前回の続き・・・。
前回は、“心筋炎”、“心膜炎”を取り上げたが、今回は、“血小板減少症を伴う血栓症( TTS )”を報告する。
≪血小板減少症を伴う血栓症( TTS )≫
【ファイザー社製】
1. 報告状況
○ 前回の集計対象期間( 2 月 20 日)以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告されたて報告された事例が 8 件増加し(うち、 3 回目接種後の事例の増加は 6 件)あり、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 3 月 20 日までに報告された TTS 疑い事例は計 53 件(うち、 3 回目接種後の事例は 9 件)となった。
2. 専門家の評価
○ 令和 4 年 3 月 20 日までに報告された 53 事例を対象に、専門家の評価を実施。
○ 「ブライトン分類」での評価は、 53 事例中、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 18 例となっている。
・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 18 件/ 105,857,252 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 0.2 件
○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数
年齢(歳) | 報告件数 | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 性別不明 | ||
0~4 | 0 | 0 | 0 | 0 |
5~9 | 0 | 0 | 0 | 0 |
10~14 | 0 | 0 | 0 | 0 |
15~19 | 0 | 0 | 0 | 0 |
20~24 | 0 | 0 | 0 | 0 |
25~29 | 0 | 0 | 0 | 0 |
30~34 | 0 | 0 | 0 | 0 |
35~39 | 1 | 0 | 1 | 0 |
40~44 | 1 | 1 | 0 | 0 |
45~49 | 1 | 1 | 0 | 0 |
50~54 | 0 | 0 | 0 | 0 |
55~59 | 3 | 3 | 0 | 0 |
60~64 | 1 | 1 | 0 | 0 |
65~69 | 1 | 0 | 1 | 0 |
70~74 | 5(+1) | 3(+1) | 2 | 0 |
75~79 | 1 | 1 | 0 | 0 |
80歳以上 | 3 | 1 | 2 | 0 |
不明 | 1 | 1 | 0 | 0 |
合計 | 18(+1) | 12(+1) | 6 | 0 |
(参考) 65歳以上 |
10(+1) | 5(+1) | 5 | 0 |
〔考察〕 今回から、年齢別を取り上げてみたが、若年層よりも高齢者層に多く発生しているのが分かる。また、男女の違いは見られなかった。
【モデルナ社製】
1. 報告状況
○ 前回の集計対象期間( 2 月 20 日)以降、スパイクバックス筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告された事例が 3 件増加し(うち、 3 回目接種後の事例の増加は 3 件)、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 3 月 20 日までに報告された TTS 疑い事例は計 10 件(うち、 3 回目接種後の事例は 3 件)となった。
2. 専門家の評価
○ 令和 4 年 3 月 20 日までに報告された 10 事例を対象に、専門家の評価を実施。
○ 「ブライトン分類」での評価は、 10 事例中、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 4 例となっている。
・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 4 件/ 39,552,935 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 0.1 件
○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数
年齢(歳) | 報告件数 | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 性別不明 | ||
0~4 | 0 | 0 | 0 | 0 |
5~9 | 0 | 0 | 0 | 0 |
10~14 | 0 | 0 | 0 | 0 |
15~19 | 1 | 0 | 1 | 0 |
20~24 | 0 | 0 | 0 | 0 |
25~29 | 0 | 0 | 0 | 0 |
30~34 | 0 | 0 | 0 | 0 |
35~39 | 0 | 0 | 0 | 0 |
40~44 | 0 | 0 | 0 | 0 |
45~49 | 1 | 1 | 0 | 0 |
50~54 | 1 | 1 | 0 | 0 |
55~59 | 1 | 1 | 0 | 0 |
60~64 | 0 | 0 | 0 | 0 |
65~69 | 0 | 0 | 1 | 0 |
70~74 | 0 | 0 | 0 | 0 |
75~79 | 0 | 0 | 0 | 0 |
80歳以上 | 0 | 0 | 0 | 0 |
不明 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 4 | 3 | 1 | 0 |
(参考) 65歳以上 |
0 | 0 | 0 | 0 |
〔考察〕 今回から、年齢別を取り上げてみたが、比較的、中年層に多く発生しているのが分かる。また、男性の方が多く発生している。
【アストラゼネカ社製】
1. 報告状況
○ 前回の集計対象期間( 2 月 20 日)以降、バキスゼブリア筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者から血栓症(血栓塞栓症を含む。)(血小板減少症を伴うものに限る。)( TTS )疑いとして報告された事例に増加はなく、令和 3 年 8 月 3 日から令和 4 年 3 月 20 日までに報告された TTS 疑い事例は計 2 件(うち、 3 回目接種後の事例は 0 件)となった。
2. 専門家の評価
○ 令和 4 年 3 月 20 日までに報告された 2 事例を対象に、専門家の評価を実施。
○「ブライトン分類」での評価は、 2 事例中、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 2 例となっている。
・ レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 2 件/ 116,640 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 17.1 件
○ブライトン分類レベル 1 ~ 3 の年齢別・性別の報告件数
年齢(歳) | 報告件数 | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 性別不明 | ||
0~4 | 0 | 0 | 0 | 0 |
5~9 | 0 | 0 | 0 | 0 |
10~14 | 0 | 0 | 0 | 0 |
15~19 | 0 | 0 | 0 | 0 |
20~24 | 0 | 0 | 0 | 0 |
25~29 | 0 | 0 | 0 | 0 |
30~34 | 0 | 0 | 0 | 0 |
35~39 | 0 | 0 | 0 | 0 |
40~44 | 0 | 0 | 0 | 0 |
45~49 | 1 | 1 | 0 | 0 |
50~54 | 0 | 0 | 0 | 0 |
55~59 | 0 | 0 | 0 | 0 |
60~64 | 0 | 0 | 0 | 0 |
65~69 | 0 | 0 | 0 | 0 |
70~74 | 1 | 1 | 0 | 0 |
75~79 | 0 | 0 | 0 | 0 |
80歳以上 | 0 | 0 | 0 | 0 |
不明 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 2 | 2 | 0 | 0 |
(参考) 65歳以上 |
1 | 1 | 0 | 0 |
〔考察〕 今回から、年齢別を取り上げてみたが、接種数が少ない為、統計としてみるのは難しいようだ。また、現時点では、男性のみに発生している。
〔総考察〕 今回も血小板減少症を伴う血栓症( TTS )に関する論点のまとめ等は記載されていない、しかし、ファイザー社製では、数例だが事例が報告されている以上、注意する必要があるようだ。また、各ワクチンで、発症年齢が違うようなので、ワクチンを接種する方は、どのワクチンなのかを自身確認したほうがよさそうだ。
次回へ・・・。