「真実の口」2,285 サバイバー ㊶

前回の続き・・・。

ベッドに横になりながら運ばれる。

病室への移動

こんな感じ・・・?

病室への移動途中で家族との面会が出来る段取りになっていた。

看:「ササダさん。奥様がいらっしゃいますよ~。」

家:「おつかれさま。」

私:「ああ・・・。」

看:「まだ、麻酔が残っているかと思うんで・・・。」

家:「ああ・・・。そうですね(笑)。」

家内と目を合わせる・・・( ̄ー ̄)ニヤリ。

私:「取り敢えず終わったわ(笑)。」

・・・と、伝えたいのだが。

舌を手術したばかりなので、実際は・・・。

私:「ろいあいうおわっらわ・・・。」

以下の私の会話は私の頭に届いている感じで、実際にどのように伝わっているかは不明だが、こんな感じ?

ただ、看護師さんの麻酔が効いている発言とは裏腹に、すっかり覚醒していることを私も家内も気付いていた(笑)。

時折出てくる以前受けた大手術の時でさえ、意識があったのを知っているから・・・( ̄∀ ̄;)

看:「この後、奥様は執刀医から手術の説明があります。説明室へ行ってください。」

家:「はい。それじゃあ、また、後でね。」

私:「ああ、よおいう。(ああ、よろしく)。」

私は、そのままエレベーターで病棟へと運ばれていった。

運び込まれていった病室は、今朝方までいた病室とは違うのが分かる。

看:「ササダさん。ナースコールを手のところに置いていますから、何かあったら呼んでください。」

私:「ふぁい。(はい。)」

運び込まれた病室でぼんやりと過ごす。

点滴やら、尿道カテーテルやらで繋がれている。

身体をどこまで動かしていいのかさえ分からない。

術後(イメージ)

こんな感じ・・・?

時間の経過さえ分からない・・・ウゥ━━━|li(σ・ω・`;)il|━━━ン

もやもや

もやもや・・・。

モヤモヤ・・・。

moyamoya・・・。

どのくらいの時間が経過したかはわからないが、多分、病室に戻ってそこまでの時間経過はないのだろうが・・・。

何もすることがない・・・。

いや、何も出来ない・・・。

手術後だからか、ドアは解放されていて、外の音だけが耳に届けられる。

いらいら・・・。

イライラ・・・。

iraira・・・。

いらいら

イライラしても仕方がないのだが・・・。

この所在のなさをどこにぶつけていいのかが分からない・・・。

ポツリと取り残された感じである。

その状況にジッと耐えていると・・・。

看:「ササダさ~ん。お変わりないですか~。」

看護師さんの声が天使に聞こえた・・・(笑)

私:「ふぁい(はい)。」

看:「お昼から担当の %& です。よろしくお願いします。」

私:「おおいうおえあいしまう(よろしくお願いします)。」

看:「痛みは無いですか?」

私:「ふぁい(はい)。」

看:「ちょっとチェックしますね~。」

血圧やらオキシメーター等をチェックしていく。

私:「まら、うおいたああええふかえ・・・?(まだ、動いたらダメですかね・・・?)」

看:「そうですね~。もう少し、動くのは無理ですかね~。」

私:「ああ・・・。おうあんえふえ?(そうなんですね?)」

看:「ベッドを少し起こしましょうか?」

私:「ほえはいいんえうか?(それは良いんですか?)」

看:「少し起こすくらいなら大丈夫ですよ。」

私:「あうかいまう。(助かります)。」

看:「起こしますね~。」

ウィ~~~~ン。

ベッドがわずかだが起こされて頭が上になっただけでも全然違う。

若干の解放感を覚える。

頭が起こされたことで、病室の景色や外の人の動きが見て取れるようになった。

ただ、時間の経過は分からない・・・???

声:「こんなことなら麻酔が効く体質の方が良かった・・・。」

本も読めない・・・。

テレビも見られない・・・。

音楽も聴けない・・・。

当然だが、スマートフォンを見ることも出来ない・・・。

う~・・・。

現代人である・・・。

孤独な時間と闘っているところへ救いの神が・・・。

家:「どう?大丈夫?」

どうやら面会時間になったようだ・・・。

私:「うん。」

家:「面会の受付が凄く混んでた。」

私:「ほうなん?(そうなん?)」

家:「 LINE 入れたけど・・・。」

私:「すあーとおんあいがあえっえいえないんお。(スマートフォンたちが返って来てないんよ。」

家:「そうなんね・・・。」

私:「うん。」

家:「先生の説明では、舌の浸潤は無くて、安全域まできれいに除去出来たってさ・・・。」

私:「ほうあんや。(そうなんや。)」

家:「取り敢えずは、良かったね。」

私:「うん。」

家:「話もちゃんと出来ているみたいだし・・・。」

私:「ほうなん?(そうなん?)」

家:「うん。分かるよ。」

私:「口に何か入れながらしゃべっている感があるから、もごもご言ってるような感じするわ。」

ここから、聞こえている体で正常な会話に戻す。

家:「うん。そこまで違和感はないよ。」

私:「良かった・・・。ちょっと、窓見てみぃ。大阪城が半分になったわ。」

家:「あら~。本当ね~。残念・・・。」

半大阪城

そこへ・・・。

トントントン♪

受:「ササダさん。すいません、今よろしいですか~?」

私:「はい。どうぞ~。」

受:「ああ、奥様がお見えだったんですね~。後にしましょうか?」

私:「いや、大丈夫ですよ。」

受:「すいません。お部屋を変わられたんで、改めて、お部屋の使用同意書を頂かなくてはいけないんでサインを頂けますか?」

私:「ああ・・・。はい。」

有料室使用同意書

受:「こちらへお願いします。」

私:「これ、あれだよね~。大阪城が半分になったから、部屋代も半分にしてもらわないと。。。(笑)。」

受:「そうですね~(笑)。」

私:「ホント、言っといてよ~(笑)。」

受:「言っておきますね~(笑)。」

流石、大阪である・・・。

次回へ・・・。