前回の続き・・・。
〇〇社長の案内で、奥の水槽へと移動する・・・。
社:「ここの水槽は、寄ってこないんだよね・・・。」
私:「ん?警戒しているってことですか・・・?」
社:「いやあ・・・。なんだか、判らないけど、水槽の奥の方に固まっているんだよねぇ・・・。」
念のため、他の水槽と比較してみるが、人影が見えると、どの水槽も警戒して、引っ込んでしまうのだが・・・???
私には違いが解らなかった・・・?
そして、2番目の水槽に移動・・・。
社:「ここは透明な糞が出て、その後は落ち着いているんだよねぇ・・・。」
私:「水槽によって、何か違うんですか?」
社:「いや、ここにいるのは1歳戦後だけど・・・。」
私:「何が違うんでしょうねぇ・・・???」
社:「いやぁ、鯉ってのは、個体差があるから、弱い奴は弱いし、強い奴は強いんだよ・・・。」
私:「・・・。」
社:「だから、色んな事を試してみて、一番良い方法を採っていくしかないんだよね・・・。」
私:「なかなか、難しいですねぇ・・・。」
社:「ああ、そうそう、この一番手前の水槽には、佐藤さんに言われて、クリーム入れてるんだよ・・・。」
私:「どの位入れたんですか?」
社:「この位かなぁ・・・。」
・・・と、小指の第一関節を差し出す。
私:「その程度なら大丈夫でしょう・・・」
社:「あそこに一匹だけ、大きいのがいるけど、あれが弱っているんだよなぁ・・・。」
私:「何か、変化はありましたか?」
社:「いんや、判んね・・・。」
私:「そうですか・・・。まあ、少しずつ、何が良いのかを試しながら行きましょうよ・・・!」
社:「ああ、そうそう。手術した鯉の傷は、少し早く治ってるみたいですね・・・。」
私:「えっ!?手・・・手術ですか・・・?」
佐:「そうなんですよ!整形するらしいですよ・・・!」
私:「え~っ!整形するんですか?」
社:「色を削ったりするんですよ・・・。」
私:「それって、養鯉業では、当たり前の話しですか・・・?」
社:「ああ。業者だけじゃなくて、買う方も知っているよ・・・。」
私:「そうなんですか・・・。」
佐:「あそこのペールに入っているから、見てくださいよ。」
私:「どこか削っているんですか?」
社:「うん・・・。ここで、手術するんだよ・・・。」
手術台を見た私は、手術道具に目を奪われた・・・。
皆、錆びているのである・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~p
私:「結構、年季が入っていますけど・・・。」
社:「うん。電子メスで削るんだけど、なかなか難しくて、出来ないもんだよ・・・。」
私:「社長の技術って事ですか・・・?」
社:「まあ、そうかなぁ。これで、傷の回復が早ければ、鯉へのダメージも少なくて良いんだけどね・・・。今は、〇ソ〇ンを使ってんだけど・・・。」
私:「まあ、傷は早く治ると思うんですけど、もしかしたら、色も戻るかも知れませんよ・・・。こうs」
社:「そうなの?」
私:「まあ、判りませんけど、少しずつ、やっていきましょうよ。社長、せっかちそうだから・・・。」
社:「ははは・・・。うん、早く、でかい水槽で試さないと、意味無いんだわ・・・。」
私:「いやいや、だから・・・。絶対、駄目ですよ・・・!」
社:「うん。判ってるって・・・。」
こうやって、私らの養鯉場訪問は終わり、私は、その日の夕方の便で、帰路についた・・・。