「真実の口」2,024 新型コロナウィルス・・・505

前回の続き・・・。

新型コロナウィルスの‟ 5 類相当”移行が 5 月 8 日に迫る中、移行後の流行状況の監視体制を厚生労働省が示した。

NHK に Q&A 形式でまとめられていたので紹介する。

Q. 5 月 8 日から、感染者数などの発表はどうなるのか?

・現在の「全数把握」が終われば、国や全国の自治体による毎日の集計や発表は終わることになる。
・今後は、季節性インフルエンザなどと同じように「定点把握」となり、国立感染症研究所が 1 週間ごとの集計結果を毎週、ホームページ上で公表するかたちになる。
・一方、今後も新型コロナウィルスは流行を繰り返すと想定されることから、厚生労働省は「重層的な監視体制が必要だ」として、一部の監視体制を維持することにしている。

Q. 「定点把握」とは?どんな情報がわかるのか?

・「定点把握」は感染症法に基づく対応で、季節性インフルエンザなどほかの 5 類感染症でも行われている。
・季節性インフルエンザでは、週 1 回、あらかじめ指定された全国約 5,000 の医療機関が年齢層や性別ごとの新規感染者数を報告する仕組みになっていて、新型コロナでもこの仕組みで情報を把握し、公表することになる。
・一方、現在の「全数把握」では、患者の情報を一元管理する「 HER-SYS (ハーシス)」と呼ばれるシステムを通じて、医療機関や自治体からの報告が行われていて、全国の自治体が新規感染者の総数や年齢層、性別を 1 日ごとに公表している。
・「全数把握」から「定点把握」になることで、新規感染者についての情報の公表の回数は「毎日」から「週 1 回」になり、内容は現在の「感染者の総数」から、「全国約 5,000 の医療機関が報告した感染者数」に変わることになる。
・厚生労働省は、「流行の兆しを早めにつかむことは引き続き重要だ」として、「定点把握」を補完する目的で、▽献血の血液を分析して抗体の保有率を調べる調査や、▽下水に含まれるウイルスを検出して流行の動向をつかむ研究を継続するとしている。

Q. 「一部、維持される」のは何か?

・全国の医療機関の「入院患者」の数や「重症者」の数の報告についてで、現在の方法を当面の間、維持するらしい。
・「入院患者」や「重症者」の数の把握も「定点把握」に変更する方針が示され、具体的には約 500 ケ所の医療機関からの週 1 回の報告を国立感染症研究所が集計する方針らしい。
・開始時期などについては定点となる医療機関と調整したうえで、厚生労働省が今後検討するとしている。
・ただ、当面の間は、全国の医療機関が「入院患者」や、集中治療室での治療や人工呼吸器を使用しているなどの「重症者」を報告している今の方法を継続し、医療ひっ迫の状況や重症度の変化を把握することにしている。
・一方で、専門家の部会ではオミクロン株以降、人工呼吸器を必要とせず「重症者」とされていなかった高齢者で亡くなる人が増えていることから、「重症者」の定義を変える必要があるのではないかという指摘が出ていて、厚生労働省は検討を進めることにしている。

Q. 死者数の把握は?

・新型コロナに感染して亡くなった人については、▽医療機関が自治体に報告し、国が集計して毎日、公表しているほか、▽出生数や死亡数についての国の統計「人口動態統計」により、例年の水準と比べて死者数が増えていないかどうか推移を把握してきた。
・今後、 5 類に移行したあとは自治体がこれまでのように感染者を把握できないことから毎日の死者数の公表は終了となる。
・今後は「人口動態統計」をもとに推移を把握していくことになり、具体的には自治体に提出された死亡届や死亡診断書から死因などのデータを集計して死亡者数の動向を把握する方針だが、死者の総数の把握は 2 ケ月後に、詳細な死因別では 5 か月後になる見込みである。
・このため、集計に時間がかかることから人口動態統計とは別に、協力を得られた一部の自治体の死亡した人の総数を 1 ケ月以内をめどに集計し、増減の傾向などを把握するとしている。

Q. 新たな変異株の発生動向の把握は?

・新たな変異株の発生などを把握するためのゲノム解析=ウイルスの遺伝子の解析は、目標数を 4 分の 1 程度に減らして継続することにしている。
・これまでゲノム解析は、都道府県で実施率 5~10% 程度、数として週 300 ~ 400 件を目安に実施しているほか、国立感染症研究所でも週に 800 件の解析をしてきた。
・ 5 類に移行したあとは、都道府県で週 100 件、国立感染症研究所で週 200 件程度とする方針で、結果は、国立感染症研究所のホームページで週報や定期報として公表される。

Q. 病床使用率・クラスター・検査数は?

・厚生労働省は、これまで、各都道府県が新型コロナの患者のために確保した病床の使用率などを週に 1 度まとめて公表してきた。
・ 5 類に移行したあと、自治体や医療機関で確保病床の数の見直しが進められるが、病床使用率の把握は継続することにしている。
・医療機関や高齢者施設、学校などでの複数人の感染事例、「クラスター」については、インフルエンザなどほかの感染症と同じように病院や福祉施設には保健所への報告を求めるが、国による一律の公表は行われなくなる。
・「検査数」については現在行われている医療機関からの報告を継続することになる。

Q. 「定点把握」で流行状況をきちんと把握できるのか?

・専門家は、定点把握でも感染の拡大傾向などは確認できるとしながらも、さらに正確に地域での広がりを見るためには、検査を受けた人のうち、陽性になる割合、陽性率を当面、調べるなどの対応が必要だと指摘している。
・インフルエンザは、事前に指定した一定数の医療機関で 1 週間でどれくらいの患者がいるか報告されるデータを元にその時点の流行状況を把握していて、 1 つの医療機関あたりの患者数が ▼10 人を超えるとその地域で今後大きな流行が起きる可能性が高い「注意報レベル」▼30人を超えるとすでに大きな流行が起きているとされる「警報レベル」とされる。

先週、前半の感染動向を追う。

4 月 10 日(月曜日)

4 月 11 日(火曜日)

4 月 12 日(水曜日)

次回へ・・・。