前回、CS(化学物質過敏症)先進国のアメリカ・カナダにおいての、その変遷を寄稿した。
1951年にセロン・G.・ ランドルフ博士によって、“化学物質過敏症の可能性”が提唱されてから、約60年、ようやくアメリカでは、化学物質過敏症は大変な問題であると言うことに気付き、対策が打ち出されるようになってきた。
しかし、残念なことに、その間、人工の約16%という化学物質過敏症の患者を作り出してしまった。
日本はと言えば、当ブログ内「その住宅で大丈夫?」でもとりあげたが、建築基準法を平成15年に改正しただけである。
ブログを読んでいただければ解るが、はっきり言って、ザル法である。
日本では、化学物質過敏症あるいはシックハウスの推定患者は、70万~100万人と言われている。
何故、これだけ幅があるというと、前々回書いたように、まだまだ医者でさえ化学物質過敏症を正しく認識していないという現状だからである。
もっと厳しい見方をする専門家では、潜在患者数は1,000万人を超えるとさえ言っている。
色んな論争を繰り広げるのは自由である。
しかし、現に苦しんでいる患者がそこにいるのである。
このブログを読みながら、CS(化学物質過敏症)あるいはシックハウスの人は大変だなあ・・・とか、気の毒だなあ・・・とか思っている人が多いかも知れない。
しかし、本当に大変(?)、あるいは気の毒(?)なのは、CS(化学物質過敏症)あるいはシックハウスにかかっていない貴方かも知れないのである。
・・・というのは、CS(化学物質過敏症)あるいはシックハウスの人たちは、自分の身体に取り入れてはいけない化学物質に拒絶反応を示して、自分の身体を守ろうとしているからである。
CS(化学物質過敏症)あるいはシックハウスにかかっていない人間は、本当は取り込んではいけない化学物質を、無頓着に身体に取り入れているという逆の見方も出来るからである。
このブログの中で、身体の中のコップを例に出して、化学物質にてついての解説をしただのだが・・・。
どの化学物質の種類に反応するか?
どれくらい自身に許容量があるか?
誰にも測る尺度はない。
明日は我が身かも知れないのである・・・。
さて、話が長くなったが、電磁波過敏症(Electrical Hyper Sensitivity)に話を戻そう。
電力会社や家電メーカー、あるいは国もそうであるが、“WHO(世界保健機関)による健康リスク評価” と “ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドライン” を盾に、一貫して以下の立場を取っている。
「(電磁波に関して)健康への影響に関する国際的な評価は、『短期的影響は国際的ガイドラインを守っていれば大丈夫、長期的影響は科学的証拠が不十分』。いわゆる『電磁過敏症』は、電磁波が原因という根拠はない。」
果たして、そうなのだろうか?
以下のブログで、「世界保健機関(WHO)が、携帯電話から放射される電磁波ががんを引き起こす可能性があると発表した。」ということを書いた。
これは、今年の5月31日のことである。
WHOの真意は、いったいどこにあるのだろうか?
この発表を受けて、7月2日には、英、米、スウェーデンの研究者で構成する専門家委員会は、「携帯電話による発がんリスク説」に科学的証拠はないとの調査結果を発表した。
日本の総務省でも、8月1日に、「電波の安全性に関する説明会」を開催し、携帯電話の電磁波による発がんの危険は、コーヒーや漬物などと同程度というような説明をしている・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
そういやあ、このWHOの発表って、一億総携帯時代と言われるこのご時世に、あまり話題にならなかったなあ・・・
その反面・・・携帯電話のCMをテレビで見ない日はない。
東日本大震災で色んな企業がCMを自粛し、「AC~♪」という公共広告機構が“ウザイ”とか言われる中でさえ、携帯電話各社は安否確認という名の下の緊急伝言板を、こっそりと宣伝していたのは記憶に新しい。