「真実の口」2,170 来るべき大地震に備えて ㉝

前回の続き・・・。

前項まで Hi-net に関して寄稿してきた。

Hi-net で観測されたものがどのようなことに活用されていくつかをまとめてみる。

・緊急地震速報
・気象庁の一元化震源決定への利用
・地震本部の現状評価、長期評価
・地震活動、地殻変動の現況把握
・地殻構造の把握

我が国には、 Hi-net 以外にも K-net Kik-net  F-net  S-net という地震観測網がある。

K-net とは、 Kyoshin Network:全国強震観測網のことで、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が運用する、全国を約 20km 間隔で均質に覆う 1,000 ケ所以上の強震観測施設からなる強震観測網のことで、一部の例外を除き統一した規格で建設され、自由地盤上(地表)に設置されている。

K-net

将来的には、1,200 ケ所を目標に作られている。

KiK-net とは、 Kiban Kyoshin Network:基盤強震観測網のことで、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が運用する全国約 700 ケ所に配置され、各観測施設には観測用の井戸(観測井)が掘削されており地表と地中(井戸底)の双方に強震計が設置され、鉛直アレーを構成しているのが特徴である。

KiK-net

これらの 2 つの観測網がどのようなことに活用されているのか?

・強震動分布の把握
・断層破壊状況の把握
・震度情報ネットワークの一部を構成
・地震ハザード評価
・緊急地震速報(中深層等)
・長周期地震動情報

このように活用されているそうだが、因みに、能登半島地震では以下のような報告がされている。

地震観測網

K-NET 観測点 15 点、 KiK-net 地中観測点 10 点、 KiK-net 地表観測点 1 点の計 26 の観測点で観測されている。

下図の☆は破壊開始点を、青丸は本震発生から1日間の余震の震央分布が表されている。

これらを計算すると最大すべり量は 5.3m 、断層面全体での地震モーメントは M7.6 であったことが分かるらしい。

大きなすべりが、破壊開始点の北東側にあたる断層面の浅部領域と、破壊開始点の南西側にあたる断層面の浅部領域において見られ、破壊開始からしばらくは顕著な破壊は見られず、破壊開始 15 秒後に断層面の浅部領域にて破壊が生じたのち、破壊開始 30 秒後からは断層面の浅部領域において破壊が起きていたことが分かるという。

しかし、これらはあくまで地震が起きた結果の観測であり、予知に役立つもものではなく、あくまでメカニズム解析である。

続いて、F-net とは、 Full Range Seismograph Network of Japan :広帯域地震観測網のことで、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が運用する約 100km 間隔で全国約 70 ケ所に設置され、奥行き数 10m の横坑(トンネル)の奥に地震計が設置されている。

F-net

F-net がどのようなことに活用されているのか?

・断層破壊過程の把握
・地球内部構造の把握

このように活用されているそうだが、因みに、能登半島地震では以下のような報告がされている。

能登半島地震 F-net での観測

F-net 能登半島地震

正直、これを見ても素人には何も分からない(笑)

ただ、詳細というところをクリックしてみると、周辺の地震活動の過去一ヶ月を見ることが出来た。

能登半島地震1ヶ月前からの活動

これを見てみると、 2023 年 12 月 24 日 8 時 7 分に深さ 10.94 km で M3.8 に地震があったことがわかるがこれが 1 月 1 日の地震と関係あるのかどうかは予測できないだろう。

次回へ・・・。