6月8日から4回に分けて、「己の身は己で守れ」というタイトルで寄稿した。
今回は、その続編である。
昨年、30年ぶりの高校の同窓会に行ったという話を当ブログでも書いたのだが、どうしても久しぶりに再開すると、容姿の話が先に出てくる。
私の年齢(48)になると、男は髪の毛が薄くなったり、白髪になって、随分と見栄えが変わった同輩ばかりだった。
女性でも、殆どが、白髪染めをしているというようなことを耳にした。
私の場合は、幸い、頭を使ってこなかったからか、白髪も殆ど無いし、髪の毛も同年代に比べると、しっかり生えている。
以下は、2012/07/02の毎日新聞の“Medical & Helth”で取り上げられていた「接触皮膚炎」についての記事である。
茨城県に住む女性が、4月末、美容院で白髪染めをして帰宅した。
翌日の夕方から頭部が痒くなり、次の日には髪の毛の生え際がコブのように腫れ、更に、顔もパンパンに腫れてきて、眼も開かない状態になったという。
女性は、かかりつけの内科に駆け込んだ。
肝機能検査の後、アレルギー症状を抑える薬の投与受け、ようやくまぶたが開いてホッとしたという。
しかし、腫れがひくまで6日もかかり、仕事にも支障を来し、2日休んだという。
俗に言う、”かぶれ”である。
インタビューに回答する医師は、「高齢者人口の増加や、若い人のおしゃれで毛染めをする人が増え、かぶれる人も増えている。『10年使っているのにかぶれるはずがない』という患者さんもいるが、使い続けているうちに突然起こる事が多い。更に、原因に気付かず、使い続けると、湿疹の悪化を招く」と、回答している。
では、この毛染め剤によるかぶれの原因は何なのだろう?
それは、毛染め剤の主成分でもあるパラフェニレジアミン(PPDA)だそうである。
パラフェニレジアミン(PPDA)について、少し、調べてみた・・・。
色持ちが良いため、多くの商品に使われているようである。
特に、スーパーなどで売っている安価な毛染め剤には、ほとんどと言って良いほど入っているようである。
特に、色が濃く染まる毛染め剤ほど、含有率が高い傾向にあるといわれているようである。
また、パラフェニレジアミン(PPDA)を含有しない製品でも、パラフェニレジアミン(PPDA)は、元来、ベンゼン環を有しているので、これに似た化学構造をもつ成分を、PPDAの代替品として使用されている場合も多い。
パラフェニレジアミン(PPDA)が、皮膚に繰り返し接触すると、身体の免疫反応がこれを排除しようとアレルギー反応を示すことがある。
皮膚のかぶれ程度で済めばまだ良いが、アナフィラキシー・ショックで、死亡する例もあるというのだから十分注意した方が良いようである。
では、美容院や理髪店等の理容を職業とする人達の間ではどうなのだろう?
最近では、若い女性の多くが、カラーリングをしている。
首都圏で、全国理美容製造者協会が調べたところでは、20代の女性の8割近くが毛染めをしており、パーマが目的で美容院に足を運んだ人より、毛染めのために利用した人のほうが多かったというのである。
やはり、染毛剤(カラーリング)を常時使用する理容師や美容師の間で、パラフェニレジアミン(PPDA)によるアレルギーや喘息被害が広がっているようである。
また、理容・美容業界で使われる薬剤には、その他にも健康被害を引き起こす物が多々ある。
例えば、毛髪を脱色する「ブリーチ」には過硫酸塩が含まれ、これにも喘息を起こす働きがあるという報告がある。
また、パーマに使う薬液の長期間の使用により、呼吸器や皮膚の異常が深刻な状態になっている人が増えていることが分かってきた。
症状として多いのは、喘息のほか、慢性気管支炎、皮膚炎、アトピー等、etc・・・。
では、このような症状になった美容師は、どうすれば良いかというと、残念ながら、離職するしかない。
美容師の三分の一が、健康上の理由で、離職しているとも言われている。
ここまで書くと、迂闊に、毛染め、脱色、パーマ等を出来なくなってしまいそうだが・・・ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ。
そんなに危ないのであれば、天然成分で知られている“ヘナ”に変えれば大丈夫では(?)、あるいは、私は“ヘナ”を使っているから大丈夫(!)と、思った人もいると思う。
元来、ヘナは、インド等の乾燥した水はけのよい丘陵に育つ、ミソハギ科の常緑低木で、その葉を乾燥させ粉にしたものを水などで溶いたものが、現地では、古くから髪・眉・爪・手足などの染色やペイントに使用されていたものである。
天然のヘナは、毛髪に使用すると、白髪部分をオレンジに染める効果がある。
もし、必要以上に、黒く染まるようであれば、残念ながら、パラフェニレジアミン(PPDA)を含んでいるかも知れないのでご用心を・・・。
続きは、次回へ・・・。