「真実の口」170 健康食品の嘘・ホント⑪

前回、イソフラボンに関して、寄稿した。

まあ、欧米人に比べると、更年期障害、循環器疾患、骨粗鬆症、乳がんなどの発症率が日本人では低いということから、伝統的な日本食、特に大豆類を多く取るということから、=(イコール)イソフラボンと言うことになったのだろうが・・・

このブログで何度も書いているが、ペールの味噌を食べておけば十分であろう!

★カテキン編

日本国内では、茶カテキンを有効成分として、厚生労働省による「体脂肪が気になる方に」という触れ込みの元、その機能性を示唆する特定保健用食品が販売されている。

ネットで“厚生労働省+カテキン”で検索すると、『厚生労働省認可』、『厚生労働省許可』という宣伝文句が溢れている。

では、カテキンは、どのような効果があるように言われているのか???

どうやら様々な効果があると言われているようである。

列挙してみると、血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗突然変異、抗癌、抗菌、抗う蝕、抗アレルギー作用、etc・・・

これだけ見ると、カテキンを取ってみようかなと思う方が大勢いるのもうなずける。

では、良いことずくめなのだろうか?

内閣府傘下の食品安全委員会のHPには、次のよう報告書が記載されている。

2007年1月2日、『カナダ保健省(Health Canada)、緑茶からの抽出物が肝毒性と関連する疑いを示す事例を公表』

http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu01740390110

詳しい経緯は、食品安全委員会のHPには英文の案内でしか、掲載されていないので、以下に経緯を示してみる。

「42歳の女性が、黄疸と腹部の痛みを訴え入院。肝機能検査の結果は異常な値を示した。入院後も患者の状態は悪化し、錯乱と脳症を起こして入院後9日目で昏睡状態になった。検査の結果、中毒性肝炎と診断され入院17日目に肝臓移植が行われた。患者は入院6ヶ月前から、カフェインを抜いた緑茶から抽出したカテキンのサプリメントを1日6カプセル(カテキン量で600mg)飲んでいた。このサプリメントは体重減少用に使用されており、カナダでの販売は認められていない」

摂取量が極端と言ってしまえば、それまでであるが・・・

その他、フランスやスペインでも、茶カテキン摂取が原因と疑われる肝臓障害が十数件報告されている

元々、ヨーロッパでは、カテキンは一般医薬品として販売されていたようである

しかし、肝臓移植まで必要とするような重症例がみられたことを受けて販売禁止措置となっている。

このようなデータがあるにも関わらず、お国は”トクホ”として認め、企業は脂肪燃焼を旗印に販売合戦を続けている。

単純に考えてみれば解る・・・。

カテキンには抗菌作用があると言われている。

カテキンは、細菌の細胞膜(脂質二重層)を破壊し、細菌の体を壊し、更に、細菌自体のみならずそれが産生するタンパク質系毒素をも無毒化するという働きを持っているらしい。

では、体内に取り入れて、抗菌作用を発揮したら如何だろう?

本来、ヒトは自身の持っている自己免疫力で、侵入してきた細菌をコントロールしている。

そこに、自己免疫力を使わずに済む強い味方(?)が出来たら身体はどうなるだろう???

何度も言うが、自己免疫力を発揮しなくても良いと判断するだけである。

茶道の先生には、ガンが多いとか・・・

話しは変わるが、最近、宝塚出身のタレントを起用した茶の成分で作った石鹸のCMをよく目にする。

果たして大丈夫なのだろうか?

本来、皮膚には数多くのバクテリアが存在し、我々の身体を守っている。

それを、抗菌成分のあるお茶で顔を洗うと・・・

どうなるのかは自ずと答えが出るのではないだろうか?

ここ数ヶ月、その石鹸を使った方々から、「化粧石鹸」ぽぽに変えたことにより、皮膚が元に戻ったと言う報告を数多く頂いている。

「脂肪燃焼」にしろ・・・

「あなたの肌あきらめないで」にしろ・・・

CMには注意した方が身のためである。