「真実の口」1,470 新型コロナウィルス・・・⑩

前回の続き・・・。

2 月 20 日、ダイヤモンド・プリンセス号に乗船していた日本人の 80 歳代の男女 2人が医療機関で死亡。

【概要・ 1 例目】

●年代: 80 代
●性別:男性
●居住地:神奈川県
●基礎疾患:気管支喘息、狭心症治療歴あり
●死因:新型コロナウィルス( COVID-19 )感染症
●経過:
・ 2 月 5 日、クルーズ船が横浜に帰港。
・ 2 月 10 日、発熱あり。他症状なし。
・ 2 月 11 日、発熱が続き、呼吸苦も生じたことからPCR検査検体を採取後、医療機関に搬送。感染症法に基づく入院となった。
・ 2 月 12 日、 PCR 検査にて新型コロナウィルス陽性が判明。
・ 2 月 15 日、呼吸状態増悪し挿管。人工呼吸器管理開始。
・ 2 月 18 日、画像診断にて肺炎像悪化。
・ 2 月 19 日、昇圧剤を使用するも血圧低下。呼吸状態悪化。
・ 2 月 20 日、死亡確認。

【概要・ 2 例目】

●年代: 80 代
●性別:女性
●居住地:東京都
●基礎疾患:該当なし
●死因:肺炎
●経過:
・ 2 月 5 日、クルーズ船が横浜に帰港。
・ 2 月 12 日、発熱が続くことから PCR 検査検体を採取後、医療機関に搬送。感染症法に基づく入院となった。入院時には、息切れと食欲不振を認めた。酸素投与とともに、抗菌薬の経静脈投与を開始。
・ 2 月 13 日、 PCR 検査にて新型コロナウィルス陽性が判明。
・ 2 月 14 日、呼吸状態が悪化。マスクにより高流量で酸素を投与。呼吸状態の改善を認めず。
・ 2 月 20 日、死亡確認。

上記は政府の発表によるものなのだが、男性の死因は、『新型コロナウィルス( COVID-19 )感染症』なのに対して、女性の死因は、『肺炎』のみの留まっている違いは何なのだろうか?

同日未明、ダイヤモンド・プリンセス号から下船した香港の市民 106 人が、香港政府の用意したチャーター機で香港に出発。

午前 9 時半すぎ(日本時間)、香港の空港に到着し、バスで政府が指定した公営住宅に移送されたという。

香港政府によると、改めてウィルスに感染していないか検査をするとともに、隔離された状態で 2 週間の経過観察措置を取るらしい。

同日未明、オーストラリア政府が用意したチャーター機は、オーストラリア人: 164 人、ニュージーランド人: 4 人を同乗させ、北部ダーウィンに到着。

到着時に発熱などの症状があった 6 人を隔離していたが、うち 2 人がウィルスに感染していたらしい。

オーストラリア政府は、乗客をダーウィン郊外の施設で 14 日間隔離するという。

ニュージーランド政府も同様に、政府の用意した施設で14 日間隔離するようだ。

新型コロナウィルスに感染していた 36 人は、帰国を許さず、日本国内で治療にあたらせるそうだ。


同日、陰性と診断された乗客 274 人が下船。

2 月 21 日未明、カナダ政府が用意したチャーター機が、カナダ人 209 人を乗せ帰国の途に就いた。

チャーター機は、カナダ東部のオンタリオ州にあるカナダ軍の基地に向かったあと、約 300km 離れた施設に乗客たちを移動させたうえで、 2 週間隔離するらしい。

新型コロナウィルスに感染していた 47 人は、帰国を許さず、日本国内で治療にあたらせるそうだ。

同日、オーストラリア政府、ダイヤモンド・プリンセス号から下船し、帰国した豪州人について検査したところ、 2 人から新型ウィルスの陽性反応が出たと発表した。

2 人とも深刻な症状ではないというのだが・・・。

ダイヤモンド・プリンス号からは、19 日に 443 人、 20 日に 274 人、 21 日に  252 人の計 969 人が下船している。

そして、下船した乗客はバスやタクシーで横浜駅など複数のターミナル駅に移動し、そこから公共交通機関などを利用して帰宅している。

この対応に対して、国内外から非難の声が・・・(笑)。

まあ、下船前にも、酷評されていたのだが、一部を紹介しよう・・・!

英紙サンは 18 日、ダイヤモンド・プリンセスを「疫病船」と見出しに掲げ「隔離計画にしくじって、中国本土以外で最大の感染拡大を引き起こした。」と日本の対応を非難。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも 17 日、船内で感染が拡大した点を問題視し「 2 週間も船内に大勢を押し込めた日本政府の方針に、日本国外の専門家からは疑問の声が上がっている。」と指摘した。

米国立アレルギー・感染症研究所( NIAID )のアンソニー・ファウチ所長は、 17 日の米紙 USA トゥデーに対し「隔離は失敗した。」と断言。「船の中でどんどん感染した。船内で隔離が甘かったからだ。」と批判した。

英紙ガーディアンも 18 日、ダイヤモンド・プリンセスを「感染で煮え立っている鍋だ。」と語る専門家の言葉を紹介。

米ブルームバーグ通信は 19 日、日本が「世界で最も危険な場所の一つになりつつある。」と伝えた。

カナダ CBC 放送は「選択肢は限られていた分、日本政府はもっと迅速に行動しなければならなかった。」と報じた。

声:「じゃあ、お前らならどうした?検疫が終わったくらいにチャーター機を出して、感染者は日本に押し付ける??寄港後、すぐに、迅速に対応していたなら、その言葉も甘んじて受けてやるわ!!!」

一方、このような意見もあるので紹介しておく。

米疾病対策センター( CDC )は、 18 日、「(日本の隔離に関して)船内の人々の間で感染を防ぐには不十分だったかもしれない。」と指摘した。一方で「隔離のための日本政府の途方もない努力を称賛する。」と強調している。

また、 16 日にチャーター機でアメリカに戻った乗客のうち 14 人がウィルス検査で陽性だったことに対して、米紙ニューヨーク・タイムズでは、「飛行機も安全でなかった。」と書き、批判の矛先が、米政府にも向けられている。

このような批判真っただ中での、下船から即解放という対応に関しては・・・。

アメリカのニューヨーク・タイムズ紙は、「専門家たちが深い懸念を示す中、コロナウィルスの検疫を終え、乗客たちは横浜の街に降り立った。」と伝えた。

米疾病対策センター( CDC )は 18 日、「船内隔離について、リスクは現在進行中だ。船内感染を防ぐには不十分だったかもしれない。」との判断を示し、更に、 CDC は、「同船の乗客と乗員に対する米国への入国制限措置を講じるとともに、船内に残っている乗客の中にさらに陽性が確認されるケースがあるかもしれない。」と指摘した。

イギリスの BBC は、「対応をめぐり日本が厳しい批判を受ける中、陰性が確認された数百人の乗客がクルーズ船から解放された。」と報道。

韓国の保健当局者も 19 日の定例会見で、同船を下船した乗客について、韓国人以外の入国を禁止する方針を明らかにした。韓国外務省を通じて乗客名簿の入手を目指す方針。

立憲民主党などの統一会派の山井和則氏が、クルーズ船の状況については「感染者がどんどん増えている。(下船後)苦渋の選択かもしれないが念のため快適な場所で 2 週間は隔離する。それが賢明な判断ではないか?」と求めた。

ただ、批判をしているのはメディアであり、各国政府は沈黙しているのが現状だ・・・(笑)。

何故なら、自国での恐怖が現実味を帯び、対岸の火事とばかりに笑ってはいられないからだ・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

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【厚生労働省より】

◆国民の皆様へのメッセージ

〇国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

〇次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や 37.5℃ 以上の発熱が 4 日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が 2 日程度続く場合
センターでご相談の結果、新型コロナウィルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。

なお、 現時点では新型コロナウィルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、 インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、 かかりつけ医等に御相談ください。

【相談後、医療機関にかかるときのお願い】

〇帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください。
〇医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、 手洗いや 咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の 徹底をお願いします。

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次回へ・・・。