先週金曜日の続き・・・。
先週、後遺症の話を寄稿した。
それともつながりがある話をしよう。
Fobes JAPAN Web ( 11 月 19 日配信)に気になる記事が掲載された。
新型コロナウィルス感染症の罹患者のほぼ 5 人に 1 人が陽性確認から 3 カ月以内に精神疾患を発症している・・・!
精神疾患の既往歴がある人は新型コロナウィルス感染症にかかるリスクが 65% 高い・・・!!
如何だろうか・・・?
これまでも精神疾患と新型コロナウィルス感染症の関連性については、いくつか報告されていたことは知っていたのだが・・・。
(例) 新型コロナウィルス対策のソーシャルディスタンシングにより、孤立や不安、その他広範囲に及ぶ変化によって、メンタルヘルス危機が差し迫った問題になっている等々・・・。
今回、英オックスフォード大学と NIHR (英国立衛生研究所)オックスフォード健康・生物医学研究センターのチームによる大規模な調査研究で確認されたというのだ。
日本では、 8 日、当題研究チームから Go To トラベルと感染拡大の因果関係についての論文が発表され、政府与党は、「査読されていない論文」だということを必死に訴えているが・・・(笑)
上記論文は、既に査読を受け、 The Lancet Psychiatry 誌に掲載された論文なのだ。
20% of COVID-19 patients receive a psychiatric diagnosis within 90 days
この研究では、 62,000件を超える COVID-19 の症例を含む、アメリカの 6,900 万人の TriNetX(※注 1 ) 電子健康記録を使用したそうだ。
(※注 1 ) TriNetX とは、世界のデータを組み込むことで、より良い臨床試験デザインが得られ、世界のエビデンスが作られて、人間の健康に関する集合的な理解を促進させるという考えに基づいて設立されたネットワークのこと。 TriNetX は、上位 15 社の製薬会社のうち 13 社を含む業界リーダーの大多数と協力しており、 30 ケ国にまたがる 170 のヘルスケア組織のネットワークを作っている。
チームは、 TriNetX のデータを利用して、新型コロナウィルス感染症の罹患者と、別の呼吸器感染症や骨折、インフルエンザ、皮膚感染症といったほかの病気の罹患者を比較し、精神疾患の診断例の変化が新型コロナウィルスへの感染と関連しているかどうかを分析したという。
その結果、新型コロナウィルス感染症の罹患は、すべての精神疾患ではないものの、不安障害や鬱病、不眠症といった一部の精神疾患の発症リスクを高めることが確認されたらしい。
新型コロナウィルス感染症の罹患と、精神疾患のうち、統合失調症など精神病性障害と新たに診断される例との関連性については、はっきりしたものは認められなかったものの・・・。
反面、新型コロナウィルス感染症の罹患が、すでに精神病性障害を抱えている人の再発リスクを高めることは確認されたそうだ。
また、過去に、精神疾患と診断されたことがある人は、新型コロナウィルス感染症と診断される確率が 65% 高いという「予想外」の発見について・・・。
研究チームのマックス・タケ氏は、「他の要因が関わっている可能性もあるため一段の研究が必要だと指摘し、一方で、精神障害は新型コロナウィルス感染症の“リスク要因の一つ”に加えるべきだ」と語った。
今回の研究は、問題の重大さを明確に示したのではないだろうか?
研究を率いたオックスフォード大学精神医学の Paul Harrison 教授は、「新型コロナウィルス感染症を生き延びた人はメンタルヘルス問題を抱えやすいという懸念を裏づける結果になった。原因や新たな治療法を緊急に究明するよう促すとともに、そうした人に専門のケアを提供するサービスを用意する必要がある。」と訴えている。
先月 29 日、読売テレビ「そこまで言って委員会」に出演したタレントの山口もえさんも同様のことを語っていた。
山口さんは、 8 月末、新型コロナウィルスに感染したときの様子を以下のように語った。
山口さんは、 8 月 25 日に感染が判明し、入院。
夫である「爆笑問題」の田中裕二さんも、同 26 日に感染が判明し、入院。
病状については、「熱があがりまして、 37.8℃ぐらいです。入院しました。」と説明。
「(感染したことで)精神的にダウンしてしまって・・・。と明かした。
「なんでかかったんだろう?」と自らを責め・・・。
「夫の仕事にも穴を空けた、子供が学校でもしいじめられたらどうしよう、とか。精神的なダメージが大きくて、ご飯も食べられず、飲めず…。心理カウンセリングを受けてました。」と打ち明けていた。
感染当時、長女( 13) 、長男( 9 )、次女( 3 )という幼い子供を抱えていることもあり、家族全員で入院したという。
山口さんは、 9 月 5 日に退院。
また、田中さんは、感染前の状況を以下のように語っている・・・。
「うちは夫婦で芸能の仕事をしているから、そもそもマスクを使うのよ。
だから、コロナの前から冬場は箱で買い置きしてあるの。
ただ、ストックがなくなると困ると思って薬局にいったら、ぜんぜんなくて。
これはヤバイと……。
でも、そのうち洋服屋とかで、中国の輸入品が並ぶようになって。
そんなのをマネージャーが買ってきてくれたり、家族で買い物しているときに下北沢で見つけたり。
そうそう!
シャープのマスクも申し込んだけど、ぜんぜん当たらなくて・・・。」
奥さんである山口さんの状況に関しては・・・。
「奥さんが風邪っぽいって病院に行ったんだよね。
それで新型コロナの検査をしたのよ。
これは自費検査だからすぐに受けられた。
で、陽性反応が出て。
この時点で家族全員が濃厚接触者とされた。
で、明くる日の朝には自分も喉が痛くなって・・・。」
結局、田中さんも陽性が判明し入院。
症状に関して・・・。
「僕の場合は、最初、喉のちょっとイガイガ感。
ちょっと咳。
軽い風邪ぐらい。
で、陽性ってなったので入院したわけですけど。
最初は平熱で、そのあと 2 日目から頭痛が結構痛いな。
で、頭痛薬飲んで治まったりみたいな。
で、 3 日、 4 日後から熱が出ました。
その時にはもう頭痛もなくて咳もなくて、何ともないです。
熱だけ、 37 ℃台から 38 ℃ちょっとぐらいを 5 日か 6 日間ぐらいいったりきたりずーっと。
その間たまに咳が出たりとか。
で、レントゲンとかは 1 日おきぐらいに撮ってたんですけど、採血したりとかしてたんですけど、軽い肺炎になってるといわれて。
ただ、レムデシビルとか、アビガンみたいな薬を投与するほどではない。
医者から見た軽症。
で、酸素の濃度が大事。
これを常に計っていて体温と酸素濃度によってやっぱり、あともちろんレントゲンなどの肺の状態とかで判断して。」
山口さん退院( 9 月 5 日)後も、自身は継続入院。
自身は、 9 月 7 日、退院となった。
退院の手続きに関しても具体的に語っている。
「こうした諸々の症状がおさまって、熱も下がった状態が 72 時間続けば退院できる。
みんな意外と知らないんだけど、退院する時に PCR 検査はしないの。
たしかに、以前は PCR 検査で 2 回続けて陰性にならないと退院できなかった。
でも、それをやっていたら病院がパンクしちゃう。
というのは、新型コロナが感染するのは、症状が出た前後 2 日といわれていて、濃厚接触者は発症を起点にしたこの期間しか問われない。
なんの症状もなくて、うつす可能性もないのに、延々と入院させないといけなくなるから。」
PCR 検査に関しては・・・。
「ルールとしては、退院時に PCR 検査をしなくてもいいんだけど。
俺は、個人的に PCR 検査をしてる。
もちろん、医者や保健所は検査をしなくていいって言ってるし、社会的には無罪放免なんだけど・・・。
俺は芸能人だし、テレビ局で仕事をしてて──『なんだよあいつ、PCR検査をしてないの?』ってなるかもしれない。
だから、『ちゃんと陰性が出ました。しかも2回検査をして陰性が出たので仕事に復帰します』にしている。」
後遺症に関しては・・・。
「実のところ、よくわからなくて。
匂いがしないときは、アロマオイルを思いっきり吸い込んでも、なんの匂いもしなかった。
今は匂いを感じるけど、コロナ以前と比べようがない。
どこまで匂いを感じているか、数値があるわけじゃないからわからない。
日常に支障なく元気に仕事ができているんで問題ない。
ただ、俺はいまなんともないけど、何年後かになにかが起きるかもしれない。」
新型コロナに感染・入院したことで感じたこととして・・・。
「体験してわかったけど保健所のリサーチが凄い!
過去 2 週間に遡って、どこへ行って、誰と会ったかを詳しく聞かれた。
この日はテレビ朝日で収録があってとか、とにかく細かい。
あれは頭が痛いときでつらかった。
クラスターはこうしたリサーチを積み上げて判断してるんだなって。」
貴重な体験を教えてくれた田中さんだが、私の一歳下である・・・。
山口もえさんの精神的なダメ-ジ等も併せて考えると、やはり、感染しないに越したことがない・・・。
次回へ・・・。