「ん?」
なんだ(?)、このタイトルは(?)・・・と訝しんだことと思う。
タイトルについては、後々、説明する。
皆は、誰かの死に際して、衝撃を受けたことがあるだろうか?
私にとっては、母親はもちろんのことだが・・・。
昨年、私の好きな作家ががんで亡くなり、かなりの衝撃を受けた。
その作家の名前は、吉村達也氏である。
知らない人が多いと思うので、吉村さんについて、少し触れてみる。
東京出身で、一橋大学商学部卒業後、フジサンケイグループに入社。
ニッポン放送制作部ディレクター、編成部員をへて扶桑社へ出向。
1986年、扶桑社在職中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。
書籍編集長勤務を経て、1990年より作家専業となる。
また、ニッポン放送在籍中、ラジオディレクターでありながらオールナイトニッポンのパーソナリティを半年間担当する。
詰将棋作家でもあり、1996年には将棋世界誌において最優秀作品に選ばれた。
吉村さんは、多筆な方で、“量産=粗製濫造”という固定観念への挑戦を口にしており、“質も量も”をモットーとしていた。
1986年のデビューから、昨年亡くなるまでに、趣味の詰め将棋に関する著作まで合わせると、400弱の作品を世に出している。
着想が面白く、日本語を研究しつくして、洗練された文体で、ストーリーに引き込まれるがまま、あっという間に読み進んでしまうのが吉村さんの著作だった。
実は、吉村さんの死を知ったのは、昨年の入院騒動後、まもなくのことである。
まだまだ、動くことがままならない私は、もっぱら本を読んで、時間を潰すしかなかった。
吉村さんの書く小説には、数多くのシリーズ物がある。
そのひとつに、温泉殺人事件シリーズがある。
温泉殺人事件シリーズは、温泉好きな警部とその部下が、温泉地で事件に巻き込まれ、事件を解決していくというものなのだが・・・。
8月15日に、「伊香保温泉殺人事件」という小説が発売され、すぐにネットで購入した。
いつものように、面白い展開にあっというまに本編を読み終わった。
そのまま、解説を読もうとすると、いつもの吉村さんによる解説ではなく、登場人物の警部とその部下の会話形式で書かれていたのである・・・(@・Д・@)??
どういうことだろうと、読み進めてみると、吉村さんが亡くなったため、第三者の解説になっており、5月18日にお別れの会があったという風な会話がなされている・・・( ̄へ ̄|||) ウーム
声:「なんのこっちゃ???」
解説も読み終わり、本を閉じて、何気なく帯に目がいくと、そこには、「追悼 吉村達也さん」の文字が・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
私は、慌てて、吉村さんの公式ブログのHPを開いてみた。
『ヒマラヤの風にのって~進行がん、寿命3週間の作家が伝えたかったこと~』という著作の案内とともに、吉村さんらしいメッセージが掲載されていた。
「訃報のお知らせ
みなさん、こんにちは。
長らくごぶさたしておりました。 突然ですが、私はこの度、死んでしまいました。」
これが、今回のタイトルの由縁である。
私は、『ヒマラヤの風にのって』もすぐに、ネットで購入した。
しかし、何故、吉村さんの死を知らなかったのだろうと、スケジュールを見てみると、海外出張に行っていたようである・・・il||li _| ̄|○ il||li
すぐに、『ヒマラヤの風にのって』は手元に届いたのだが、実は、吉村さんの死を受け入れられず、ずっと、読むことが出来なかった・・・。
ここのところ、ずっと、がんについて取り上げてきたので、先日、ようやく読んでみる気になり、当HPでも取り上げることにしてみた・・・。
次回へ・・・。