「真実の口」192 訪越記②

機中、何のトラブルもなく、現地時間23時49分ホーチミンシティ空港に着いた。

今年の9月から入国カード不要になり、便利になった。

入国審査も終え、荷物も受け取り、飛行場に着いた旨を、通訳兼コーディネートの甲賀さんに電話を入れた。

この甲賀さんの話は改めてするが、本来は全く違う仕事をされている。

甲賀さんの話では、ベトナムの特別代理店であるハン女史の娘さんが迎えに来ているということである。

到着ゲートをくぐると、熱帯のムッとした熱気が迎えてくれた。

夜の12時過ぎというのに、出迎えの人が大勢いる。

この中からどうやってハン女史の娘さんを見分けるのだろうと思いながら、プラカードの名前を読んでいく・・・

日本人のお迎えには、丁寧なことに、漢字や平仮名が見受けられる。

しかし、どこにも会田の文字も佐々田の文字も見当たらない・・・

「さて、どうしたことか?」と、仕方がないので、再度、甲賀さんに電話をする。

甲賀さんがハン女史と連絡を取るということで、しばし、人ごみの中立ちすくんでいると、ベトナム人の青年が声をかけてきた。

青年:「タクシー?」

私:「いや、人を待っているので良いよ」

もちろん英語である。

しかし、理解している感じがしない・・・

しばらくして、甲賀さんより電話がかかる。

甲賀さんの話では、ハン女史の娘さんは、私たちに会えなかったということで帰ったらしい( ̄▽ ̄;)アハハ…

おいおい・・・

フライト表を見れば、1時間遅れが解るだろう(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻

日本ならば、「主賓が来ない・・・どうしたらいいだろう?」と慌てて、連絡を取り合うと思うのだが、この国では違うらしい。

慌てるのは、放ったらしにされた我々である。

仕方がないので、タクシーで行くかと腹を決めたのは良いが、迎えが来るということで、我々は、ベトナムドンもUS$も持っていない。

甲賀さんにその旨を伝えると、「私が持っていますので、取りあえずホテルまで来てください」とのこと。

そこで、キョロキョロしていたら、さっきのベトナム人の青年が再び寄ってきた。

白タクということは解っていたのだが、色々やりとりをしているうちに、既に、正規のタクシー乗り場には行列が出来ている。

「我々はお金を持っていないので、先ほど、貴方と電話をした人がホテルで払うからそれで良いか?」

・・・と私が英語で聞くと、やはり英語が解からないらしい。

US$あるいは日本円でも良いと片言の英語で要求してくる。

「とりあえず、ホテルまで行ってくれ。そこに行けば払うことが出来るから。」

・・・と、英語で繰り返すこと数度、ようやく理解した風であった。

取りあえず、ホテルに向かうことが出来て、初めて訪れた街で野宿をせずに済んだようだ・・・

しかし、残念ながら、その淡い期待は数分後に裏切られる。

空港出口のゲート付近で、青年が車を止めて、「ゲートを出るにはお金がいる。」風の事を言っているようだ。

仕方がないので、「いくらだ?」と聞くと、そこだけはハッキリと「25$」と伝えてくる。

「さっきも言ったが、我々はUS$を持っていない」と言うと・・・

「日本円を出してくれ」という。

仕方がないので1万円札を見せると、余り見たことがないのか、「これはいくらだ?」と聞いてくる。

「100$だ」と答えると、75$を渡してくる。

ゲゲゲッ∑( ̄□ ̄ノ)ノ

通行料だけで2,500円もかかるのかと思いながらも、英語が通じないので諦めの境地である。

青年がゲートでお金を払うが、ベトナムドンを丸めて渡しているので、いくらか解らない。

もうどうでもいいや・・・という気分である。

車に乗る前に、どの位かかるのか聞いたら20~25分と言うことを言っていた。

甲賀さんの話では、10分程度ということだったのだが???

そうこうしているうちにホテルに着いた。

やはり10分程度だった。

ホテルに着いたので、フロントで待ってもらっている甲賀さんに、ホテルに着いた旨の電話を掛ける。

青年に「彼が払うからいくらだ?」と聞くと、「いらない」と言う。

どうやら、先ほどゲート前で払ったお金が全てだったらしい。

胸をなで下ろしてチェックインする。

その間、甲賀さんがドアマンに、空港からホテルまでいくらかを聞いていたらしい。

実際は、6~7$らしい・・・。

まあ良い、取りあえずホテルに着いたのだから・・・

次回へ。