「真実の口」724 食の安全に関する再考 42

前回の続き・・・。

F1種という言葉を聞いたことがあるだろうか?

・・・という質問の前に、作物の種には、固定種とF1種というものがあるのだが、ご存知だろうか・・・φ(.. ) メモメモ

以下は、種苗メーカーの解説を、若干、引用させていただいた・・・。

固定種とは、伝統野菜・地方野菜・地場野菜と呼ばれるもので、その地域の気候風土のなかで何世代にもわたって選別・淘汰されて、その地域の風土に合った種として固定化したものを指す。

ある程度の遺伝的多様性が含まれるため、形状や色といった形質にバラツキが出るが、自然受精を経た後代にもほぼ同様の性質が受け継がれていく。

一般種、在来種、地方種という呼び方もある。

これに対して、F1種とは、生物学用語で、First Filial Generatoinのことで、性質の異なる二種類の親品種(原種)を掛け合わせ作出した雑種第一代のことをさす。

交配種、一代雑種、ハイブリッド種という呼び方もある。

固定種から見ると説明しづらいので、逆に、F1種からメリット・デメリットを見てみよう・・・(「  ̄ー ̄) ドレドレ・・・

《F1種のメリット》

1.「収穫が多くなる」…どの株からも安定した量の野菜が取れるため、規格外品も減り収穫量が増える。

2.「収穫時期がそろう」…短い期間に大型機械などを利用して一斉に収穫することができるので、野菜の大量生産に向く。

3.「同じ大きさと形」…同じ大きさで同じ形なので箱詰めしやすく輸送効率が良い。

4.「硬くて傷つきにくい」…収穫した後、家庭や飲食店で消費されるまでに輸送などで傷がつくのが少ないため、クレーム発生率が下がる。

5.「甘さ」「癖のなさ」といった特定の要素を追求した品種を作り出しやすい

《F1種のデメリット》

1.遺伝子の多様性に欠けるため、一つの病害虫で全滅する可能性がある。

2.できた種から翌年も同じ野菜を栽培することができないので、毎年F1種の種や苗などを購入する必要がある。

3.遺伝子組み換えなどの安全性に不安を感じる人もいる技術が導入されやすい。

4.「硬くて傷つかない」というような長所は「柔らかくおいしい」野菜への需要に矛盾したりと、消費者ニーズに合わないこともでてくる。

5.2に関連して、特定の種苗業者の都合によりその品種を作れなくなってしまったり、シェアの独占が進むとその野菜栽培自体を企業が操作する恐れもでてくる。

デメリットに挙げた3と5は深刻な問題になりかねない・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン

次に、固定種のメリット・デメリットを考えてみよう・・・(「  ̄ー ̄) ドレドレ・・・paret2

《固定種のメリット》

1.遺伝子型が多様なために、新たな特定の病害虫が出現しても壊滅状態にはまずならない。

2.できた種や芋などから次の栽培をすることができるので、極端な天候などにより種子が市場にない場合などにも対応することができる。

3.種苗会社の営利面から、安全性の怪しい技術を固定種に導入する動機が働かない。

4.特徴的な品種の野菜が多く、たとえば大根でも様々な形や色、味を楽しめる。

5.誰もが新たな固定種を開発することが可能で、その地域や個人の好みにあった野菜栽培を続けることができる。

《固定種のデメリット》

1.収穫量は少なくなりがちなことが多い。

2.収穫時期がそろわないので、機械などを利用した一斉収穫に不向きである。

3.大きさが揃わなかったり、形が安定しないので、大量生産や大規模流通に不向きできる。

4.輸送や保存に不向きな品種も多く、鮮度を保ったまま届けるのに苦労する。

5.味について「昔ながらの野菜」であることも多く、野菜本来が持つ独特の癖を苦手とする消費者に受け入れられ難いことがある。

こうしてみると、固定種には固定種の魅力が、F1種にはF1種の魅力があるように見受けられる・・・。

さて・・・???

次回へ・・・。