前回の続き・・・。
先週 18 日(水)に毎日新聞に将来危惧される記事が掲載されていたので紹介する。
『見えない口元、感情の機微 子どもの発達に影響するコロナ対策』
コロナ禍、マスク生活を与儀無くされるのは大人だけではなく子供も同じである。
保育園においては、子供たちはノーマスクでも良くなってきたが、保育士はマスクの着用が義務付けられている。
マスクは感染予防に効果があるとされる一方、着用していると子どもに目と声色だけで感情を伝えることになり、口元やほおの動きで感情の機微を伝えるのが難しくなる。
また、乳幼児は、相手の口元を見る時期があり、言葉の発達につながっていると考えられている。
更に、幼少期は大人の表情をまねて感じる気持ちから、相手の心情を理解する時期でもあり、マスクによって他人の表情が分かりづらくなり、行事などで身体的な接触もなくなると、他人と喜びや悲しみを共有する感性が育たない可能性も指摘される。
マスク生活の弊害である。
子どもたちへの影響について、研究結果が少しずつだが、報告され始めているようだ。
昨年 9 月に発表された名古屋大などの研究チームの研究である。
コロナ前後で子どものバランス能力(平衡感覚)の変化を調べたもので、バランス能力は姿勢や動作の基礎となるため、運動をする上で非常に重要な機能といえる。
研究チームは、愛知県岡崎市の 9 ~ 15 歳の 40 人の子どもを対象に、バランス能力や筋力テストに加え、睡眠時間など生活習慣に関するアンケートを実施。
身体機能や健康に関する他の研究から流行前のデータは 18 年 1 月~ 20 年 3 月のものを入手し、流行中は 20 年 6 月から 2 年間で調べ、コロナの影響を解析した。
大股で 2 歩歩いて両足をそろえる動作を測定した。
測定の結果、身長に対する歩幅の比率はコロナ前に比べて 3% 程度狭くなっていた。
歩幅が広いほどバランス能力があると判断するため、コロナ前より低下していることが分かった。
止まっている時のバランス能力をみる片足立ちや、素早く立ったり座ったりして筋力を測るテストでは差が出なかったが、研究チームは「新型コロナの流行によって、子どもの動作時のバランス能力が低下した」との結果をまとめた。
体力面だけでなく、精神面での影響も明らかになってきた。
昨年 11 月に公表した国立成育医療研究センターの調査結果では、摂食障害の一つである神経性食欲不振による患者がコロナ前に比べ、外来患者で 1.6 倍、入院患者で 1.5 倍に増えたという。
コロナの流行に伴うストレスや感染への不安が背景にあるとみられる。
このような状況が子供たちの将来にどう影響されるのか不安視される。
先週、水曜日の感染動向を追う。
次回へ・・・。