前回の続き・・・。
前回、東北地方太平洋沖に設置されている S-net を紹介した。
「南海トラフ対策は?」とお思いの方もいらっしゃると思うが、南海トラフ地震対策にも余念は無いようだ(笑)
それが DONET だ!!!!
DONET ( Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis )は、南海トラフで発生する地震や津波を観測するために海洋研究開発機構により開発された観測網である。
熊野灘と紀伊水道沖に展開されている観測網で、それぞれ DONET1 、 DONET2 と呼ばれている。
【 DONET1&2 の観測点マップ 】
【 DONET1 の観測点マップ 】
【 DONET2 の観測点マップ 】
DONET1 は、 2011 年 7 月から 20 点で本格運用が開始され、 DONET2 は、 2016 年 3 月から本格運用が開始されている。
現在、 DONET は、 2 点が増強されて、合計 51 観測点での運用を継続されている。
DONET は、国立研究開発法人海洋研究開発機構が開発・設置したもので、平成 28 年 4 月に、防災科研に移管され、運用されている。
各観測点は、小さい振動や大きい振動、地殻変動のようなゆっくりとした変動から地震のような激しい振動まで、あらゆる種類の信号をキャッチできるよう、ジンバル機構により水平に保たれた地動センシングシステム( 6 成分強震計、ハイゲインとローゲインの 3 成分広帯域地震計)と圧力センシングシステム(水圧計、ハイドロフォン、微差圧計、温度計)から構成され、多種類のセンサーによる観測が実現されているらしい。
強震計と広帯域地震計は 200Hz ないし 100Hz 、ハイドロフォンと微差圧計は 200Hz 、水圧計は 10Hz 、温度計は 1Hz でデータ取得されている。
DONET は基幹ケーブルを敷設したのち、海中ロボットで観測機器やコンセントの役割を果たすノードと呼ばれる機器が設置され、海底ケーブルに接続して構築されている。
センサーが劣化、故障すれば交換することができ、 今後の研究が進捗して観測点の増設や位置の変更が必要になれば再設置が可能であるなど、拡張性や置換性に優れているところが特徴らしい。
DONET1 の観測データは、三重県尾鷲市の古江陸上局に、 DONET2 の観測データは徳島県海陽町の海陽町まぜのおか陸上局と高知県室戸市の室戸ジオパーク陸上局に伝送されてデータ処理の上、即時的に当研究所をはじめ、気象庁や海洋研究開発機構、大学等の各研究機関に送られている。
2021 年 12 月 3 日 9 時 28 分に紀伊水道で M5.4 、最大震度 5 弱の地震が起きている。
その時の DONET の広域と強震計の観測データである。
これらのデータは 1 時間ごとに、時間を前後しながら閲覧できるようになっている。
少しずつ遡ってみたのだが、 2021 年 11 月 29 日 21 時 43 分ごろから微弱の地震が続いているかなあと思うのだが・・・。
これが予知につながるとは思えない・・・?
もちろん気象庁・文部科学省からの報告にもこれらが本震につながる危険性など報告してもいない(笑)。
次回へ・・・。