前回の続き・・・。
前回までに、食品添加物として使用されているパラオキシ安息香類の安全性について、医薬品としての側面から調べてみた。
少し脱線するが・・・。
『病理組織検査のため試験計画に従った屠殺~。』
『投与期間中に死亡した例はすべて剖検し、生存例は前例屠殺~。』
・・・等々、動物愛護団体が見ると血眼になってやり玉に挙げられそうな内容もそのまま転記させていただいた。
動物実験に関しては、賛否あるのだろうが・・・。
日本生理学会から以下のようなコメントが出ているので紹介しよう。
『動物の尊い犠牲を通じて行われる動物実験は、生命現象の理解に大きな役割を果たし、 医学・医療に応用され、人類の健康と福祉にはかり知れない貢献をしています。
動物実験は開発された医療・医薬を人間に適用する前の欠くことのできないステップでもあり、今日、 その必要性と重要性はますます増大しています。
我々研究者が動物の命を大切に思う気持ちは多くの人々と同様で、実験に際しては動物の福祉と人道的取り扱いを 常に心がけています。
今後とも我々は、動物の使用に対して社会の皆様のご理解を得つつ、医科学研究の発展を通じて、 人類の健康と福祉の向上を目指す所存です。』
私のところにも、時折、「抗酸化溶液活用製品は動物実験をしているのか?」という問い合わせがある。
これに関して、私は有無の回答は一切していない。
偏った考えの、木を見て森を見ない人たちの勝手な判断で、抗酸化の世界を捻じ曲げられたくないからである・・・(笑)。
先日も、えみなに使われている石鹸成分には、パーム油が使われているのかという問い合わせがあった。
このパーム油問題も、「木を見て森をみない」パターンの一つだと思う。
“パーム油”で検索すると、『環境問題』、『健康問題』、『社会問題』等、様々な面で叩かれている。
複数のHPから転載・・・・。
★環境問題
『アブラヤシ農園(プランテーション)は、効率的に生産を行うために数千から数万ヘクタールの土地を転換してモノカルチャー栽培を行うため、森林減少やそれにともなう生物多様性の喪失など、環境面への影響が以前から問題視されてきました。云々。』
★健康問題
『パーム油の 50% は飽和脂肪であり、摂取すると血液中のコレステロール値を上昇させ、場合によっては心筋梗塞などの心疾患を引き起こします。また、大腸がんを促進する物質として有名なものにリノール酸というものがありますが、リノール酸の含有率が低いパーム油のほうがリノール酸よりも大腸がんが発生しやすいということが確認されました。云々。』
★社会問題
『広大な農地を必要とし、また労働集約的な産業であるという性質上、その地域に昔から生活している地域住民との土地を巡る紛争や労働者の権利侵害など、社会的な側面からの問題も各地から報告されています。云々。』
これだけ見るとパーム油が問題児扱いされても致し方がないようだが・・・。
私自身、森林破壊は深刻な問題だと思う。
しかし、アブラヤシは 3 年で身が搾取できるようになるほど成長が早いものである。
計画的な収穫で対応できるものを、油を金に換えるシステムを人間が構築してしまったのが、一番の原因と考える。
石油と同じ構造である。
日本企業はこれらに対して、計画栽培を進めているところもあるのだから、その側面も取り上げなければ片手落ちである。
また、パーム油を取る為の労働力は、貧困層から駆り出されているようなサイトがあるが、残念ながら、その貧困層はそこでお金を得るしか仕方がないという側面がある。
この仕事を奪ったら、彼らはどうなるのだろう?
世界で一番使用されているパーム油に代替するものはあるのか?
パーム油は、栽培面積に対する生産量がとても多いというメリットがある。
つまり、他の植物の栽培に転換することになれば、より多くの栽培面積が必要になり、逆に森林破壊が悪化するということを、“パーム油=悪”を唱える人たちは、知っているのだろうか?
我々が本当にすべきことは、パーム油を排除することでなく、計画的な栽培と収穫、そして労働の確保を作り上げるべきではないかと思うのだが・・・?
また、製造に使う側の立場から考えれば・・・。
パーム油は、安定して供給できることから、日本の石鹸メーカーは、自社製品を安価に安定的に供給することができるのだ。
もし、これらが手に入らなくなり価格が高騰し、現在、石鹸を利用されている方たちが、石鹸を購入及び使用できなくなれば、自ずと、合成洗剤の使用へと切り替えなければならず、別の環境破壊を引き起こす可能性が出てくる。
石鹸も生分解 100% ではないが、合成洗剤より、まだ、マシなのに・・・。
別の自然破壊を産んでしまいかねない・・・(笑)
もし、えみなが 10,000 円や 20,000 円したとしたらユーザーもさすがに手が出なくなるのではないだろうか?
えみなは使用するだけで、環境浄化に貢献できる。
それが、価格高騰により、利用者が減り、環境浄化に貢献できなくなったとしたら如何だろうか?
色んな側面があるにもかかわらず、木を見るばかりで森を見ることができない輩には何を言っても無理だろうが・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
パーム油叩きの裏に、大豆業界が暗躍していることを知れば、一笑に付すしかないのだが・・・ダッシュ!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
いやいや、すっかり脱線してしまった・・・(o´∀`;o)aポリポリ
話を元に戻そう・・・。
食品添加物として使用されているパラオキシ安息香類の安全性について、医薬品としての側面から見てみて、どのように感じたろうか?
我が国で、食品衛生法第 10 条に基づき、食品添加物として指定されている5 品目。
パラオキシ安息香酸エチル
パラオキシ安息香酸プロピル
パラオキシ安息香酸イソプロピル
パラオキシ安息香酸ブチル
パラオキシ安息香酸イソブチル
この中で、FAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会( JECFA )が、ADI ( 1 日許容摂取量)グループとして安全度が高いと言っているパラオキシ安息香酸エチルのみが安心できそうなのだが・・・。
皆はどのようにデータを読んだだろう?
少し脱線が過ぎたので、結論は次回へ・・・。