前回の続き・・・。
前回、“ハンドオーバー”について説明させていただいた。
これは、我々が持つ携帯電話に、SIM カードという加入者を特定するための ID 番号が記録された IC カードが使用されているからである。
これによって、“ハンドオーバー”が可能になるわけだ。
“ハンドオーバー”とは、「携帯電話は、常に近隣の無線基地局の電波強度を測定し続けていて、電波がある一定の強度以下になると、それまでの回線を切断して、より強度の強い別の回線に切り替える。」というものである。
「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」により、犯罪捜査のために捜査機関が位置情報の開示を求めた場合は、携帯電話各社は、“裁判官の令状”のみで開示しなければいけなくなったということも前述したが・・・。
これらの捜査に対し、 iPhone は影響なし、 Android も位置情報オフで情報取得止めることが可能と、「全然、大丈夫~!No Problem~!」的な回答をしていることも記した。
ただ、この“ハンドオーバー”というシステムは、「常に近隣の無線基地局の電波強度を測定し続けていて、電波がある一定の強度以下になると、それまでの回線を切断して、より強度の強い別の回線に切り替える」わけだから・・・?
二つの無線基地局からの電波の強弱を調べて、基地局から距離を推定し、コンパスで円を描くようにして交わるところあたりが、大方の位置情報は測定できるはずだし・・・??
こんな感じ?
更に、三つ以上の無線基地局からの電波の強弱を調べて、基地局から距離を推定し、コンパスで円を描くようにして交わるところは、更に、位置を特定できると単純に思うのだが・・・???
こんな感じ?
朝、あなたは携帯電話を持って家を出る・・・。
交通手段は、公共交通機関(?)、車(?)、自転車(?)、徒歩(?)・・・。
目的地は、職場(?)、学校(?)、買い物(?)、人との待ち合わせ(?)・・・。
目的地についてからの移動の有無(?)、滞在時間(?)・・・。
仕事(?)、学校(?)、用事(?)が終わり、どこかへ向かう・・・。
帰宅(?)、デート(?)、仕事仲間と一杯(?)・・・。
これらのデータが 1 日、 1 週間、 1 ケ月、 1 年、と積み重ねていったらどうだろう?
あなたがどこに住んでいるか?
あなたがどこで働いて(学んで)いるか?
家にどのくらい滞在しているか?
通勤、通学のルートは?
平日の行動は?
週末の行動は?
休日の行動は?
カフェにどのくらい滞在するか?
酒席にどのくらいいるか?
よく行く店は?
食材を買うスーパー(店)は?
マクドナルド派、モスバーガー派?
吉野家派、すき家派、なか卯派、松屋派?
セブンイレブン派、ローソン派、ファミリーマート派?
歩く速度は?
運転する車のスピードは?
もちろん、あなただけでなく、あなたの周りの人の携帯電話も位置情報が分かる・・・。
あなたが一人でいるか?
誰かと行動を一緒にしているか?
誰とよくランチを食べる?
あなたが頻繁に会う人は?
・・・等々がすべて丸裸なのだ。
今から 7 年前の 2012 年、ある研究チームが予測実験を行った。
「人々が 24 時間後にどこにいるか?」
如何だろうか?
全く、見ず知らずの人間が、あなたの 24 時間後にどこにいるかを予測することは可能だろうか?
まあ、月曜~金曜は仕事だから職場だよ・・・。
まあ、その時間は、授業だから学校だよ・・・。
・・・というルーティンならわかるのかもしれないが。
例えば、私であれば、現在( 5 月 20 日 10 時 23 分 )、この Blog を事務所で作成している。
明日の同時刻も、多分、事務所の PC の前にいるだろうことは推測できる。
しかし、明後日の同時刻は、福岡に出張で、飛行機を降りて、福岡市内には居るのだが、私でさえどこにいるか想像しづらい・・・(笑)
また、市明後日の同時刻は、まだ、九州にはいるのだが、明後日に会う人間の都合で、もしかしたら熊本に移動しているかもしれないし、大分かもしれない?
さてさて、あなたは、人間の行動管理を可能だと思うだろうか?
研究チームの予測実験結果は・・・。
「 20m の誤差範囲内で予測を成功」
如何だろうか?
24 時間後が可能であれば、 12 時間後、 6 時間後、 3 時間後といつでも予測可能なのだ・・・(||゚Д゚)ヒィィィ!
実に恐ろしい話である・・・..・ヾ(。>д<)シ こえぇぇぇょ
まあ、自分がどこにいるかくらい人に分かられても、ヤマシイことなどないから、どうってことないって人もいるかもしれないが・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…
これは単に位置情報だけでの話である。
時代は、高機能携帯電話(フィーチャー・フォン)からスマートフォンへ・・・。
1993年にサービスを開始した当初の第2世代携帯電話は、音声通話と SMS だけをサポートする機種がほとんどであった。
しかし、通信インフラの改善やコンピュータ技術の進展に伴い、 2000 年頃より携帯電話にも、カレンダー、ゲーム、インターネットの閲覧ブラウザー、高度な電話帳、 SMS 以外のメッセージ手段(電子メールなど)、などの機能が搭載されるようになった。
2010 年代以降には、スマートフォンも徐々に浸透していって、 2019 年 2 月には保有率が 85.1% にも及んでいる。
フィーチャーフォンの時代に比べて、遥かに、携帯電話の使用量あるいは使用時間は遥かに増えたのではないだろうか?
次回へ・・・。