「真実の口」2,160 来るべき大地震に備えて ㉓

前回の続き・・・。

『地震予知研究計画・第 1 次計画( 1965 ~ 1968 )』について寄稿した。

ゲラー氏によると、地震予知研究計画の中にある‟研究”という文字がキーワードになるらしい。

文部科学省の中に以下のようなサイトがある。

地震予知計画の構成の推移

このサイトを見て分かるように・・・。

第 1 次地震予知(研究)計画(昭和 40 年 ~ 43 年度)

第 2 次地震予知計画(昭和 44 年~ 48 年度)

そのままを転記しているが、( )は後でつけられたのかどうか知らないが、‟研究”の 2 文字が外れているのである。

改めて、第 1 次計画を見てみよう。

  1. 測地的方法による地殻変動調査
    ( 1 )三角測量
    ( 2 )水準測量
    ( 3 )地磁気、重力測量
  2. 地殻変動検出のための験潮場の整備
  3. 地殻変動の連続観測
  4. 地震活動の調査
  5. 爆破地震による地震波速度の観測
  6. 活断層の調査
  7. 地磁気・地電流の調査
  8. 大学の講座、部門の増設等
  9. データ処理システムの確立
  10. 移動観測の整備

調査・・・?

整備・・・??

観測・・・???

んんん・・・?????

どのようにして予知・予測をするのかが具体的に示されていない(笑)。

しかし、このような杜撰なプロジェクトでも、第三者による学問的審査がなかったため、行政当局及び財政当局にスルリと承認されたらしい・・・www

ゲラー氏によれば、予知研究者たちは、文字通りの予知が可能かどうかの‟研究”を行ったそうだ。

結果は、想像通り、第 1 次地震予知(研究)計画(昭和 40 年 ~ 43 年度)の間、予知が可能だと結論付ける論文は 1 本たりとも発表されなかったらしい・・・ ╮(︶﹏︶”)╭ヤレヤレ

この‟研究”計画の時は、交付される予算は 100 万円単位だったそうだ。

ただ、何の成果も得られない‟研究”に次の予算が付けられるのかと予知研究者らは焦ったそうだ。

ゲラー氏によれば、この時から政治家との癒着が始まったようだ。

ここで出てくるのが当時運輸大臣だった中曽根康弘氏らしい・・・。

以下、産経新聞( ’94 年 8 月 31 日付夕刊)に掲載された、東京大学地震研究所所長・森本良平氏の暴露話である。

「担当大臣の中曽根運輸相より、研究計画では百万円単位の交付しか期待できないが、実施計画とすれば千万円単位以上の高額予算配布が可能になる旨のアドバイスがあった。

実際には研究計画であるが、必要経費を得るために‟研究”の二文字を落とすことで、学会の委員たちを説得し、昭和 44 年、地震予知計画はナショナルプロジェクトとして出発した。

それからは、官僚の予算獲得技術に助けられ、安定成長ゼロ・シーリングの下でも、着実に年間 70 億円の支出が確保されれて、 25 年が過ぎた。

(中略)

いまだ予知の端緒すら開かれていないし、今後とも奇跡でも起こらぬ限り、開かれるとも思えない。」

工工工エエエエエエェェェェェェ(゚ω゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

以下は、国会で昭和 43 年十勝沖地震の被害状況の報告がされたものである。

第 58 回国会 参議院 本会議 第 22 号(昭和 43 年 5 月 17 日)

上の暴露話を裏付ける当時国務大臣の中曽根氏の答弁である。

「まず、地震予知の問題でございますが、地震予知ということは、その地点、その時、その大きさ、これらをあらかじめ知るというのが、地震学上の問題だそうであります。

今回の地震は、気象庁の報告によりますと、えびの地震とは関係はない由であります。

えびの地震は、局地的な浅いところに頻発して起こる地震で、ごくローカルなものでありますが、今回の地震は、日本列島の東部の太平洋岸における地殻構造上の地震だそうでございまして、両者の関係はないとのことでございます。

そこで、昭和四十年に、測地学審議会から建議がございまして、地震予知に関する諸般の対策が上申されておりました。

私、着任以来、この問題を、前期五カ年、後期五カ年、十カ年計画としまして、相当額の金を使って、その計画を政治の上にのせるように命じてまいりまして、ようやく各省との調整が得られまして、いろいろな対策の原案ができたばかりでございます。

これをできるだけ早期に予算化いたしまして、実施してまいりたいと思うのでございます。

気象庁の専門家の話によりますと、要するに、地震は、地殻の構造上におきまして、ひずみが起こるとか、あるいは一カ所にエネルギーが非常に蓄積して、大きな圧力が出てくるとか——それが陥没して起こる、その前には地電流の異常な流れが発生するとか、地熱に変化が起こるとか、あるいは海の潮の上に変化が起こるとか、そういうものを精密に検査すれば、ある程度の可能性を予知することができるという由であります。

そこで、測地、地磁気、地電流、検潮、あるいは断層の分析、褶曲の移動の変化、あるいは地殻の変動、あるいは地震が起きた場合のその地震の動態の分析等々を精密に、克明に相当な年月をかけてやりまして、その傾向を確実に把握いたしまして、地震予知の資料とするということだそうでございます。

そういう方面の対策をやりますために、地震の頻発地点あるいは全国の要所要所に碁盤の目のように観測機構をつくりまして、そうして長期にわたってその資料を蓄積していくと、そういう方向で、この前期五カ年、後期五カ年の計画を実施いたしまして、国民の皆さまに御安心を得るようにいたしたいと思っております。」

ここから、東日本大震災後、たびたび耳にするようになった‟原子力ムラ”と同じような‟地震学ムラ”が作られていくわけだ・・・(ꐦ°᷄д°᷅)怒

次回へ・・・。