「真実の口」1,403 恐怖の超監視社会⑮

前回の続き・・・。

今投稿の第一回目に話を戻す。

毎日新聞の“余禄”にあった一文・・・。

「知らない誰かに家庭内の会話を聞かれていた、という海外メディアの報道もあった。」

これは、その“ Bloomberg ”の報道だ。

Amazon Workers Are Listening to What You Tell Alexa

「Amazon.com Inc. employs thousands of people around the world to help improve the Alexa digital assistant powering its line of Echo speakers. The team listens to voice recordings captured in Echo owners’ homes and offices. The recordings are transcribed, annotated and then fed back into the software as part of an effort to eliminate gaps in Alexa’s understanding of human speech and help it better respond to commands.」

➡訳:「Amazonは、世界中から何千人もの人々を雇い、同社のエコースピーカーのラインナップを強化している Alexa デジタルアシスタントを向上させている。 そのチームは、エコーの所有者の自宅や職場で録音された音声を聞いている。 Alexa の人間の会話に対する理解のギャップを解消し、指示に対する反応をより向上させるための努力の一環として、録音は転記され、チームによって注釈が付けられてからソフトウェアにフィードバックされる。」

まあ、機能を向上するために、録音し、再解釈し、それをフィードバックするということは必要かもしれない。

しかし、スピーカーの向こう側で、生身の人間 1,000 人が聞き耳を立てていたというのは、ちょっと話が変わってくる・・・(||゚Д゚)ヒィィィ!

「Occasionally the listeners pick up things Echo owners likely would rather stay private: a woman singing badly off key in the shower, say, or a child screaming for help. The teams use internal chat rooms to share files when they need help parsing a muddled word—or come across an amusing recording.」

➡訳:「時折、(チームの)聞き手は、エコーの所有者のプライべートな場面の音声拾う。例えば、音程を外し歌いながらシャワーを浴びている女性、または助けを求めて叫んでいる子供。 Amazon の広報担当者によると、チームは内部チャットルームを使用して、混乱した単語を解析したり、面白い記録を見つけたりする必要があるときにファイルを共有している。」

極々プライベートなワンシーンを、スピーカーの向こう側で、笑いながら、チャットで、「これ聞いてみなよ(笑)。」という情景が思い浮かびそうだ・・・怒(-"-)怒

この録音に関しては、我々の持つスマートフォンでも行われているらしい・・・。

Apple 社の AI “ Siri ”

Google 社の AI “Google アシスタント”

これらも録音されている・・・(笑)。

Siri に関しては、プライバシーポリシーに、『解析のためにAppleに送信された音声ファイルは、ユーザーを示すランダムな番号を割り当てて保存され、 6 ケ月経過すると音声ファイルから番号が削除され、ユーザーとの関連付けが解除されるが、その後最大で 18 ケ月間保存される。』とある。

“Google アシスタント”では、アクティビティ管理に、『[音声アクティビティ] をオンにすると、ご自分の声などの音声を録音したデータが Google アカウントに保存されるようになり、ユーザーの声の認識状況や音声認識機能の改善に使用されます。(「 OK Google !」と発生して音声検索する場合など)。』とある。

音声アクティビティのメリットとして・・・。

・ユーザーの声を学習する。
・ユーザーによる語句の発音を学習する。
・ユーザーが「 OK Google !」と言ったことを認識する。
・音声対応の Google サービス全体での音声認識を改善する。

Google はアクティビティ管理で録音の可不可を自身で決められるようだが・・・。

これはあくまで端末上の問題で、 Apple も Google と同様に様々なデータを収集していると考えた方が良いと思う。

まあ、 Apple と Google に関しては、プライバシーポリシーを信じるとして、アカウント情報との紐づけがされておらず、ユーザーの情報は匿名化され、わからないようになっているらしいのだが・・・( ̄ー+ ̄)ニヤリッ

Bloomberg によれば、 Amazon ではユーザーの情報とアカウント情報が紐づけされていたらしい・・・。

ちなみに Alexa による録音データの利用は、「 Alexa プライバシー」のページから「新機能の開発に貢献する」をオフにすることで拒否できるらしいが・・・。

しかし、アメリカでは、 Amazon Echo が夫婦のプライベートな会話を録音して、知人にメッセージとして転送していたという前代未聞な事件が発生したという・・・

An Amazon Echo recorded a family’s conversation, then sent it to a random person in their contacts, report says

ポートランドの女性の自宅に、会社の同僚から「あなたは Alexa のプラグを抜いたほうがいい。ハッキングされている。」と電話を受けたことで発覚したというのだが・・・。

Amazon の広報によれば・・・。

Amazon Echoが、背後の会話で(起動ワードの)“ Alexa ”のように聞こえた言葉で起動

さらに、それに続く会話で「メッセージ送信」の要求と誤認

この時点で、 Alexaは、「誰に?」と尋ねるが・・・。

背後の会話から、顧客の連絡先リストにある名前と解釈。

Alexa は、「~さんですね?」と確認。

Alexa は、その上で続く背後の会話で「 Yes 」と聴き取り・・・。

✉メッセージ送信✉

なんとも、間抜けと言うか、恐ろしいというか、 「Alexa しっかりしろよなあ!」と言いたくなる笑えないニュースだ・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

我々の生活はどんどん便利になっていっている。

例えば、これからの季節に欠かせないエアコン。

帰宅時間に合わせ、ユーザーのスマートフォンに「そろそろエアコンをつけますか? リビングを省エネで快適にしておきますよ。」というメッセージが届き、「はい」とタップするとエアコンが運転を開始。

更に、室温や湿度、壁温度などから総合的に判断し、「好みの快適さ」を学習していきつつ、リモコンの操作不要なエアコンに AI が進化させるらしい・・・。

更に、電子レンジ。

「今日何にしよう」そう話しかけるだけで、家族の好みのメニューを作り方や副菜まで教えてくれるらしく、使えば使うほど、使った家族の好みを学習し、献立選びを助けてくれるらしい・・・。

更に更に、洗濯機。

様々なセンサーによって洗濯の仕方を判断してくれ、例えば、汚れの状態によって液体洗剤がいいか粉末洗剤がいいか、水の硬度が低く泡立ちやすい場合は洗剤の量を減らす、汚れがひどければ洗う時間を長く、すすぎが出来ていれば二回目は時間短縮にする等々、丁寧に細かく分けて洗濯してくれるらしい・・・。

更に更に更に、冷蔵庫。

自分の家に合わせてカスタイマイズされていく冷蔵庫のようで、冷蔵庫にある食材に合わせたメニューを大量の情報から提案してくれ、扉の開閉階数、時間帯から食事の支度時間、起床や就寝時刻など家族の生活サイクルを把握したメニュー提案もしてくれるらしい・・・

夕食の支度が終わり、家族が就寝した時刻に明けると「今日もおつかれさま」とねぎらいの言葉をかけてくれるらしいのだが、「それいる?」と思うのは私だけだろうか?

まあ、これだけ AI まみれの IoT 生活を送れば、電磁波も半端じゃないのだろう?

私は、抗酸化工法の空間に住んで、エアコンの調節の要らない空間を望むし・・・。

電子レンジに話しかけて、献立を考えない楽な生活より、環境回復農法で採れた季節のものを自分のアレンジで美味しく食べたいし・・・。

えみなに任せる洗濯が好きだし・・・。

冷蔵庫にメニューを管理され、「今日もおつかれさま」と言われながら就寝するのは嫌だし・・・。

あなたは如何だろうか?

便利になっていく世の中・・・。

自分の生活における細かな情報を全て汲み上げられ・・・。

監視に次ぐ監視の生活が良いのだろうか?

最後に、 AI 音声アシスタント搭載のスマート家電は、人間に聞こえない音声コマンド( Inaudible Voice Commands )で、簡単に操作できるらしい・・・。

https://acmccs.github.io/papers/p103-zhangAemb.pdf

“ドルフィンアタック”と言うらしいのだが、上記の論文を発表した中国の浙江大学の研究チームによれば、 iPhone や Amazon Echo など、 16 種類のハードウェア、 7 種類の AI 音声アシスタントで操作できることが明らかとなったらしい。

Dolphin Attack

悪意のある第三者に、生活を盗み見される程度ならまだいいが、家族や友人が危害を加えられたり、自宅や職場に侵入されたりしないことを祈るばかりだ・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛