「真実の口」1,979 新型コロナウィルス・・・465

前回の続き・・・。

23 日、横浜市立大学研究グループが「「発症後の早い段階で細胞死を起こした肺胞上皮細胞から放出される分子が新型コロナウィルス重症化の引き金となっている可能性がある。」と発表した。

横浜市立大学のグループは、「 ARDS (急性呼吸窮迫症候群)となった新型コロナウィルスの重症患者は、発症後早期に起こる胞上皮細胞の傷害が重症化を誘発する」との仮説を検証するため、入院した新型コロナウィルスの重症患者を ARDS グループと非 ARDS グループに分けて、健康な対照グループと比べて、肺胞上皮細胞における細胞死のメカニズムについて検討した。

血液中および気管支肺胞洗浄液中の肺組織傷害特異的マーカーを解析した結果、 ARDS グループでは、発症後早期に主にネクローシス、つまり細胞内の DAMPs (ダメージ関連分子パターン)を放出して炎症を引き起こすことによる細胞死が原因で、肺胞上皮細胞死が引き起こされていることが分かりた。

また、 ARDS グループでは、ネクローシスを起こした細胞から放出される代表的な DAMPs である HMGB1 (核内タンパク質分子)の血中濃度の上昇も認められたとのことだ。

次に、新型コロナウli

ルスの動物モデルを用いて肺胞上皮細胞の詳細な細胞死のメカニズムを検討したところ、ネクローシスおよびパイロトーシスと呼ばれる分子的に制御されたネクローシスが生じました。

この動物モデルに抗 HMGB1 抗体を投与したところ、肺組織傷害が軽減されたそうだ。

こうした結果から研究グループは「細胞死を起こした肺胞上皮細胞から放出される DAMPs が、新型コロナウィルス重症化を防ぐ上で有望な治療標的である可能性が示された」としている。

この発表を受けた専門家の意見は・・・。

名古屋大学医学部附属病院・竹内想医師:

「新型コロナウィルスの重症例ではなぜ細胞死が引き起こされるのかについて、それに関わるメカニズムの一部が明らかになりました。今回の研究結果によって、重症化がなぜ生じるのか、そして重症化予防に有効な方法についての研究が進むことが期待されます。今回の研究で、肺胞上皮細胞の細胞死自体を防ぐことは難しくても、その後に生じる DAMPsを 標的とする治療が少なくとも動物モデルでは一定の効果を上げることが示されました。今後、ヒトでこの結果が応用できるかどうかが期待されます。」

重症化を防ぐことが出来れば、インフルエンザ並みの対策にできるのだろうか?

先週、火曜日の感染動向を追う。

1 月 17 日(火曜日)

次回へ・・・。