前回の続き・・・。
前回、現在の生産および廃棄物管理の傾向が続く場合、 2050 年までに、約 120 億トンのプラスチック廃棄物が埋立地または自然環境に蓄積されることになるという試算をお伝えした。
どのように捉えただろうか?
我々人類は、プラスチックという非常に簡単に形成しやすい素材を得た半面、環境に多大なる負荷をかけてしまっているようだ。
それも、この 50 年の間に急速に生産が増大してきているという・・・。
我々が、一括りでプラスチックと言ってはいるが、そのプラスチックの種類は 100 種類以上にも上るというだから驚きである。
その中でも、生活用品などに使われる五大プラスチックと言われるもので生産量の約 75% を占めているらしい。
① ポリスチレン( PS )
→ハンガー、食品用トレイ、プリンター等
② ポリエチレン( PE )
・高密度ポリエチレン( HDPE )
→バケツ、洗剤ボトル、屋外玩具、灯油タンク等
・低密度ポリエチレン( LDPE )レ
→レジ袋、ラップ、紙パック飲料の内外面等
③ ポリ塩化ビニル( PVC )
→クレジットカード、ホース、水道管、合成皮革等
④ ポリエチレンテレフレタート( PET )
→ペットボトル、卵パック、包装フィルム、衣類の繊維等
⑤ ポリプロピレン( PP )
→ストロー、ペットボトルキャップ、文具、医療器具等
PS ・ PE ・ PVC ・ PET ・ PP
確かによく目にする表記である・・・。
2016 年にエレンマッカーサー財団(※注 1 )が発表した「 The New Plastics Economy 」というレポートがある。
(※注 1 ) 英国ワイト島を本拠地とし、英国チャリティ・コミッションに登録する団体で、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)への移行を加速させることを目的に 2010 年 9 月に設立された財団。
【容器包装プラスチックの使用には以下のような長所が存在】
・食品貯蔵寿命の延長
・重量軽減による輸送燃料の削減
【容器包装プラスチックの使用は拡大傾向】
・1964 年の 1,500 万トンから 2014 年の 3 億 1,100万トンへと過去 50 年の間に急増
・今後 20 年で現在の生産量の 2 倍になる予想
【 2050 年】
・海洋中のプラスチック量が魚の量以上に増加
・石油消費量においてプラスチックが占める割合が 20% に上昇
・炭素収支においてプラスチックが占める割合が 15% に上昇
また、 2018 年 6 月に発表された UNEP(※注 2 ) の報告書『シングルユースプラスチック』によれば・・・。
SINGLE-USE PLASTICS
(※注 2 ) United Nations Environment Programme : 国連環境計画。 1972 年に設立され、各国の政府と国民が将来の世代の生活の質を損なうことなく自らの生活の質を改善できるように、環境の保全に指導的役割を果たし、かつパートナーシップを奨励する環境分野における国連の主要な機関。
プラスチック生産量( 2015 )を産業別にみると、容器包装産業のプラスチック生産量が最も多く、全体の 36% を占めている・・・.,φ(´・ω・`)・・・。
まあ、至極当然のようだが・・・(笑)
では、どの国が一番プラスチックを製造しているだろうか?
多分、想像通りだと思うのだが・・・(笑)
中国・・・である。
同年度の生産量が入手できないので、かなりデータは古くなるが、 2012 年では・・・。
1 位:中国・・・約 5,213 万トン
2 位:アメリカ・・・約 4,805 万トン
3 位:韓国・・・約 1,335 万トン
4 位:日本・・・約 1,052 万トン
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EU:約 4,900 万トン
EU は 2011 年以降国別のデータが無いので主要 8 ケ国(ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペイン、ベルギー、オランダ)でのデータになる。
この中で、それ以前のドイツは、 1,800 万トン前後を推移しているので、国別でみると日本より多いのかも知れない・・・?
データの年度がバラバラになるが・・・。
中国では、 2015 年の時点で約 7,800 万トンが生産され、世界生産の約 1/4 に相当する量を生産。
アメリカでは、 2017 年に約 5,100万トンを生産。
日本では、 2016年の時点で約 1,450 万トンを生産。
EUでは、2016年の時点で約 6,000 万トンを生産。
ただ、ここでもう一つ考えなえればいけないのが、プラスチック容器包装総廃棄量ではなく、一人あたりの廃棄量である。
上のグラフを見てもらえれば分かると思うが・・・。
プラスチック容器包装一人あたり廃棄量は、中国を抑え、アメリカに次ぎ、日本は 2位なのである。
生産量及び総廃棄量は遥かに低いのに、一人あたり廃棄量は群を抜いて高いのだ・・・!
まあ、スーパーに並ぶ食材の個別包装状況を見れば想像に難くないことと思う。
日本人の清潔好きなのがそうさせたのか・・・?
安易に手に入るビニール袋やレジ袋がそうさせたのか・・・??
ただ、一人ひとりが考えなければいけないのかもしれない・・・。
しかし、私は安易にレジ袋反対派ではない・・・(笑)
今までスーパーでもらったレジ袋は、キッチンで出た生ごみを捨てるのに重宝したはずである・・・!
ふと買い物を思い出したときに、買い物袋等を準備していなくても使えるレジ袋は便利なはずである・・・!
政府やエセ環境保護主義者の言うことを妄信するのはやめた方が良いと思う。
次回へ・・・