「真実の口」2,052 梅毒、急増【中編】

前回の続き・・・。

近年、梅毒が増えた背景として、 SNS などの利用により気軽に性行為が行われるようになったことや、性行為の多様化が進んだことなどが挙げられている。

しかし、意外なことに、梅毒以外の性感染症(淋病や性器クラミジア感染症、エイズなど)
は増えていないらしい。

前述したが、梅毒患者は、男性は 20 代~ 50 代で年代に関係なく満遍なく感染し、女性は、 20 代、特に 20 代前半に感染が増加している。

その背景には、新型コロナ感染症の影響が無いとは言えないようだ。

出会いの切欠が無くなった男女はその出会いを SNS に求めるのは誰もが造像できるだろう。

しかし、何故、 20 代女性が急増しているのか?

新型コロナの影響で職を失い、収入を得る方法が無くなった若い女性が仕方なくその収入入源として SNS を利用して、‟パパ活”やら‟援助交際”を行い、それらを利用しようとする男どもは、やはり若い女性に食いつく。

結果、若い女性から、全世代の男性へ拡散という図柄が考えられるのは造像に難くない。

これが一つの図式である。

もう一つの原因を、インバウンドと位置付ける人もいる。

2010 年代前半から、梅毒を始めとした性病検査に従事しているという方が、梅毒をめぐる状況が明らかに変わったのは‟ 2015 年前後”であったと断言している。

そのころ、一体何があったのか?

アジアからのインバウンド客の急増を受けて、性風俗店では、それまでお断りだった外国人にも門戸を開放したという。

格としたデータがあるわけではないが、前述の性病検査従事者は、感染ルートがはっきりわかっているわけではないものの、肌感覚としては、これが原因だったとしか考えらないとまで言っている。

元々、梅毒は、感染すると男性の方が痛みや違和感など、自覚症状が出やすいとされる。

したがって統計の報告数のうち男性が多い傾向にあったが、男女ともに‟ある時期”=‟ 2015 年前後”から急増しているのは、やはり外的要因ではないかと指摘する。

前編で紹介したワースト 10 に入った地域は名立たる歓楽街を有していることも頷ける。

更に、コロナ禍で多くのホテルが廃業に追い込まれた。

しかし、今年に入り、各地でホテルの営業再開が見られるようになったようだ。

その背景は、少しでも資金の欲しい日本人経営者が中国人にホテルを売却しているということがある。

中国人経営者は、バス事業も経営し、空港に着いた中国人をそのままバスに乗せてホテルに直行する。

そして、ホテルにやってきた観光客はホテルから一歩も外に出てくることはなく、食事もホテルで済ませるという・・・。

何が行われているかというと、観光客には、接待のために派遣されてくる日本女性があてがわれるという構図が出来ているらしい。

それが日本観光の一大目的となっているらしい。

しかし、それにも飽きたらない外国人は、地元の歓楽街に繰り出し‟性”を発散しているらしい。

実際、都内の風俗店経営者の元には、主に中国や韓国、台湾などのツアー会社から、ひっきりなしに問い合わせが入っているという。

外国人観光客を相手にするのは、女性にとっても確かにリスクもあるのだろうが、金払いが良かったり、日本人みたいに気を遣わずに済むという考えの女の子もいるらしい。

梅毒患者の急増のもう一つの背景にはメディアの影響もあるのではないだろうか?

一昨年頃から、メディアによって‟梅毒急増”という情報が流れ、注目されるようになった。

それにより、感染に不安を覚えた男女が積極的に医療機関を受診するようになったのではないだろうか?

初期症状として、男性は、亀頭や陰茎、冠状溝(亀頭と陰茎の間の部)、性器周辺の皮膚に、女性は膣内、大陰唇・小陰唇周辺の皮膚に、‟硬いしこり=初期硬結(しょきこうけつ)”という症状が現れるが、痛みが伴わなかったり、見えにくい部位に症状ができた場合には見逃してしまう。

当然、男性よりも女性の方が見逃しやすいのだが、不安に思った女性が診察を受けて、若い女性の梅毒患者急増ということも考えられるのではないだろうか?

次回へ・・・。