「真実の口」1,536 熊本南部豪雨(仮称)・後編

前回の続き・・・。

8 日~ 10 日が出張のため、今寄稿の Blog は前編・後編とも 6 日(月)に書いている。

6 日 13 時過ぎの大阪でも、強い風を伴う雨が降っている。

6 日~ 8 日は梅雨前線が活動を強めて、九州付近に停滞するため、九州は各地で雨が降り続き、 8 日にかけて記録的な豪雨のおそれがあると見られている。

熊本県や九州南部は先週 3 日以降で 600 ~ 700 mmを超える雨が降っている。

6 日午前 9 時までの雨量は、鹿児島県鹿屋市 777.5mm と、宮崎県えびの市 704.5mm 、熊本県水俣市 671.0mm など、鹿屋市では 7 月の平年の 2 倍以上など、 7 月平年 1 ケ月分の降水量を上回る雨量になっている。

これまでの大雨により、熊本県、鹿児島県、宮崎県、佐賀県で土砂災害が極めて危険な状態になっている地域がある。

また、 6 日午前 11 時現在、熊本県球磨川、鹿児島県の万之瀬川や加世田川、肝属川水系、宮崎県広渡川水系酒谷川では氾濫の危険が高まっている。

この後もさらに雨量が増え、多くの河川で氾濫が考えられ、大規模な土砂災害が発生するおそれがある。

今後の雨雲の予想

6 日午前 13 時 10 分現在、大雨警報(土砂災害)の危険度分布状況が以下のようになっている。

大雨警報(土砂災害)の危険度分布状況(※6 日午前 13 時 10 分現在)

また、洪水警報の危険度分布は以下のようになっている。

洪水警報の危険度分布(※6 日午前 13 時 10 分現在)

当 Blog がアップされる頃には、情勢が分かっているのだろうが、深刻な被害をもたらさないことを願うばかりだ。

現在( 6 日)、報道では、 7 月 3 日以降の降雨量ばかりを取り上げているが、以下が 6 月 29 日の予想天気図である。

予想天気図(※6月29日21時)

この時、天気予報では以下のように言われていた。

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29 日は、本州付近は高気圧に覆われて、広く晴れる見込みです。

ただ、今夜には梅雨前線上の低気圧が東シナ海に進みます。

西日本には暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定になるでしょう。

今朝は九州も晴れていますが、昼頃からは雨。

次第に雨脚が強まり、局地的にバケツをひっくり返したような激しい雨となりそうです。

中国、四国は、午後は次第に雲が増えて、夜遅くには雨の降る所があるでしょう。

近畿も日中は晴れますが、夜は雲に覆われそうです。

【予想降水量】あす30日朝までの24時間(多い所)
九州北部 150mm
九州南部 100mm
四国 80mm

九州は、明日( 30 日)にかけて、四国ではあすの明け方から断続的に“激しい雨”が降り、 1 時間に 50mm以上の“非常に激しい雨”となる所もあるでしょう。

土砂災害や低い土地の浸水、川の増水などに警戒が必要です。

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実は、週の前半から、かなりの雨が降っていたのである。

奇しくも、私は、 7 月 1 日~ 2 日にかけて、宮崎~鹿児島~熊本へと出張に出かけていたのである。

通常であれば、宮崎であれ、鹿児島であれ、熊本であれ、大阪から直行便で向かうのだが・・・。

現在、航空会社は新型コロナウィルスの影響を受けて、全路線で減便・欠航と言う状態が続いている。

その影響で、大阪からの宮崎便、鹿児島便、熊本便はジェット機が飛んでいないのである。

例の、ボ●バ●デ●ア社のプロペラ機のみが運航されているのだ。

仕方がないので、私は、九州で唯一、ジェット機が運航されている福岡空港に飛んで、レンタカーを借りて、宮崎~鹿児島~熊本へと回るプランを選択した。

最初に向かう先は、宮崎県にあるサツマイモを扱っている農業法人である。

保存庫のカビ防止、洗浄作業への抗酸化溶液の利用、空輸での日保ちに役立つものはないだろうかと言う相談を受けてのものだ。

ネットで距離を調べると、福岡空港から現地まで、約 310km と言うところだった。

頭の中の計算では 4 時間弱とはじき出していたのだが、案内では 5 時間強と出ている。

疑問に思いつつも、先方には、余裕をもって、 4 ~ 5 時間後に着く予定をお伝えして、現地に向かった。

九州自動車道を南下し、えびの JCT から宮崎道に入り、都城 IC を降りた。

天気も快晴で、ポカポカ陽気で、ここまでは順調だった。

3 時間弱かけて、残り 50km 程度だった。

先方には、都城 IC を降りた旨を SMS で伝えた。

この時、 13 時 4 分・・・(^∀^)イエーイ

ナビに従い、県道を走っていると、多くの車が直進していく中、右折の指示が出た・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

嫌な予感がしつつ、車を走らせると、想像通り、山道に入っていくではないか・・・(ノ_-;)ハア…

危険を察知した私は、 4 つの窓をフルオープンにし、臭いと音に注意を払いながら車を進めた。

何故かと言うと、今まで、危険地域に入ることが度々あった私は以下のことに気を付ける習慣があるからだ。

【がけ崩れ】
・がけから水が吹き出す。
・がけからの水が濁る。
・がけに亀裂が入る。
・小石がパラパラと落ちてくる。
・がけから音がする。

【土石流】
・山鳴りや立ち木の裂ける音が聞こえる。
・石のぶつかり合う音が聞こえる。
・雨が降り続いているのに、川の水位が下がる。
・川の水が急に濁ったり、流木が流れてくる。
・泥臭いにおいが漂う。

【地すべり】
・山腹や地面にひび割れができる。
・山腹や地面に段差ができる。
・沢や井戸の水が濁る。
・斜面や地面から水が吹き出す。
・建物や電柱、樹木が傾く。
・井戸や野池の水かさが急激に変わる。

先日までに、雨が降っていた山道は、道に石が転がりはじめ・・・。

7月1日宮崎県山中①

次第に、水が川のように道路を流れ出し・・・。

7月1日宮崎県山中② 7月1日宮崎県山中③

結局、山を超えるのに 1 時間以上掛かってしまった。

現地へ辿り着いたのは、福岡を出て、 4 時間 40 分後だった・・・。

先方との打ち合わせは、順調に進み、鹿児島へ移動した。

詳細は、後日、お伝えしたい。

翌日、当 Blog でお伝えしている球磨郡球磨村で梨を栽培されている毎床さんの農地へ向かった。

毎床さんの話では、雨の影響はなかったようで、栽培状況等を話して、帰り際に、「まだまだ、雨の影響があるかもしれないですから注意してくださいね。」と伝えながら別れを告げた。

それから、 2 日後のことである・・・。

球磨川が氾濫し、球磨村が被害を受けていると言うニュースを知ったのは・・・。

毎床さんに電話をするが繋がらない・・・。

毎床さんの梨園は高台にあるため、球磨川氾濫の影響は受けないのだが、毎床さんの自宅の前には土石流注意の立て看板が立ってあるのだ。

翌日も電話をするが、やはり繋がらない。

仕方がないので、安否を尋ねる SMS を送った。

暫くして、毎床さんから電話があった。

毎床さんの家屋や梨園は被害を受けなかったが、水路が被害を受けたため、集落のの人総出で復旧に取り組んでいたとのこと。

状況を聞くと、掛かっていた橋 3 本が崩落したため、孤立状態にあるとのこと。

球磨川に掛かる崩落した相良橋

山越えの道があるが、通れるかどうかを、捜索中であること。

電話も繋がったり、繋がらなかったりであること。

私は、安全第一で行動してくださいと伝えることしかできなかった。

毎床さんだけではないが、被災を受けた方たちの生活が早く取り戻せること、行方不明者の捜索がいち早く進むこと、これ以上被害が拡大しないことを願ってやまない。