前回の続き・・・。
緊急事態宣言延長が囁かれる中、各地の指標を見てみる。
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」は、感染状況を示す 4 つのステージのうちどのステージにあるか判断するための新たな指標を示し、「医療のひっ迫具合」、「療養者数」、「PCR検査の陽性率」、「新規感染者数」、「感染経路が不明な人の割合」の5つに見直し、 4 月 15 日から適用されている。
このうち「医療のひっ迫具合」は、「病床使用率」、「入院率」、「重症者用病床の使用率」の 3 つの項目が該当する。
5 月 23 日から適用された沖縄県除く 9 都道府県の対応は・・・?
東京都は、新たな感染確認は減少傾向にあるものの、このところ人出が増えていることから短期間で再び増加に転じる懸念があるとして、宣言の再延長を政府に要請する方向で検討を進めているようだ。
小池知事:「大型連休が明けて人の流れが増えている状況を極めて心配している。」
大阪府は、 25 日(火)午後、大阪府庁で「第 50 回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」を開き、今月 31 日が期限となっている「緊急事態宣言」について、府内の医療体制が極めて厳しい状況が続いていることから、宣言の再延長を政府に要請することを決定した。
吉村知事:「いま、これだけ病床がひっ迫している中で、感染が再拡大すれば、対応できない状況になってくる。専門家の意見も踏まえ、宣言の再延長を要請する判断をした。引き続き、感染対策に協力をお願いしたい。」
京都府は、医療提供体制が大きくは改善していないことから、宣言の再延長を国に要請する方向で最終調整を進めていることを明らかにし、 26 日、対策本部会議を開き、正式に決めることにしている。
西脇知事:「きょう、あすの感染状況を見て判断したい。ただ感染者数は依然として多いと認識しており、宣言の解除に向けては慎重に考えたい。」
兵庫県は、医療体制のひっ迫が続いていることなどから、宣言の再延長を政府に要請する方針を固め、 26 日、対策本部会議を開いて正式に決定することにしている。
井戸知事:「感染状況は、 2 回目の緊急事態宣言を解除要請したときの基準にもほど遠い状況であり、宣言解除にはほど遠い。あすの対策本部会議で県の方針をとりまとめたい。大阪、京都と、 3 府県知事が足並みをそろえること重要だ。」
愛知県・大村知事は、 25 日の記者会見で、県内の医療機関に入院している患者の数が 24 日夜の時点で 1,044 人と、過去最多だった前の日よりさらに 16 人増えたことを明らかにし、緊急事態宣言について、「現状では、期限の今月 31 日で一区切りにして解除するのは難しいと思う。(延長する際の期限について)国が決めることだが沖縄県の期限にそろえるのが素直ではないか。来月 20 日というのがひとつの目安になるのではないか。」と述べた。
岡山県・伊原木知事は 25 日の記者会見で、「(県内の感染者は減少傾向としつつ)療養者数や病床使用率は高止まりし、さらに上がってもおかしくない。とても 1 週間後に宣言を解除できる状況ではない。国が決めることだが、(感染を)抑える観点からすると延長は歓迎だ」と表明した。
広島県・湯崎知事は、県内は極めて危機的な感染状況が続いているとして、今月 31 日の期限までに解除することは困難だという認識を示した。
湯崎知事:「宣言が出されて 10 日目になるが、引き続き極めて危機的な感染状況が続いている。今すぐに解除するのは難しいと政府に伝えている。」
福岡県は、県内の感染状況を踏まえ、解除は難しいとして、 25 日(火)、政府に、宣言の延長を要請した。
服部知事:「新規の感染者の数は減少傾向にあるが、1 週間の平均では高い水準にあり、予断を許さない。病床使用率も深刻な状況が続いていると言わざるをえない。解除するのは困難だと判断した。」
北海道は、 24 日(月)午後、宣言に伴い特定措置区域として対策を講じている札幌市、小樽市、旭川市等の各市町村長とオンラインで会談を行い、厳しい今の感染状況では宣言の期限どおりの解除は難しいという認識を示し、 26 日にも国へ宣言延長を要請するとした。
鈴木知事:「緊急事態宣言の期限まで残り1週間となり、今の厳しい局面を乗り越えていくためには、一層、人の流れの抑制に向けた働きかけを強化する必要がある。」
一方、政府は、全国的には感染者数が減少しているとする一方、東京や大阪などでは、解除を判断するレベルまでは減少していないと指摘し、宣言の延長も視野に入れ、専門家の評価を参考にして最終的に判断する考えを示した。
菅総理大臣:「 9 都道府県の扱いについては、対策を徹底しながら感染状況を分析し、専門家の意見もうかがいながら今週末にも判断したい。」
田村厚生労働大臣:「全国的に見ると、新規感染者数は減少に転じているが、地域によっては、十分収まっていなかったり、増加したりしている。宣言の解除の判断には、感染者数が、東京では安定的に500人、大阪も300人強を、それぞれ下回らなければならないが、まだその段には至っていない。」
先週後半の動向を追ってみる。
次回へ・・・。