前回の続き・・・。
自然素材を使えばシックハウス対策になると安易に取り入れている工務店の数々・・・。
果たしてそうなのだろうか・・・?
一般の方は、檜や檜葉の香りをかぐと、自然な感じがして心地よいと感じるのではないだろうか?
しかし、この香りは、フィトンチッド(Phytoncide)という樹木などが発散する化学物質なのである・・・。
土に根ざして生きる樹木・植物は自身では移動することができない。
そのため外敵からの攻撃や刺激を受けても抵抗する術がない。
その為に、樹木・植物が自分をまもるための武器として使うのがフィトンチッド(Phytoncide)という香りなのだ。
例えば・・・。
自分を脅かす他の植物への成長阻害作用・・・。
昆虫や動物に葉や幹を食べられないための摂食障害作用・・・。
昆虫や微生物への忌避及び誘引作用・・・。
病害菌に感染しないための殺虫・殺菌作用・・・。
様々な作用がある。
そして、人間にとっては、フィトンチッドの香りは、副交感神経の働きが活発化し、安らいだ気分をもたらしたり、血圧の低下、鎮静作用、アルファ波が増加する等々と言われている。
俗にいう森林浴の効果だ・・・。
しかしながら、化学物質過敏症の方にとっては、この香りでさえ受け付けない方が大勢いるというのが現実だ。
木だけではない・・・。
例えば、畳のイ草などもそうである。
更に、厄介なのは、化学物質過敏症の方は、何の臭いに反応するかは千差万別、個人差があるのであある。
確かに、化学物質過敏症の発症要因としては、シックハウスや化学物質の被ばくからという人が大多数である。
しかし、一旦、発症してしまうと、化学物質だけでなく、色々な匂いや物質に反応してしまうのである。
例え、それが自然界あるいは天然成分のものであったとしてもだ・・・!
つまり、一般的に言われている自然住宅は、化学物質過敏症ではない人が、化学物質過敏症予防に住むのであれば、それは其れで良いのかもしれない・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
しかし、一旦、化学物質過敏症になった人にとっては、“住めない家”となる可能性が大なり小なりあるのである。
実は、化学物質過敏症の人は、非化学物質過敏症の人では危険を察知出来ないレーダー探知機をもっているのだ。
我々の周りには、見せかけの自然素材が実に多い・・・!
ビニールクロスは化学物質を放散するから、エコクロスを使う・・・?
エコクロスとは、塩ビ系成分(燃焼時に有毒な塩化水素ガスを発生)を使用していないクロスを総称したもので、いわゆる自然素材系のクロスのことなのだが・・・。
現在では・・・。
珪藻土を主原料にした「珪藻土壁紙」
オレフィン樹脂が主原料の「オレフィン壁紙」
コットンが主原料の「パピウォール壁紙」
アオイ科ハイビスカス属のケナフが主原料の「ケナフ壁紙」
日本古来の「和紙」
サトウキビから砂糖などの成分を擦り取った農産廃棄物となるバガスが主原料の「バガス壁紙」
実に、色んな種類のものがある。
しかし、これらを作る工程に使用する何らかの原料に反応するのか、あるいは、ビニールクロスと違い通気性が良いため壁側にある何らかの素材に反応するのか受け付けられない方も大勢いらっしゃる。
再生処理するものなど持ってのほかである・・・。
安易な発想にありがちだが、クロスがだめなら、左官職人による塗り壁仕上げはどうだろうと考えられる方も多いだろう・・・?
建築基準改正法以降、持て囃された、壁材は数え切れない。
珪藻土、漆喰、聚楽、炭、ホタテ貝、etc・・・。
例えば、珪藻土を例にとってみよう・・・。
多孔質という特性から調湿効果が高く、更に、揮発性有機化合物の吸着効果、消臭効果、耐火性、等など、さまざまなメリットが謳われている。
しかし、残念ながら、珪藻土は、水を加えて練っても、粘土のように粘着性が出る訳ではなく、壁に塗れるような状態にはならない・・・ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…
そこで登場するのが、“ツナギ”と言われるバインダーである。
当然、バインダーを使えば、珪藻土の最大の特徴である多孔質の孔を塞いでしまう・・・ψ(*`ー´)ψ ゥヶヶ
まあ、浸透圧の影響で、多孔質の効果がゼロになるわけではないのだが・・・。
さて、このバインダーが問題である。
化学物質の割合が遥かに高いのだが、稀に自然由来の場合もある。
化学物質の場合は言わずもがななのだが、自然由来の場合は、海藻系のものが多く使われるようだ・・・。
そして、何故か知らないが、この海藻系のバインダーに化学物質過敏症の方が反応される場合が多いようだ・・・。
つまり、危険が潜んでいるということでは無いだろうか・・・?
次回へ・・・。