前回の続き・・・。
月曜日の早朝から緊急地震アラームに驚かれた方も多いのではないだろうか?
午前 6 時 31 分頃、石川県能登地方を震源とする震源の深さは約 10km 、地震の規模 M5.9 の地震があり、石川県輪島市や珠洲市などで震度 5 強が観測された。
我が家では、寝室に置いている私の 2 台のスマートフォンと 1 台の携帯電話、家内のスマートフォンが一斉に鳴りだして「何事?」と驚かされた。
慌てて強震ライブで確認したが、初報が M7.4 最大震度 7 とばっていたので、かなり身構えた。
実際の地震の範囲は以下のようだ。
M7.4 最大震度 7 の予想のため、かなり広範囲で緊急地震アラームが鳴り響いたようだ。
上の震度 1 の範囲の東北から近畿一円までが鳴ったのではないだろうか?
かなり心臓に悪かった・・・((´・ω・`;))ブルブル・・・。
震源地に近い能登付近でも、これまでの地震で被害を受けていた民家一棟が崩壊したのみということで、現在のところ大きな被害は報告されていないようだ。
話を戻そう。
『旧・耐震基準』と『新・耐震基準』についてである。
おさらいだが、『旧・耐震基準』は、震度 5 強程度の中規模の地震を想定して建物に大きな被害がでないことを目安に定められていたのに対して、『新・耐震基準』では、旧耐震の基準に加え、震度 6 強~ 7 の大規模な地震の際にも、建物は被害は受けるものの倒壊や崩壊はしないという(=人命に関わる損傷は生じない)ことを目安にしている基準である。
しかし、『新・耐震基準』に改正されたのは、 1981 年(昭和 56 年) 6 月のことである。
今から、実に 43 年前のことである。
そして、改正して 14 年後の 1995 年(平成 7 年) 1 月、阪神淡路大震災が発生するのである。
残念ながら、『新・耐震基準』で建築された木造住宅の多くが、倒壊・大破損など、甚大な被害を受け、多くの犠牲者を出してしまう惨事となった。
この事実を教訓として、 5 年後の 2000 年(平成 12 年) 6 月に『新・耐震基準』の ”弱点” を強化した『新・新耐震基準( 2000年基準とも言われている)』が制定される。
以下がその弱点である。
・単に壁を強くしただけで、その強さの建物全体におけるバランスが、重要視されていなかったこと
・ほぞ抜けがきっかけとなり倒壊を誘発してしまったこと
ほぞ抜けとは、在来工法の木造家屋の柱頭・柱脚(柱の上下部)は「ほぞ」という、柱側(凸)と土台桁側(凹)とで組み合わされている。
大地震時には、大きな横揺れによって、この「ほぞ」を抜くような、柱を上に引っ張る力「引抜力」が発生する。
その為、柱と土台との緊結が弱いと柱(凸)が土台(凹)から抜けてしまい、元に戻らなくなり安定性を失う。
更に、横揺れが加わることによって、同時に上部の重さ( 2 階や屋根の重さ)に耐えられず柱が横に倒れてしまい、つぶされてしまうと言う結果に至る。
(イメージ図)
これが、ほぞ抜けである。
この弱点を補強するように、以下の点が義務づけられた。
・地盤が重さを支える力に応じて基礎を設計する
・柱の引き抜けに対応するため基礎と柱の接合部への金具の取り付ける
・耐力壁をバランスよく配置する
ただし、これはあくまで木造一戸建てに対する基準なのでマンションには該当しない。
『旧・耐震基準』と『新・耐震基準』は実際の地震で、マンションへの影響はのどのように変わったのだろうか?
興味深いデータを見つけたので紹介する。
阪神淡路大震災と東日本大震災による比較である。
それぞれの地震を、比較してみる。
【 阪神淡路大震災 】
・発生日時: 1995 年(平成 7 年) 1 月 17 日 5 時 46 分 52 秒
・震源地:兵庫県の淡路島北部(あるいは神戸市垂水区)沖の明石海峡(北緯 34 度 35.9 分、東経 135 度 2.1 分)
・地震の深さ: 16 km
・地震の大きさ: M7.3
・最大震度:7 (神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市、北淡町、一宮町、津名町)
・地震の種類:内陸地殻内地震、逆断層・横ずれ断層型
【 東日本大震災 】
・発生日時: 2011 年(平成 23 年) 3 月 11 日 14 時 46 分 18.1 秒
・震源地:宮城県牡鹿半島の東南東沖 130km (北緯 38 度 06.2 分、東経 142 度 51.6 分)
・地震の深さ: 24 km
・地震の大きさ: M8.4
・最大震度:7 (宮城県栗原市築館)
・地震の種類:海溝型地震、衝上断層型
今回は、敢えて、地震の種類まで書いてみた。
最大震度はどちらも震度 7 である。
ただ、地震の種類は、阪神淡路大震災は内陸地殻内地震、東日本大震災は海溝型地震である。
この違いがマンションへの被害状況がかわったようだ。
次回はその中身を見てみる。