前回の続き・・・。
今回は栄養ドリンクを取り上げてみる。
栄養ドリンクも一括りではなく、「医薬品」「医薬部外品」「清涼飲料水」の 3つに分類される。
【医薬品】
医薬品の中でも副作用・相互作用の違いで「第二類医薬品」・「第三類医薬品」に分類され、どちらも医療的な見地から「効果が見込める」と判断された栄養ドリンクである。
効果が見込める反面、副作用・相互作用のリスクを伴うため、薬剤師か登録販売者を通しての販売が必要となる。
つまり、ドラッグストアか薬局で売られている。
【医薬部外品】
医薬品以下~化粧品未満の効果が期待できる栄養ドリンクという扱い。
薬事法に基づいた上で、「人体に対する作用が緩和であり、安全性が高い」と判断された栄養ドリンクである。
販売上の規制対象にならないためコンビニ、スーパー、あるいはインターネットを通じてなど簡単に入手できる。
【清涼飲料水】
薬機法ではなく食品衛生法に基づいて製造されており、含有成分による効果や効能を医療品として保障している訳ではない。
そのため、効果や効能を謳った表記を記載することはできず、成分の配合量を記載する必要もない。
何処でも変える代物である。
栄養ドリンクと一言で言っても、医薬品から清涼飲料水までに分けられるのだから、当然、効果も価格もマチマチになってくる。
栄養ドリンクを飲むシチュエーションを考えてみよう!
★疲労回復~身体がだるくて疲れがなかなか取れない・・・。
★スポーツ疲労~スポーツ後の栄養補給や疲労回復をしたい・・・。
★風邪・・・風邪をひいて食欲や体力が落ちてしまった・・・。
★眠気覚まし・・・勉強や仕事などの大切な場面で眠気を取り除きたい・・・。
★女性特有の体調不良・・・月経による体調不良をどうにかしたい・・・。
★眼精疲労・・・疲れ目、肩こりからの眼精疲労を何とかしたい・・・。
様々なシーンで栄養ドリンクにお世話になっている方も多いのではないだろうか・・・?
しかし、肝心なことを忘れてチョイスしているのではないだろうか・・・??
アルコールが含まれているか否か・・・???
カフェインが含まれているか否か・・・????
糖分がどの程度含まれているのか・・・?????
例えば、アルコール含有量を調べてみた・・・。
【医薬品】
ユンケル黄帝液・・・内容量 30ml / 一瓶中のアルコール量 0.64g
リポビタンD スーパー・・・内容量100ml / 一瓶中のアルコール量 0.59g
【医薬部外品】
エスカップC1000・・・内容量100ml / 一瓶中のアルコール量 1.06g
リポビタンD・・・内容量100ml / 一瓶中のアルコール量 0.34g
【清涼飲料水】
タフマン・・・内容量 110ml / 一瓶中のアルコール量 0.84g
アルギンZ・・・内容量 110ml / 一瓶中のアルコール量 0.15g
栄養ドリンクとして有名どころをいくつかピックアップしてみたが、医薬品~医薬部外品~清涼飲料水まで、少量ではあるがアルコールが入っているのが分かる。
意外に感じるかもしれないが、スポーツ飲料にもアルコールが配合されている。
ポカリスエット・・・内容量 250ml /一瓶中のアルコール量 0.16g
アクエリアス・・・内容量 250ml / 一瓶中のアルコール量 0.025g以下
まあ、知っている人は知っているかもしれないが・・・。
【炭酸飲料】
オロナミンC・・・内容量 120ml / 一瓶中のアルコール量 0.91g
リアルゴールド・・・内容量 140ml / 一瓶中のアルコール量 0.12g
これらはアルコール度数が 1% 未満のため表示義務が無い。
まあ、アルコール耐性の無い人であれば、オロナミンCを飲んで、酔うという人もいるからご用心を・・・(笑)。
その為、ほとんどの栄養ドリンクは、 1 本/日を限度にするような注意書きがある。
数本飲んでしまえば、アルコール度数が上がり、体内残留してしまうからだ。
次に、カフェインの有無だが・・・。
同様に上記の栄養ドリンクを見てみよう!
【医薬品】
ユンケル黄帝液・・・内容量 30ml / 一瓶中のカフェイン量 50mg
リポビタンD スーパー・・・内容量100ml / 一瓶中のカフェイン量 50mg
【医薬部外品】
エスカップC1000・・・内容量100ml / 一瓶中のカフェイン量 50mg
リポビタンD・・・内容量100ml / 一瓶中のカフェイン量 50mg
【清涼飲料水】
タフマン・・・内容量 110ml / ノンカフェイン
アルギンZ・・・内容量 110ml / 一瓶中のカフェイン量 50mg
【炭酸飲料】
オロナミンC・・・内容量 120ml /一瓶中のカフェイン量 18mg
リアルゴールド・・・内容量 140ml / ノンカフェイン
如何なものだろうか?
ユンケル皇帝液の内容量 30ml に対して、一瓶中のカフェイン量 50mg を除けば、殆どが、内容量約 100ml に対して、一瓶中のカフェイン量が 50mg というところのようだ。
では、このカフェイン量が一般的な飲み物や食べ物の含有量がどの程度の物かと言えば・・・。
【一般的な飲み物150mlあたり】
●コーヒー: 90mg
●抹茶: 45mg
●ココア: 45mg
●緑茶: 30mg
●紅茶: 30mg
●ウーロン茶:3 0mg
●ほうじ茶: 30mg
●コーラ: 15mg
【その他】
●ミルクチョコレート( 100g ): 20 ~ 40mg
●高カカオチョコレート( 100g ): 68 ~ 120mg
●市販の頭痛薬・風邪薬・鼻炎薬(1回分): 70 ~ 240mg
因みに、アメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインでは、 400mg / 日までが適正量とされているそうだ。
また、欧州食品安全機関( EFSA )では、体格差を考慮した数値が示されている。
具体的な数値は以下のとおりだ。
●健康な成人が一回に摂っても安全な量:体重 1kg あたり 3mg
●健康な成人が一日に摂っても安全な量:体重 1kg あたり 5.7mg
●妊娠・授乳中の女性:1日を通して最大 200mg まで
前述した日本人成人男性の平均体重を 70kg とすれば・・・。
●健康な成人が一回に摂っても安全な量: 210mg
●健康な成人が一日に摂っても安全な量: 399mg
声:「完全にオーバーしている私がいた・・・(笑)。」
次回へ・・・。