「真実の口」2,138 来るべき大地震に備えて ①

今回からタイトルを変える。

液状化現象について追いかけているが、貴方の住んでいるところは大丈夫だろうか?

阪神淡路大震災

➡ 六甲アイランド、ポートピアランド、芦屋市、西宮市等々の埋立地で液状化現象を確認。

東日本大震災

➡ 青森県から神奈川県まで南北約 650km の広範囲(東北地方の 6 県および関東地方の 1 都 6 県の合計 160 の市区町村)。しかも、遠く離れた千葉県の埋立地で液状化現象が深刻だった。

熊本地震

➡ 埋立地ではなく、内陸部の旧河道やそれに沿った自然堤防上、あるいは氾濫原(後輩湿地)上で液状化現象の被害甚大。

北海道胆振東部地震

➡ 震源地から 60km も離れた札幌市清田区里塚地区の造成地で液状化現象を確認。

能登半島地震

➡ 震源から約 160km 離れた福井県坂井市、新潟県新潟市などの砂丘の陸側に液状化現象が集中。

埋立地、遠隔地、旧河道、自然堤防、氾濫原、造成地、砂丘、etc・・・。

日本全国、どのようなところでも液状化現象が起こる可能性はあるということだ。

改めて、地震の発生メカニズムをおさらいしよう。

日本には約 2,000 の活断層があるとされており、活断層による地震はいつどこで発生してもおかしくない。

地震は地下で起きる岩盤のズレにより発生するが、地殻という層構造になっていて、地殻は硬い板状の岩盤となっていて、これを「プレート」と呼ぶ。

地球の表面は十数枚のプレートに覆われている。

プレートは僅かに少しずつ動いていて、プレート同士がぶつかったり、片方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込んだりすることで地震が発生する。

つまり、地震の起きやすい場所は「プレート同士が接しているところ」というわけだ。

日本周辺では、海プレート(太平洋プレート及びフィリピン海プレート)が、陸プレート(北米プレート及びユーラシアプレート)の方へ 1 年あたり数 cm 動いており、陸プレートの下に沈み込んでいく仕組みになっている。

日本周辺では、複数のプレートの力がかかっているので、世界でも有数の地震多発地帯となっているわけだ。

気象庁に掲載されているプレートを見てみると・・・。

日本近辺のプレート

図を見ているだけで地震が多そうだなと想像が付くほど、日本はプレートの真上に位置している(笑)

地震が発生しやすいプレート同士が接しているエリアから、今後 30 年以内に予想されている大地震とその地域を見てみよう。

【南海トラフ地震】

気象庁が発表している震度分布は以下のようになっている。

南海トラフ地震・震度分布

液状化現象は、揺れる時間が長ければ、震度が小さくても発生する可能性があり、複数の悪条件が重なっている地域では、震度 4 でも発生する可能性があることが分かっている。

上の図から判断すると、西日本全域、東海、北陸、甲信越、関東までの広範囲で液状化現象が発生する可能性がある。

30 年以内に南海トラフ地震が発生する確率は 70% である。

【首都直下型地震】

内閣府が発表している震度分布は以下のようになっている。

首都直下地震・震度分布

首都直下地震と言う字面だけ見ると、『東京を震源として起こる地震』と思っている方が多いが、実際は、東京都、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県を含む南関東地域のどこかを震源として起こる M7 クラスの大規模な直下型地震のことを言う。

つまり、上の図では関東全域が震度 4 以上ということが想像されるが、発生個所によっては、東日本、西日本、甲信越への拡大も想定されるわけだ。

30 年以内に首都直下型地震が発生する確率は 70% である。

【日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震】

内閣府が発表している震度分布は以下のようになっている。

日本海溝周辺海溝型地震

日本海溝モデル地震・震度分布

千島海溝周辺海溝型地震

千島海溝モデル・震度分布

どちらのモデルケースでも、北海道から東北にかけては震度 4 以上の地震に襲われることになる。

もちろん海溝型の地震なので、液状化現象よりも津波の被害が甚大になることが想定されている。

それによれば・・・。

千島海溝モデルでは、北海道は、根室市からえりも町付近にかけて 10 ~ 20m を超える津波高となっており、高いところではえりも町で 30m 弱の津波、えりも町より西側の地域においても苫小牧市や函館市などで 10m 程度の津波が想定されている。

日本海溝モデルでは、青森県は、八戸市で高いところでは 25m を超える津波高となるなど、太平洋沿岸で 10 ~ 20m 程度の高い津波、岩手県は、宮古市で高いところでは約 30m の津波高となるなど、 10 ~ 20m 程度の高い津波、宮城県以南については、宮城県や福島県などで場所によっては 10m を超える津波高であるが、一部の地域を除き東北地方太平洋沖地震よりも低いと想定されている。

30 年以内に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生する確率は 60% である。

内閣府が公表している大地震の想定地域である。

内閣府発表の大地震想定地域

上の 3 つの大地震以外にも、中部圏・近畿圏直下地震相模トラフ沿い海溝型地震が想定されているが 30 年以内の発生確率は低いとされている。

次回へ・・・。