前回の続き・・・。
韓国から気になるニュースが入ったのでお伝えする。
最近、韓国内で、‟スーパーバクテリア”の感染が急増しているらしい。
‟スーパーバクテリア”は、抗生剤が効かない耐性を持つ細菌だが・・・。
ソウルのある病院で入院治療を受けた後、‟スーパーバクテリア”と呼ばれる細菌に感染した患者が発生し、防疫当局が感染経路を確認している中、‟スーパーバクテリア”の感染者が 5 年間で 5 倍以上増加したことが確認されたという。
その一因として、コロナ禍以降、過剰な抗生剤の処方により感染者が増えたからではんばいかという分析が出ている。
先月 23 日に行われた疾病管理庁やソウル大学ポラメ病院などの説明によると・・・。
ある患者 A さんは、先月末、高血圧の治療のためにソウル大学ポラメ病院の 5 人部屋に入院して退院した後、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌( CRE )感染症の診断を受けた。
CRE 感染症は、特定の抗生剤に耐性を持つ腸内細菌科の菌種で、人間の腸に正常に存在する細菌だが、尿道など他の部位に流入した場合、血流感染、創部感染、肺炎のような深刻な症状を引き起こすことがあるらしい。
2017 年にはソウルのある療養病院で CRE 感染症の診断を受けた患者 15 人中 8 人が亡くなったほど致死率も高いそうだ。
A さんはこの病室で CRE 感染患者が発生したという理由から、院内感染を主張している。
A さんは 中央東洋放送( JTBC )のインタビューで「 1 人目の患者の感染が確認された後も、他の患者たちをそのまま大部屋に入院させた。」と主張している。
一方、病院側は、 1 人目の感染患者をすぐに 1 人部屋に隔離したとしている。
CRE 感染症は治療剤がなく、早期の隔離と予防が最善であるため、防疫当局はこれを 2 級法定感染病に指定し、疾病管理庁の「 2022 年度医療関連病行政指導基準」によると、 CRE 患者は 1 人部屋に入院させなければならず、 1 人部屋への隔離が不可能な場合、同じ病原菌に感染した患者を集めたコホート隔離をしなければならないとされているそうだ。
疾病管理庁の関係者への電話インタビューでは「 CRE 感染は院内感染管理や個人の免疫力などに結びつくもので、病院に対して疫学調査を実施する予定だ。」としている。
最近になり CRE 感染患者が増加しており、疾病管理庁の資料によると、 CRE 感染患者数は、集計を始めた 2017 年の 5,717 人から 2020 年には 18,113 人まで増加しているそうだ。
最近は、増加傾向がさらに激しくなり、 2021 年は 23,311 人、 2022 年は 30,534人 まで増えたという。
‟スーパーバクテリア”は、抗生剤を乱用すると発生の可能性が高まることが知られており、コロナ禍の状況で患者の 2 次細菌感染を防ぐために抗生剤の処方が増えたことが影響したという分析から、昨年、関連論文を発表した江南セブランス病院のハン・サンフン教授(感染内科)らは、コロナ禍以降、抗生剤耐性菌が増加した事実を明らかにした後、「抗生剤の使用量を減らすための医療スタッフの体系的な努力が必要だ。」と強調している。
韓国よりも衛生観念が高い我が国ではどうなっているのだろうか？
先週、後半の感染動向を追う。
次回へ・・・。
