スマートフォンで何気なく、ネットニュースを見ていて、「え~っ!」と思わず声が出た。
ソフトキャンディでアメリカの男性が死亡したと言うのだ。
ソフトキャンディで頭に浮かんだのは、森●のハ●チ●ウだった・・・。
高齢者が詰まらせたのか?
しかし、記事を読むと、食べ過ぎで死んだと言うではないか?
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米マサチューセッツ州の男性( 54 )が昨年、ファストフード店で突然倒れて翌日に亡くなった。
マサチューセッツ総合病院の心臓専門医であるニール・エム・ブタラ医師( Neel M. Butala )率いる医療関係者らが、このほど亡くなった男性の症例を医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン( The New England Journal of Medicine)』に報告したところ、多くの関心が集まった。
症例報告によると、亡くなった男性は訪れていたファストフード店で突然息苦しそうにしてその場で意識を失い倒れてしまったそうだ。
男性は身体をガタガタと震わせたかと思うと、身動きすることなくそのまま心肺停止状態となってしまった。
その 4 分後に、救急隊が到着して電気ショックによる心配蘇生法が施された。
そして 4 回目の電気ショックで心拍が戻り、 30 分後には搬送先のマサチューセッツ総合病院に到着し、集中治療室で治療が行われた。
しかし翌日に男性は命を落としてしまった。
症例報告には、男性が亡くなった要因のひとつに血液中のカリウム濃度が非常に低い「低カリウム血症」だったことが挙げられている。
低カリウム血症になると筋肉の痙攣などが引き起こされて麻痺などが生じ、不整脈を起こすことがあるという。
この低カリウム血症を引き起こした原因が、男性がソフトキャンディの「リコリス」を大量に食べていたことにあるという。
男性は日頃からキャンディ類を好んで食べていたが、亡くなる2週間前からリコリスを食べ続けていたようだ。
ところがこのキャンディには食品添加物の甘草が使用されていた。
甘草にはグリチルリチン酸が含まれており、この化合物は肝機能異常や湿疹、皮膚炎などの治療に使用されることもある。
しかし摂取量を間違えると低カリウム血症などの危険があり、致死的な不整脈、腎不全を引き起こす可能性があるそうだ。
症例報告の病理的診断結果には、男性が「過度の甘草摂取による偽性アルドステロン症」だったことが記されている。
ソフトキャンディのリコリスは欧米で人気の菓子だが、今回の症例報告を踏まえて「 Twizzlers 」という製品名のリコリスを販売している The Hershey Company では「当社の全ての製品は安全に食べることができ、我々の製品はアメリカ食品医薬品局( FDA ) の規則に法って作られています」と声明を出している。
ちなみに FDA では、一日に 2 オンス(約 57g )程度の甘草を 2 週間毎日摂取し続けるだけで、特に 40 歳以上の人に不整脈が生じる場合があると警告している。
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記事にある Twizzlers と言う菓子を調べてみた・・・□_((ヾ(・ω・*)カタカタ
赤い形状でツイストしているようだ・・・。
ついでに、 Wikipedia でリコリスを調べてみた・・・・□_((ヾ(・ω・*)カタカタ
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北アメリカやヨーロッパで古くから親しまれ、子供から大人まで幅広い人気がある。食感は飴よりグミに近く、光沢を帯びた真っ黒な色をしている。
黒い色は食品着色料のカーボンブラック(炭素)で着色される。
グミの様な歯ごたえはゼラチン、光沢は蜜蝋を添加することで出している。
米国ではひも状やチューブのように長い製品が多い。
オランダや北欧ではサルミアッキのような塩味がありアンモニア臭のするリコリス菓子が好まれるが、これらは塩化アンモニウムで味付けがされている。
製造元や地域によっては、グミの様な歯ごたえが無い硬い飴のリコリス菓子も製造されている。
日本人の味覚には合わない場合が多く「タイヤのゴムのよう」などと評される。
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画像を探してみると、こんな感じだった・・・
見た目からお菓子感がない・・・。
工業製品の部品・・・?
実にまずそうである・・・(;´Д`)ゲロゲロ
このニュースの元記事を辿ってみた。
Case 30-2020: A 54-Year-Old Man with Sudden Cardiac Arrest
中身を読んだが、この症例に関することを詳しく書いているだけで、正直、面白くなかった・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
仕方が無いので、他の記事を追ってみた・・・□_((ヾ(・ω・*)カタカタ
数件の記事をウロウロ読んでいくうちに、ようやくたどり着いた・・・(笑)
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He had a poor diet, consisting primarily of several packages of candy daily; 3 weeks earlier, he had switched the type of candy he was eating … from eating fruit-flavored soft candy to eating licorice-flavored soft candy that contained glycyrrhizic acid, which is converted to glycyrrhetinic acid after it is consumed.
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どうやら、この 54 歳の男性は偏食家で、毎日、キャンディ数袋を食べていたらしく・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…
3 週間前に、フルーツ風味のソフトキャンディから、グリチルリチン酸を含む甘草風味のソフトキャンディへと切り替えたらしいのだ。
他の記事では、家族とそのことで話し合った結果のようなので、少しでも、健康に良いのではと気を遣ったことが運の尽きだったようだ・・・ヘ(-′д`-)ゝヤレヤレ..
しかし、甘草というのは、漢方薬でもよく耳にする薬草である。
調べてみると、甘草は漢方薬エキス製剤の約 7 割に含まれているという。
大丈夫なのか?
甘草による副作用が、上記のニュースに出てきた偽性アルドステロン症なのだが・・・。
甘草の主成分にグリチルリチン( 2 ~ 6% )があり、これが腸内細菌で代謝されてグリチルレチン酸に変わるらしい・・・。
更に、このグリチルレチン酸がコルチゾールをコルチゾンに変換する 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2 という酵素を抑制する。
そうすると鉱質コルチコイド作用のあるコルチゾールが増加するため、浮腫、高血圧、低 K 血症が発症し、低 K 性ミオパチーと思われる四肢の脱力などを発症すると考えられているようだ。
一般に、患者の 40% は、投与後 3 ケ月以内に発症すると言われており、中止した 2 日後には改善すると考えられているそうだ。
男女比は 1:2 で女性に多い。
また、利尿薬などを併用していると発症しやすい。
あるレポートでは、甘草 1g での副作用の発生率は 1% 程度であるのに対し、 6g になると 11% になるなど、急激に頻度が増加するとされている。
特に甘草の含有量が多い芍薬甘草湯は、長期に服用する場合で 1 日 1 包程度にすることが、偽性アルドステロン症の発症予防に有用なようだ。
しかし、漢方が好きな人は、漢方を複数種、服用しているのではないだろうか?
そうなると、甘草は漢方薬エキス製剤の約 7 割に含まれているわけだから、必然的に加算されることにはならないだろうか・・・?
まあ、漢方は、所詮、酸化物だから私には縁のない話である・・・(笑)
漢方好きな人は、要注意と言うことで・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛