「真実の口」2,008 東日本大震災から 12 年

明日で、東日本大震災から 12 年の月日が経過したことになる。

死者は、15,900人

2021 年 12 月以降、新たに遺体が発見されたり、身元が判明したりしたケースはなく、昨年公表数と変わらない。

内訳は・・・

▽宮城県・・・ 9,544 人
▽岩手県・・・ 4,675 人
▽福島県・・・ 1,614 人
▽茨城県・・・ 24 人
▽千葉県・・・ 21 人
▽東京都・・・ 7 人
▽神奈川県・・ 4 人
▽栃木県・・・ 4 人
▽青森県・・・ 3 人
▽山形県・・・ 2 人
▽北海道・・・ 1 人
▽群馬県・・・ 1 人

行方不明は、2,523 人

上に同じく、昨年公表数と変わらない。

内訳は・・・。

▽宮城県・・・ 1,213 人
▽岩手県・・・ 1,110 人
▽福島県・・・ 196 人
▽千葉県・・・ 2 人
▽青森県・・・ 1 人
▽茨城県・・・ 1 人

このうち、大きな被害を受けた宮城、岩手、福島の 3 県では、亡くなった人のうち 99.7% にあたる 15,777 人の身元が確認されたものの、いまだ 53 人の身元が分かっていない。

更に、避難生活で体調を崩すなどして亡くなる震災関連死は、 3,789 人

前年比、 3 人増である。

死者、震災関連死、行方不明者を合わせると、22,212 人になる。

同じく、前年比、 3 人増である。

また、避難生活を送る人は福島の被災者を中心に、未だに 30,884 人( 2023 年 2 月 1 日現在)もいらっしゃる。

昨年、同時期に比べると、 7,255 人減りはしている物の、未だに、 3 万人超の人が避難生活を余儀なくされている。

内訳は・・・。

応急仮設等及びそれ以外の民間賃貸等・・・ 11,615 人
親族・知人宅等・・・ 19,131 人
病院等・・・ 138 人

福島県では、各町村の帰還困難地域のうち優先的に除染が進められている「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」で、 2022 年 6 月から順次避難指示を解除され、これまでに葛尾村、大熊町、双葉町で一部住民の帰還が実現した。

’23 年にも浪江町、富岡町、飯舘村で復興拠点の解除が実現する見通しとなっている。

しかし、帰還を望む住民は今のところ、わずかな数にとどまっているのが実情のようだ。

福島県の避難指示区域( 2023 年 2 月末時点)

政府主催の式典は、 10 年目を節目に最後となり、昨年からは開かれていない。

ただ、岩手、宮城、福島県の沿岸自治体の中では「 10 年が一つの区切り」などの理由で式典を行わなくなっていたが、一部の自治体では、再度、開催するところもあるようだ。

昨年、私は、恒例となっていた 3 月 11 日前後には東北入りしなかったのだが、やはり気になって、 4 月に入り、宮城県・岩手県への農業指導の傍ら、海岸部を車で走行した。

今年も、時期をずらして訪れてみようとは思う。

昨年も被災地の声として、 NHK のアンケートをお届けしたが、今年も NHK が岩手・宮城・福島の被災地の方 1,000 人にアンケートを行った結果をお伝えしたいと思う。

このアンケートは、 2 月 2 日~ 7 日にかけて、岩手・宮城・福島の沿岸と原発事故による避難指示が出された地域に住む、20代から50代の1000人を対象にインターネットアンケートを行ったものである。

回答者の平均年齢は 45 歳となっている。

Q. 東日本大震災の被災地に住む人は震災の記憶の風化について・・・

▽「風化している」 17%
▽「ややそう思う」 43%
▽「あまりそう思わない」 11%
▽「そう思わない」 3%

Q. 震災の記憶を話す機会が「減った」?

▽「変わらない」 45%
▽「減った」36%

「減った」と回答した人に複数回答で理由を尋ねたところ・・・

▽「テレビや新聞で震災の話題をあまり見なくなった」 38%
▽「日々の生活が忙しく話す余裕がない」 35%
▽「震災のことを日常で思い出さなくなった」 34%

また、 12 年前の東日本大震災のときの避難所での課題もクローズアップされていたが、今回、調査した人のうち、避難所に避難した人は 3 分の 1 の 334 人で、避難所を経験した人にたずねたところ、女性のおよそ 6 割、男性の 4 割余りが性別による困難や不安を感じたことがあったと答えている。

避難所でどうのような困難や不安を感じましたか?

さらに、性別による困難や不安を感じたか聞いたところ、「あった」「どちらかと言えばあった」と答えた人が

▼女性 59%
▼男性 44%

女性の方が 15% 高くなっている。

困難や不安の内容を複数回答で聞いたところ・・・

《女性》
▼「着替えのスペースが確保されていなかった」 63%
▼「支援物資に必要なものが少なかった」 52%
▼「下着を干す場所がなかった」 38%
▼「男女別のトイレがなかった」 19%、
▼「授乳など子育てスペースがなかった」 17%

《男性》
▼「支援物資に必要なものが少なかった」 63%
▼「着替えのスペースが確保されていなかった」 49%
▼「避難所運営について意見が聞き入れられなかった」 34%
▼「男女別のトイレがなかった」 28%

アンケートの自由記述で女性から多かったのが、生理や着替えに関する不安の声で「断水で水が流れないトイレは生理中はとても気を使った」とか「車の中で着替えるしかなかったから丸見えでした」といった回答があったそうだ。

また「下着を盗まれた」とか「子どもが 0 歳でよく泣いていたので周りがいらだったり迷惑がられたりした」といった声もあったそうだ。

南海トラフ自身が何時起きてもおかしくないと言われる昨今、課題は山積みである。

東日本大震災被災地域にすまれる方が、一日でも早く平穏な生活を送られることを切に望む。