「真実の口」1,732 新型コロナウィルス・・・233

前回の続き・・・。

隔週水曜日に行われていた合同部会がお盆の為か 1 週空いて 8 月 25 日(水)に開催された。

第 67 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和 3 年度第 16 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(以下、合同部会)の内容である。

接種が開始された令和 3 年 2 月 17 日から対象期間の 8 月 8 日までに、ファイザー社ワクチン、武田/モデルナ社ワクチンについて副反応疑い報告がなされ、それぞれの頻度は 0.02% ( 20,492 例/ 90,651,661 回接種中)、 0.01% ( 1,564 例/ 12,261,354 回接種中)だった。

≪アナフィラキシー報告事例≫

【ファイザー社製】

1.報告状況
○前回の合同部会( 8 月 4 日)以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告において、製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された事例が新たに 219 件あり、令和 3 年 2 月 17 日から令和 3 年 8 月 8 日までに報告されたアナフィラキシー事例は計 2,211 件、総副反応事例は計 10,467 件となった。

2.専門家の評価
○令和 3 年 8 月 8 日までに報告された総副反応事例 10,467 事例のうち、上記 219 件を含むアナフィラキシーの疑いのある 2,211 事例を対象に、専門家の評価を実施。
○評価結果の概要は、以下のとおり。

ブライトン
分類レベル
報告件数
1回目接種時 2回目接種時
1 82(+2) 69(+2) 13(±0)
2 305(+43) 238(+34) 67(+9)
3 18(±0) 16(±0) 2(±0)
4 1,734(+175) 1,303(+134) 431(+41)
5 72(-1) 46(-1) 26(±0)
合計 2,211(+219) 1,672(+169) 539(+50)

アナフィラキシーの症例定義として国際的な指標になっている「ブライトン分類」での評価は、2,211 事例中、何らかの循環器症状か呼吸器症状を発症し、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 405( +45 ) 例となっている。

●レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数注・・・405 件/90,651,661 回接種
● 100 万回あたりの報告件数・・・ 4 件

今回は、ワクチン接種の年齢層が拡大してきたので、ブライトン分類レベル 1 ~  3 の年齢別・性別の報告件数も見てみる。

年齢 報告件数
男性 女性 性別不明
0~9歳 0(±0) 0(±0) 0(±0) 0(±0)
10~19歳 1(+1) 0(±0) 1(+1) 0(±0)
20~29歳 58(+8) 7(+1) 50(+6) 1(+1)
30~39歳 97(+4) 9(±0) 88(+4) 0(±0)
40~49歳 127(+12) 7(+1) 120(+11) 0(±0)
50~59歳 64(+5) 2(±0) 62(+5) 0(±0)
60~69歳 27(+7) 2(+1) 25(+6) 0(±0)
70~79歳 15(+5) 4(±0) 11(+5) 0(±0)
80歳以上 16(+3) 2(±0) 14(+3) 0(±0)
合計 405(+45) 33(+3) 371(+41) 1(+1)
(参考)
65歳以上
47(+14) 8(+1) 39(+13) 0(±0)

表から見て取れることは・・・。

【年齢】
65 歳未満・・・ 358 例
65 歳以上・・・ 47 例

ファーザー者の報告通り、副反応は若年世代に多いことが伺える。

40 ~ 49 歳の年齢層が一番多く、その上下の年齢層が続いているので、丁度、中心値になるようだ。

【性別】
男性・・・ 33 例
女性・・・ 371 例

ファーザー者の報告通り、副反応は圧倒的に女性が多いのが分かる。

次に、アレルギーの有無を見てみよう。

ブライトン
分類レベル
報告件数
アレルギー
既往歴あり
アレルギー
既往歴なし
1 82(+2) 16(-2) 66(+4)
2 305(+43) 68(+10) 237(+33)
3 18(±0) 1(±0) 17(±0)
合計 405(+45) 85(+8) 320(+37)

アレルギーの既往歴なしの方が遥かに多いということは、アレルギーの有無はあまり関係ないのかもしれない。

【モデルナ社製】

1.報告状況

○前回の合同部会( 7月 21 日)以降、COVID-19 ワクチンモデルナ筋注の副反応疑い報告において、医療機関からアナフィラキシーとして報告された事例が新たに 57 件あり、令和 3 年 5 月 22 日から令和 3 年 7 月 25 日までに報告された副反応事例は、計 103 件となった。

2.専門家の評価

令和 3 年 7 月 11 日までに報告された 46 件のうち、アナフィラキシーの疑いのある事例を対象に、専門家の評価を実施し、評価結果の概要は、以下のとおり。

ブライトン分類レベル 報告件数
1回目接種時 2回目接種時
1 1(+1) 0 1(+1)
2 8(+1) 8(+1) 0
3 0(-1) 0(-1) 0
4 103(+11) 98(+11) 5(±0)
5 13(+10) 13(+10) 0
合計 125(+22) 119(+21) 6(+1)

「ブライトン分類」での評価は、 125 事例中、何らかの循環器症状か呼吸器症状を発症し、重篤とされている“ 3 ”以上に該当するのは 9 例となっている。

・レベル 1 ~ 3 の報告件数/推定接種回数・・・ 9 件/ 12,261,354 回接種
・ 100 万回あたりの報告件数・・・ 1 件

ブライトン分類レベル 1 ~  3 の年齢別・性別の報告件数

年齢 報告件数
男性 女性
0~9歳 0(±0) 0(±0) 0(±0)
10~19歳 0(±0) 0(±0) 0(±0)
20~29歳 6(+2) 1(+1) 5(+1)
30~39歳 2(±0) 0(±0) 2(±0)
40~49歳 0(±0) 0(±0) 0(±0)
50~59歳 0(±0) 0(±0) 0(±0)
60~69歳 1(±0) 0(±0) 1(±0)
70~79歳 0(±0) 0(±0) 0(±0)
80歳以上 0(±0) 0(±0) 0(±0)
合計 9(+1) 1(±0) 8(+1)
(参考)
65歳以上
1(+1) 0(±0) 1(+1)

表から見て取れることは・・・。

【年齢】
65 歳未満・・・ 8 例
65 歳以上・・・ 1 例

ファーザー社同様、副反応は若年世代に多いことが伺える。

ただ、ファイザー社が40 ~ 49 歳の年齢層が一番多かったのに対し、20 ~ 29 歳の年齢層が一番多く、次いで 30 ~ 39 歳の年齢層になっているので、ファイザー社より若年層への偏重が顕著のようだ。

今回の発表に限れば、 20 ~ 29 歳の年齢層にのみ副反応が現れている・・・?

【性別】
男性・・・ 1 例
女性・・・ 8 例

ファーザー者同様、副反応は圧倒的に女性が多いのが分かる。

次に、アレルギーの有無を見てみよう。

ブライトン分類レベル 報告件数
アレルギー
既往歴あり
アレルギー
既往歴なし
1 1(+1) 0(±0) 1(+1)
2 8(+1) 2(+2) 6(-1)
3 0(-1) 0(-1) 0(±0)
合計 9(+1) 2(+2) 6(-1)

ファイザー社同様、アレルギー既往歴なしの方が多いようである。

今回はアナフィラキシー事例のみを報告する。

次回へ・・・。