前回、冠水した農地の、“塩害”と“除塩”について寄稿した。農林水産省農村振興局が、『農地の塩害と除塩』というレポートも紹介した。
少しでも早く農地の復旧を願う、被災地各地の農業に携わる方にとっては、気の遠くなる作業である。
被災し田畑を失った方には、放言とも取られかねないのだが、今回は、怖めず臆せず持論を展開したいと思う。
近代農業によって、ほとんどの農耕地は農薬・肥料等で汚染されてしまっている。
もし、今回の津波が、農耕地再生の切っ掛けに成り得るとしたら如何だろう?
田畑が海水で冠水して、“塩害のために除塩が必要”と言われているのに、何を馬鹿なことを言っているのだろうと思うかも知れない。
少し回りくどくなるかも知れないが・・・
地球における大気、海、そして陸地の形成について考えてみよう。
原始地球の大気組成の大部分は水蒸気であったと考えられる。
そして、太陽の成長に伴い、太陽風の影響もなくなり、地表の温度が低下してくる。
この温度低下により、水蒸気が凝結し、雨となり地表へと降り注いだのである。
また、火山により、地球内部の水も放出された。
これらによって出来たのが、“海”である。
そして、海底にある深い地下にあるマグマが、その上の地層を突き破って、海中に出現し、海水に冷やされて固まり、一種の殻を形成した。
さらにその殻の中から新しいマグマが上昇して、その上に新しい殻を形成、このようなことを繰り返して、“陸地”を形成していったものと考えられている。
そして、大気、海、陸地の形成と相前後して、原始生命が誕生する。
更に、生命の誕生により、現在の“大気”が作られていく。
地球の歴史については、以前、もう少し詳しく書いているので、興味がある方は下記リンクを参考にして欲しい。
そして、海の中のバクテリアが・・・、大気のバクテリアが・・・、陸地のバクテリアが・・・し、それぞれのバランスを整えていきながら、この地球を形成してきた。
陸地は海から隆起したもの?
しかし、隆起仕立ての陸地には土は存在していなかった。
これに関しても、以前、土の形成の仕方について、寄稿しているので参考にして欲しい。
今回の津波が、農薬・肥料等で汚染されてしまった農耕地再生の切っ掛けに成り得ると言った意味がご理解できただろうか?
津波の冠水により、海の様々なミネラル、あるいはバクテリアが農耕地に入り、太古の科学文明に汚染されていない肥沃な土壌を作れるかも知れないのである。
もちろん、バクテリアも進化の過程で、海洋のものと陸上のものとは違ってきているはずである。
しかし、自然界は、常に均衡を保とうとする。
生態系は、よくピラミッドで表現されるが・・・
食物連鎖に関して、以前、寄稿したので参考にして欲しい。
生態系ピラミッドにおいて、当然、最下層部の数が番多く、最上部の数は少なくなる。
しかし、外的要因(あるいは内的要因)で、このバランスが崩れたとしよう。
例えば、ある時期に草食動物が増えすぎたとする。
中間層が、一番多いピラミッドを想像して欲しい。
草食動物が増えたことにより、植物が食い荒らされて植物の数は減り、一方、餌となる草食動物が増えことにより、肉食動物は増える。
こうなると、一番困るのは草食動物である。
自身の餌としての植物も減り、肉食動物が増えたことにより、自身が餌になる可能性も増えるからである。
自然、草食動物の餓死や捕食により、今度は、中間層が極端に減ることになる。
こうなると、草食動物に食べられなくなった植物は増え、餌が少なくなった肉食動物も減っていく。
これらの層は常にバランスを保つように出来ているのである。
バクテリアの世界でも同じである。
今回の津波により、海のバクテリアと陸のバクテリアが混ざりあったが、どちらかが優勢に立つと言うことはない。
必ず、均衡を保とうとする。
その均衡を農作物に適したバランスにすることが出来るのであれば、肥沃な農地への第一歩と言うことには成らないだろうか?
少し理科の授業ぽかったかな???