「真実の口」120 我々は何をすべきか?⑱

前回、鳥インフルエンザについて触れた。

今回は現在でも宮崎の頭痛の種になっている口蹄疫について寄稿する。

口蹄疫とは、読んで字の如く、蹄が偶数に割れている動物である偶蹄目の豚、牛、水牛、山羊、羊、鹿、猪、カモシカ等がかかる病気である。

馬、サイ、バク等の蹄が奇数の奇蹄目の動物は感染しない。

日本では、2000年3月12日、約92年ぶりに宮崎県宮崎市でO型の口蹄疫の発生。

更に、そこから10年後の今年4月20日に、宮崎県児湯郡でO型の感染が確認された。

切欠は、同地区で畜産業を営む農家から、かかりつけの獣医に、モッツァレラチーズを作るために飼っていた水牛が下痢にかかっていると相談したことから始まる。

獣医は、県の宮崎家畜保健衛生所に検査を依頼する。

当初、通常の口蹄疫に見られる症状がなく、便などの検査でも下痢の原因となる菌やウイルスが見つからず、結論が出ないまま下痢は治まったため、口蹄疫感染と診断されずに処理された。

しかし、その後、4月22日に遺伝子検査に出され、4月23日夕刻に口蹄疫感染が判明。

これとは別に、4月9日同じく都農町の和牛1頭に口腔びらん等の症状を確認。

獣医は、同様に宮崎家畜保健衛生所に病性鑑定を依頼する。

しかし、獣医でもある家畜防疫員が検査を実施したところ、感染力の強い口蹄疫にも関わらず、牛一頭しか症状がでておらず、また、口蹄疫特有の症状である水疱や激しいよだれがなかったため経過観察となった。

その間、数度の検査を実施するが、口蹄疫と断定するには至らず、4月20日になり、92年振りの口蹄疫が確認された。

以上が発生・確認までの大まかな経緯である。

赤松農林水産大臣は、4月20日の会見で口蹄疫のさらなる拡大を防止するため、移動制限や殺処分などの防疫措置について、徹底・充実させる方針を発表。

ここに、4月20日の確認以降、全部で291戸の具体的内容が記載されている。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/list0629.pdf

実に、291戸,全部で199,293頭、内訳は牛:208戸/37,102頭、豚:86戸/162,174頭、山羊:6戸/9頭,羊:1戸/8頭が殺処分された。

ここに記載のない292例目も殺処分が完了している。

殺処分の方法は、電気ショック、薬、二酸化炭素ガスの3方法である。

牛は薬殺、豚は電気ショック、大きめの豚はガス+薬が多い。

鳥インフルエンザの時には、殺処分されているシーンをテレビ等で見た記憶があるのだが、記憶の限りは、今回は放送されていないようである。

ネットで画像検索しても、消毒のシーンしかない。

流石に残酷すぎて放送できないのだろうか?

唯一、衛星放送チャンネル桜で画像を発見できた。

興味があれば参考に見て欲しい。

http://www.youtube.com/watch?v=etZDvxwKaks

殺処分の担当者は、「牛には表情があり、処分を察してか悲しい顔をする。涙を流した牛もいた。」と精神的なショックを引きずりながら、作業に従事している。

今回、2度にわたり鳥インフルエンザ、口蹄疫を取り上げてみた。

この2度の寄稿で違和感を持ったものはいないだろうか?

次回は、私が持った違和感を書いてみたい。