「真実の口」1,923 新型コロナウィルス・・・411

前回の続き・・・。

第 7 波の感染が拡大する中、全数把握についての議論が行われている。

東京都医師会の尾崎会長は、 16 日の定例会見で、感染者数が高い水準にある現状で、全数把握ができているとは、とても思えず、すでに破綻していると思う。今後、一部の医療機関による定点の観測に変更することもひとつではないか?(その上で)やはり、 60 歳以上や基礎疾患のある人については、全例をしっかりと診断する。そして、早期治療に結びつけることを、徹底してやるべきだ。そういう形に変えていってもいいのではないか」という認識を示した。

また、高齢者や基礎疾患のある人の重症化を防ぐために、東京都医師会と自治体などが連携して、地域ごとに発熱外来を設置することを検討していることを明らかにし「医療機関の実情を聞きつつ、余力のあるところには協力して頂き、主に重症化リスクの高い人をしっかりみていく振り分けが必要だ。」と語った。

一方、加藤勝信厚生労働大臣は、 16 日、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井伸治知事らとオンラインで意見交換を行った。

この中で平井知事は全数把握について「必要性は理解しているが、現場は夜遅くまで入力作業をしなければならない。緩和してもらったが、さらに踏み込んでほしい。第 7 波が終わってからではなく、すぐに取り組んでほしい。」と直ちに見直すよう要望した。

これに対し加藤大臣は「対象の見直しも含めた検討はありうる。何を見直すことができるのか考えたい。」と述べ、全国知事会などと協議しながら、見直しの検討を始める考えを伝えた。

現在、新型コロナウィルス感染症に関しては、「 HER-SYS (新型コロナウィルス感染者等情報把握・管理システム)」と呼ばれる国のシステムに患者の情報を登録し、全数把握を目指している。

当初は、システム導入のメリットとして・・・。

【国民】感染者および濃厚接触者
・毎日、電話により健康状態を報告。
⇒ スマホ等により、簡単に報告可能に。
・急変時に気づいてもらえないことも。
⇒ きめ細かな安否確認を受けられるように。

【医師】
・発生届を手書き、FAXでの届出。
⇒ パソコン・タブレット で入力・報告が可能に。
※ 保健所が FAX をパソコンに入力する作業も減少。

【行政】保健所、都道府県・国
・電話・メール等により、感染者等の情報を報告・共有。
⇒ 患者本人や医療機関、保健所等が入力した患者情報が迅速に集計され、都道府県、国まで共有可能に。
・保健所、都道府県、国が、それぞれ感染者等の情報を入力・集計。広域的な情報共有が不十分。
⇒ 入院調整の迅速化や、クラスター対策の効率化が可能に。

こんなことが言われてのだが、如何せん感染者が多すぎて、逆に足枷になってきているのが現状らしい。

現実的には、全数把握をしている国自体がほとんどない。

この成り行きで進めるのであれば、国は、新型コロナは全数把握もしない、インフルエンザと同等の扱いにする、そして、経済を動かすためには、ある程度の死者は覚悟してくださいということを言う時期に来たのではないだろうか?

先週後半の感染動向をリンクで報告する。

8 月 12 日(金曜日)

8 月 13 日(土曜日)

8 月 14 日(日曜日)

次回へ・・・。