックが・・・!」
ドアの両サイドにクッラクが入っていた・・・!
序でに、被害が大きかったという 2 階、3 階を見に行ってみた。
3 階まで歩いて降りる・・・。
声:「あちゃ~!こんなに酷かったんだ!!」
4 部屋ある 中央の2 部屋の壁にクラックが・・・!!
2 階へ降りて、エレベーター前を通過すると・・・。
エレベーター横の壁にもクラックが入っていた・・・!!!
2 階は・・・。
声:「ありゃ~!2 階の方が酷いなこれは!!」
3 階と同様に、中央の2 部屋の壁にクラックが・・・!!!!
声:「マンションで、余震が続いている時に、玄関のドアが開かないって怖いだろうなぁ~。逃げ出せないもんなぁ~。」
部屋に戻り、気になったので、各部屋を再度チェックしてみる・・・。
玄関は異常なし・・・。
玄関横のストックルームを見てみると・・・。
声:「あれ?ここにも斜めにクラックが入っているわ。」
洗面場を見てみる・・・。
声:「あれ?ライトが歪んでいる?」
回してみるがウンともスンとも言わない。
声:「揺れで捻じれたのかな?」
リビング、PCルーム、和室、ベランダと見て回るが、その他に異常はなかった。
仕事を終え、エレベーターを降り、玄関ホールで、時折、会話をする住人にあった。
家族構成は分からないのだが、いつもお独りでいらっしゃるので、お独りで住んでいらっしゃるのだろうと勝手に推測している人のよさそうな高齢の方である。
私:「こんにちは~。地震大丈夫でしたか?」
住人(以下:住):「いや~。怖かった~。」
私:「でしょうね~。下の階の方が酷かったみたいですからね~。」
住:「はい。もう、食器から何から落ちて大変でした。」
私:「お怪我されなかっただけ良かったですよ~。」
住:「はい。でも、怖くて、怖くて・・・。」
私:「そうですね~。まだ、余震が続いていますからね~。」
住:「もう、来ないですよね~?」
私:「う~ん。でも、専門家は、1週間前後は気を付けた方が良いって言っていますから。お母さんも気を付けた方が良いですよ。」
住:「そうですか~。もう、嫌ですよ。」
声:「気持ちは痛いほどわかる。ちょっと、安心させてやろう。」
私:「まあ、熊本の時に比べたら、余震も少ないですから、このまま落ち着くとは思うんですけどね。」
住:「そうなんですか?」
私:「はい。熊本の時に比べると、歴然と違います。でも、用心だけはしといて下さいね。」
住:「分かりました。」
私:「じゃあ、失礼します。」
住:「はい。気を付けて。」
私:「お母さんも気を付けてくださいね。」
以前にも書いたが、独居の高齢者を数人見かけるこのマンションだが、お独りだと不安は募ることと思う・・・。
まだ、時刻も6時前だったので、家内から送られたデータを元に震源地へと行ってみることにした。
北緯 34 度 50 分 36 秒
東経 135 度 37 分 18 秒
大阪府高槻市西面南 3 丁目付近らしい・・・。
ナビを元に車を走らせる。
通勤に使ういつもの道を引き返す・・・(笑)。
新幹線高架を左折する・・・。
ここが震源地らしい・・・。
何もない田んぼだ・・・。
亀裂も何もなく、地震前と変わらないだろう、普段通りの光景のようだった・・・。
次回へ・・・。