前回の続き・・・。

巷では、「新型コロナワクチン接種開始後 38 万人が超過死亡」というまことしやかな話が流布されているらしい。

その素となるのが、以下の X (旧 Twitter )への投稿らしい。

国立感染症研究所は、ワクチン接種が始まった 2021 年 5 月から 2 年半の間で、超過死亡は最大で 191,285 人というデータを発表している。

しかし、この数値においても全てが‟ワクチンによるもの”というわけではない。

日本ファクトチェックセンター( JFC )に設置されている LINE の AI チャットに「ワクチンが始まって2年半で 36 万人の超過死亡は本当か？」と質問がきたそうだ。

JFC とは、ファクトチェック(事実の検証)の実践とメディア情報リテラシーの普及に取り組む非営利組織であり、民主主義の基盤であるデジタル公共空間の健全性を維持・向上させることを目的として活動している。

例えば、直近では・・・。

➡ アメリカのトランプ前大統領と、ロシアのプーチン大統領が密会してワインを飲んでいるかのような画像が拡散されたが、加工された画像で、‟誤り”と判定。

➡ 「テキサス州が戦争状態に突入」「アメリカで内戦」などの言説が銃を構えた兵士や戦車の動画とともに拡散されたが、誤りと判定。州が政府を批判して独自の移民対策をとる動きで、戦争ではない。

➡ 日テレが『セクシー田中さん』の記事を全消ししているは誤りと判定。広告ブロッカーがあると表示されないだけである。

・・・などなど、様々な分野に於いて、その事実の検証を行っている。

「ワクチンが始まって 2 年半で 36 万人の超過死亡は本当か？」という質問に対して、 JFC が調べると X(旧 Twitter )では「日本国内の超過死亡が接種前比で38万人以上になる」など30万人以上の超過死亡がいるとの投稿が拡散し、中には150万回以上閲覧されているものがあるそうだ・・・Σ（・□・；）

これらの投稿に対して・・・。

「 40 万て言ったら金沢や町田の人口ほぼ全てに迫る」
「高齢者を中心に寿命を短くしたいから、かな」
「高齢者の人口が増えたのが一番では」

・・・などの反応があり、そのまま信用している方が大勢いるようだ。

これまで、何度も取り上げてきたが、おさらいをしてみよう。

「超過死亡」とは、例年から予測される死者数と、実際に報告された死者数を比較した場合の増加分であり、特定の感染症や災害による直接・間接的な死者数を予測することができる概念である。

通常、感染症(特にインフルエンザや COVID-19 のパンデミック)、熱波や寒波などの異常気象、災害、戦争、喫煙や大気汚染、肥満などによって引き起こされる。

実際より多いと「超過死亡」、少ないと「過少死亡」と呼ぶ。

感染研は、国内でワクチン接種を始めた 2021 年 5 月から 2023 年 10 月までの 2 年半で、超過死亡は 74,810 人 ～ 191,285 人だったというデータを発表している。

上で紹介した X の投稿につけられた表は、厚生労働省が調査・発表する人口動態統計の月毎の死亡者数を一覧にしたもので、増加したとして示された数字は「超過死亡」ではない。

また、感染研は、「超過死亡」が「ワクチンによるもの」とは発表しておらず、このデータについて「原因を特定する機能は有していない」と説明している。

厚生労働省では、「日本においても、副反応疑い報告制度により、ワクチン接種後の死亡事例が報告されていますが、現時点で、ワクチン接種との因果関係が否定できないとされた事例が2例あり、その他の事例についてはワクチン接種との因果関係があると判断されていません。」と公式発表している。

ただし、新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要としては以下のように発表されている。

厚生労働省の発表の仕方が変わっているので、ファイザーに関しては最新ではない。

【ファイザー社】

【モデルナ社】

【武田薬品】

3 社の発表の仕方の差異が腑に落ちないのだが・・・？？？

次回へ・・・。