令和 8 年熊本地震の傷も癒えぬ中、お盆の真っただ中に千葉県を豪雨が襲った。
『令和 8 年8月千葉豪雨』は、 2026 年(令和 8 年) 8 月 13 日から、千葉県を中心に関東地方で発生した集中豪雨で、翌 14 日に気象庁が命名した名称である。
気象庁が気象現象を命名するのは 2020 年 7 月の『令和 2 年 7 月豪雨』以来 6 年ぶりで、 地域名と共に命名するのは 2017 年 7 月の『平成 29 年 7 月九州北部豪雨』以来 9 年ぶりとなる。
気象庁は、今年 5 月に防災気象情報の運用を見直している。
そして、運用後初の警戒レベル 5 の大雨と土砂災害の特別警報を発表した。
13 日~ 14 日にかけて、関東甲信地方にはこの時期としては強い上空寒気が入り込んだほか、千島の東の高気圧の縁を回る暖かく湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定になっていた。
この現象を気象用語では、“モンスーンジャイア”と言うらしい。
主に夏の時期に日本の南の海上などに現れる、水平規模が数千 km に及ぶ巨大な反時計回りの風の循環(渦)のことらしく、南西からの季節風(モンスーン)と東からの貿易風がぶつかり合うことで発生するそうだ。
この時の低圧部を“モンスーントラフ”と呼び、低圧部による反時計回りの風の循環(渦)を“モンスーンジャイア”というらしい。
巨大な渦の内部では上昇気流が活発になり、小さな風の渦ができやすいため、熱帯低気圧や台風(台風のたまご)が次々と発生しやすい環境が作られるそうだ。
2026 年は平年より大幅に速いペースで台風が発生している。
特に先月 7 月は 5 個も発生しており、今月( 8 月)は、すでに 4 個も発生している。
これらの台風や熱帯低気圧が“モンスーンジャイア”の巨大な循環に沿って流されるため、予測が難しい複雑な進路をとったり、本州付近へ接近・直撃したりするリスクが高まると言われているそうだ。
千葉県では 13 日夕方以降、線状降水帯が発生し、気象庁は気象防災速報(記録的短時間大雨9を相次ぎ発表した。
特に。千葉県では記録的な大雨となり、気象庁は 13 日夕方以降 22 市町村にレベル 5 大雨特別警報を、そのうち千葉市、茂原市、東金市、市原市、八街市、大網白里市の 6 市にレベル5土砂災害特別警報を発表した。
千葉市では、 14 日 6 時までの 24 時間降水量が 360mm を超え、 8 月の平年 1 ケ月分の 3 倍以上となり、観測史上 1 位を更新した。
また、千葉市中央区では、 18 時 48 分までの 1 時間に 115.0mmの猛烈な雨を観測し、観測史上 1 位を更新した。
以下が、国土交通省から発表された被害状況である。
《令和 8 年 8 月千葉豪雨による被害状況等について》 国土交通省 令和 8 年 8 月 16 日 10:00 現在
【 被害状況 】
■ 河川・ダム
○ 河川( 8/16 7:00 時点)
・国管理河川 現時点で河川の氾濫による被害情報なし。
・県管理河川 千葉県管理の 5 河川において浸水被害を確認。
○ ダム( 8/14 8:30 時点)
・事前放流の基準に到達: 0 ダム
・事前放流を実施: 0 ダム
・既に水位が低下していたダム: 0 ダム
・洪水調節を実施 [うち継続中]: 3 ダム [ 0 ダム]
■ 砂防
○ レベル 4 土砂災害危険警報( 8/16 8:00 時点)
・8/13 の豪雨時に 12 都県 77 市区町に発表(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、長野県、鳥取県、鹿児島県)
→ 現在、発表中の市町村無し
○ 土砂災害( 8/15 20:00 時点)
・千葉県 19 件(人家被害あり、詳細確認中)
■ 水道( 8/16 7:00 時点)
○ 千葉県千葉市において断水が発生。応急給水実施中。
・千葉市:最大約 100 戸、現在約 50 戸 ( 8/14~ )@水道管の破損
■ 下水道( 8/16 8:00 時点)
・千葉県印旛沼流域下水道:
→ 八千代ポンプ場(汚水): 浸水により機能停止(応急復旧済み)
・千葉県千葉市:
→ 越智ポンプ場(汚水): 浸水により機能停止(仮設ポンプで送水中)
→ 下水道のマンホール: 蓋が飛散(流下機能確保及び落下防止策実施済み)
→ マンホールポンプ4基: 浸水により機能停止( 3基応急復旧済み、 1 基バキューム車で送水中)
・千葉県茂原市:
→ 道目木ポンプ場(汚水): 浸水により機能停止(応急復旧済み)
・千葉県市原市:
→ 菊間終末処理場: 浸水により他処理場への汚泥圧送機能停止(水処理機能に影響なし、汚泥はバキューム車で運搬中)
・千葉県佐倉市 :
→ マンホールポンプ 4 基: 浸水により機能停止(応急復旧済)
・千葉県四街道市:
→ マンホールポンプ 2 基: 浸水により機能停止(バキューム車で送水中)
■ 道路( 8/16 7:00 時点)
○ 高速道路
[被災による通行止め:2路線7区間]
・ E82 千葉東金道路(山田 IC ~東金 JCT ) 1 区間:法面崩落
・C4 圏央道(松尾横芝 IC ~茂原長南 IC ) 6 区間:法面崩落
[雨量基準超過等による通行止め:なし]
○ 有料道路
[被災による通行止め:なし]
[雨量基準超過等による通行止め: 1 路線 1 区間]
・銚子連絡道路(横芝光 IC ~松尾横芝 IC ) 1 区間:接続する圏央道の法面崩落
○ 直轄国道
[被災による通行止め:なし]
[雨量基準超過等による通行止め:なし]
○ 補助国道
[被災による通行止め: 1 路線 1 区間]
・国道 296 号(千葉県佐倉市田町):冠水
○ 都道府県道等
[被災による通行止め: 2 県 8 区間]
・千葉県 7 区間(法面崩落 3 、冠水 4 )
・埼玉県 1 区間(落石 1 )
○ 孤立集落
・現時点で孤立集落:なし
○ 防災道の駅・道の駅活用情報等
[被災情報:なし]
[活用情報等:なし]
○ 直轄地下駐車場
[雨量基準超過等による閉鎖:なし]
[被災情報:なし]
○ ライフライン
・ライフライン(電力、通信、上下水道、鉄道)について、連絡調整実施済 み。
・現時点で道路への要請なし(ホットライン構築済み、災害時の連携を確認済み)。
■ 鉄道( 8/16 08:30 時点)
○ 施設被害
・JR 東日本:外房線(誉田駅~本納駅間)道床流出等
※大網駅~本納駅間: 8 月 18 日の運転再開を目指す
※誉田駅~大網駅間: 8 月 24 日の運転再開を目指す
・小湊鉄道:小湊鉄道線(里見駅~上総中野駅間)土砂流入等
※運転再開時期は未定
○ 運行状況
<新幹線>
・運転を見合わせている路線:なし
・今後、見合わせを予定している路線:なし
<在来線>
・運転を見合わせている路線: 3 事業者 3 路線
・今後、見合わせを予定している路線:なし
■ 航空( 8/15 23:30 時点)
○東京国際空港(羽田)
・運航の支障となる空港施設等の被害情報なし
・欠航便: 8 便( 8/13 )
※大雨起因以外のものを含む
・ 1 時間以上の遅延便数: 198 便( 8/13 )
※大雨起因以外のものを含む
・空港内滞留者なし
・ 8/14 の運航への影響なし
○成田国際空港
・運航の支障となる空港施設等の被害情報なし
・欠航便: 6 便( 8/13 )、 28 便( 8/14 )、 4 便( 8/15 )
※大雨起因以外のものを含む
・ 1 時間以上の遅延便数: 51 便( 8/13 )、 96 便( 8/14 )
※大雨起因以外のものを含む
・空港内滞留者数: 6,680 名( 8/14 03:00 時点)
・空港内滞留解消( 8/14 09:00 時点)
■ 公園・都市( 8/16 9:00 時点)
○ 千葉県立富津公園: プールのポンプ浸水→ 15 日より利用再開
○ 千葉県立蓮沼海浜公園 :機械室浸水→利用中止
○ 千葉県立八千代広域公園:遊歩道の法面崩落 →立入禁止措置
○ 千葉県立長生の森公園:野球場の受水槽室浸水→野球場利用中止
○ みつわ台第 2 公園:プール浸水→プール利用中止
○ 千葉公園:駐車場冠水→閉鎖
○ 泉自然公園:土砂崩れ→一部立入禁止
○ 十余一公園:マンホール破損→周辺立入禁止措置
○ けやき台多目的広場:多目的広場冠水→立入禁止措置
※人的被害なし
■ 住宅( 8/16 8:30 時点)
○ 公営住宅:東金市 1 団地 8 戸が床上浸水
■その他
○ 海岸、官庁施設、海事、港湾、観光) ・被害情報なし
また、共同通信の報道では以下のように報じている。
千葉県の豪雨で、県は 16 日、停電した住宅内で発電機を使った千葉市の 30 代男性が、一酸化炭素( CO )中毒で死亡したと明らかにした。
災害関連死に当たる可能性があり、豪雨の死者は関連調査中を含め計 10 人となった。
他に男性 1 人が行方不明になっており、県警が捜索を続けている。
また、県警によると、死亡・行方不明の 11 人とは別に、千葉市若葉区中野町の川沿いの草むらで 16 日、高齢とみられる男性の遺体が見つかり、豪雨との関連を調べている。
住宅の浸水被害は約 1,500 棟確認され、内訳は床上 709 棟、床下 790 棟、損壊は 42 棟となっている。
県は 15 日、損壊を 73 棟確認したとしていたが 16 日訂正した。
県は状況の把握を進めており、被害棟数が今後増える可能性がある。
千葉市は 16 日、市が管理する道路で水没して動かなくなった放置車両を約 2,500 台確認したと明らかにした。

県は、県が管理する道路で通行の妨げとなる車両を約 230 台を確認。
16 日までに把握された放置車両は 2,700 台ほどとなる。
お盆休みの中の豪雨災害は晴天の霹靂というような状況だったと思う。
被害にあわれた方が一刻も早く平穏な日々が取り戻せることを祈るばかりである。











