「真実の口」1,990 新型コロナウィルス・・・476

前回の続き・・・。

第 8 波の間に‟ XBB.1.5 ”が隆盛を迎え、Big Wave が来ると思っていたのだが、私の予想に反して、第 8 波はピークアウトしそうだ。

そうは言っても、連日、 200 人超の人が亡くなっている。

アメリカで主流になっている‟ XBB.1.5 ”が第 9 波の鍵になると思われるが、はたしてどうなるのか?

アメリカでは、 2022 年 12 月ごろからニューヨークなど東部を中心に急増し、 1 月 28 日までの 1 週間では 61.3% を占めるに至ったとみられている。

世界保健機関( WHO )の 1 月 25 日の週報によると‟ XBB.1.5 ”はこれまでに 54 ヶ国で報告されている。

国別では、アメリカが 75.0% とほとんどを占め、イギリスが 9.9% 、カナダが 3.0% 、デンマークが 2.0% などとなっている。

一方、東京都のモニタリング会議の資料によると、東京都内では 12 月初め以降これまでに 31 例確認されており、検出される割合は 1 月 9 日までの 1 週間でも 0.1% と、大きく増加している状況ではない。

WHO は 1 月 25 日、‟ XBB.1.5 ”のリスク評価を更新して公表した。

▼ウィルスの広がりやすさについては、アメリカ、イギリス、欧州各国のデータでは、他のオミクロン株の変異ウィルスより広がりやすい。

▼過去の感染やワクチン接種で得た免疫から逃れる性質は、これまでの変異ウィルスで最も強い。ただ、オミクロン株の‟ BA.5 ”に対応したワクチンを接種した人や、ワクチンを接種し感染の経験もある「ハイブリッド免疫」がある人では、‟ XBB.1.5 ”に似た‟ XBB.1 ”に対する抗体の値は高くなっているとしている。

▼感染した場合の重症度が上がっているという兆候は初期の段階では見られない。

京都大学・西浦博教授(数理疫学)は、 1 月 17 日の厚生労働省の専門家会合で、「 1 人が何人に感染を広げるか」を示す実効再生産数はこれまで世界的に主流だった‟ BA.5 ”の 1.47 倍に上るという試算を示した。

また、東京大学医科学研究所・佐藤佳教授が主宰する研究者のグループ「 G2P-Japan 」は、査読を受ける前の論文として、‟ XBB.1.5 ”の特徴を再現して人工的にウィルスを作り、実験を行った結果を公表した。

研究グループは、ワクチンの接種後に、 2022 年夏以降の第 7 波で主流だったオミクロン株の‟ BA.5 ”に感染した人の血液を使って、‟ XBB.1.5 ”に対する免疫の反応を調べ、その結果、ウィルスを抑える中和抗体の働きは‟ BA.5 ”に対する場合のおよそ 10 分の 1 にとどまり、免疫を逃れる性質がはっきりしたということらしい。

さらに、研究グループは、感染力も高まっているのではないかとし、新型コロナウィルスが人に感染する際には、細胞の表面にある‟ ACE2 ”というたんぱく質にくっつき、人の細胞にくっつきやすいと感染力が高まるのだが、‟ XBB.1.5 ”には新たに‟ F486P ”という変異が加わっているそうだ。

佐藤教授によると、この変異があることで、‟ XBB.1.5 ”は細胞の表面のたんぱく質に結合する力が、無いタイプの変異ウィルスと比べて 4.3 倍になっていたということらしい。

これまでの変異ウィルスでは「中和抗体を逃れること」「結合力が上がること」は両立しにくかったのが、‟ XBB.1.5 ”は「中和抗体を逃れること」「結合力が上がること」が両立していて、感染力も高まっているのではないかとしている。

さあ、第 9 波はどうなるのか?

先週、月曜日の感染動向を追う。

1 月 30 日(月曜日)

次回へ・・・。