コロナ禍の中、店舗に入る際、店先に置いてあるアルコールで消毒する習慣が、皆も身についてきたのではないだろうか?
テレビの CM を見ても、『菌・ウィルスの除菌、除去』と言う商品をよく見かける。
菌とウィルスの違いなど当 Blog をご覧になられている方にとっては言わずもがなかもしれないが、一応、解説する。
こんな感じである・・・。
菌とウィルスの増殖の仕組を図にすると・・・。
上記を見ていただくと分かると思うが、ウィルスは他の生物の細胞の中に入り込み、その細胞がもっている DND や RNA の増殖機構を借りて、自分の DND (または RNA )を増殖させる。
つまり、他の生物の細胞の中に侵入して「寄生」しないと増えることができない。
このことから、一般的に、「ウィルスは他人の細胞の中でわるさ(増殖)し、菌は他人の細胞の外でわるさ(増殖)する」と言える。
また、この違いによって、体の防御反応(免疫反応)や治療方法が大きく変わってくる。
我々の体の中では、菌に対しては、白血球の中の「好中球」という細胞が主体となって防御し、ウィルスに対しては主にリンパ球が防御にあたる。
血液検査を受けて、医師から、「白血球が高い。」と言われた経験が無いだろうか?
この状態は、一般に「好中球」の上昇を意味し、「好中球が細菌と戦うために増殖しているため、細菌による感染症の可能性が高い。」ということになる。
細菌に対する治療としては、「抗菌薬(抗生物質)」が用いられる。
抗生物質も今や多くの種類があり、前回の“脳を喰うバクテリア”編でも紹介したように、多種類が処方されることもある。
ウィルスに対する治療としては、薬自体の種類が少なく、薬で対応できるウィルスはかなり限定される。
今回のように、新型コロナウィルスが感染流行した場合、後手々々になるのは致し方がないということだ。
つまり、自分で防御するしかなくなってくると言う訳だ・・・。
ウィルスも菌も微生物ではあるが、ウィルスは、細胞壁、細胞膜、細胞質、核等の構造を持っていない。
その構造は、遺伝子である核酸( DNA か RNA )を中心にして、その周囲を蛋白の殻(カプシッド: capsid )で包んだ構造からできている(この構造をヌクレオカプシッドと言う)。
ウィルスの種類によっては、ヌクレオカプシッドの外側にさらに脂質と糖タンパクからなる被膜(エンベロープ: envelope )が存在する。
疫学上、エンベロープをもつウィルスはアルコールや石鹸など脂質を溶解する消毒薬に対して感受性が高く、逆にエンベロープをもたないウィルスは不活化されにくいという特性があると言われている。
今般、流行している新型コロナウィルスは、エンベローブを有している。
その為、現在、アルコールで消毒をするという習慣が定着しているのである。
コロナ禍の中、除菌、抗菌、殺菌、滅菌等々のワードを耳にする機会が増えているが、その違いはご存じだろうか?
こんな感じである・・・。
新型コロナウィルスに対しても、手洗いが励行されている。
新型コロナウィルスの感染拡大前の手洗いは、水にさっと濡らす程度の人が多かったように思う。
男性に関していえば、手を洗わずに行く人さえいた・・・(笑)
手を洗った人でも、ハンカチを持ち合わせていないのか、濡れた手で髪をセットし、水分を取っている人もいた。
しかし、最近では、駅やショッピングセンターの洗面所で見ていると、石鹸を使う人が増えたように思う。
テレビ等で、手洗いの時間までもが、推奨されるようになったためか、結構、長いこと、手洗いをしている人もいうようだ。
因みに、東京都健康安全研究センター微生物部が調査した「手洗いによるウイルス除去効果の検討」という論文によると・・・。
上記のような効果が発表されている。
これを見ると、神経質な人は、ハンドソープで 10 秒もみ洗い後、流水 15 秒× 2 をするのだろうが・・・。
私に言わせれば、流水 15 秒の手洗いで 1% になるのであれば、石鹸でチョチョイと洗い、チャチャッと流せば十分だと思うのだが・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
後は、免疫で打ち負かす・・・(笑)
先ほど、疫学上、エンベロープをもつウィルスはアルコールや石鹸など脂質を溶解する消毒薬に対して感受性が高いということをお伝えしたが、この石鹸を PoPo EX やえみなにしたら、そんなに神経質にならなくても良いのでは・・・(笑)。
因みに、私は、人生の中で、帰宅時に手を洗ったことは一度もない・・・(*^□^)ニャハハハハハハ!!!!
勿論、このコロナ禍でもある。
外出時には、マメにえみなをスプレーしているし、帰宅時には、抗酸化溶液入りアルコール消毒しているので、一片の心配もしていない・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
次回へ・・・。