前回、電力会社やメーカーの謳うCOP値がどうも怪しいという話を寄稿した。
実際は、公表されている数値を遥かに下回る実力しかないようである。
つまり、各電力会社が行っている電気代シュミレーション自体が机上の空論、言い方を変えれば、真っ赤な嘘ということになる。
オール電化の売りでもある“昼間よりも割安な夜間電力を使って”・・・というように電力会社は、各時間帯に分けて、料金設定をしている。
もちろん、前項でも書いたが、時間帯に関わらず、発電所は稼動しているので、目先を誤魔化して、消費者を取り込もうとしているにすぎないのだが・・・
これは、東電の料金設定(2011.07.29現在)である。
3つの時間帯に分けられている。
朝晩(7a.m.~10a.m.及び5p.m.~11p.m.)
→23円13銭/1kw
昼間(10a.m.~5p.m.)
→夏季:33円37戦/1kw
→その他:28円28銭/1kw
夜間(11p.m.~7a.m.)
→9円17銭
グラフにするとこうなるらしい。
確かに、時間帯を上手に利用すれば、料金は安くなりそうではある。
ただ、一般家庭で一番電気を利用する時間帯は、言うほど安くはないんじゃないだろうか?
夜11時から朝7時に入浴する家庭はそれほど多くないんじゃないだろうか?
まあ、これも、夜間に水を溜めて、それをゆっくり沸かして入るので、安上がりになるというのだろうが・・・
湯を溜めるということは、タンクの容量分しか、お湯を作れないということになる。
各社のエコキュートを見てみると、大した断熱をしていないように見受けられる。
そのため、夜間にわかして、生活時間帯に使うと言うことなのだが、逆にロスをおこしているのではと思うのだが・・・
ガス会社のオール電化使用者へのアンケートでは、6割超の過家庭で、使用中に湯切れを経験しているという。
まあ、ライバルのデータなので、重きは置かないにしろ、湯切れするということは、下手すれば、一番高い時間帯にお湯を沸かさなければいけないと言うことになる。
オール電化は、火を使わないということで安全という名目で、高齢者が導入しているケースも多々ある。
今年も猛暑で、昨年より熱中症で病院に運ばれた方、あるいは犠牲になられた方が大勢いる。
この料金設定は、働いていたり、学校に行っている人間には、さほど問題はないのだろうが、どうしても家にいる時間が多くなる高齢者、主婦、乳児、幼児には如何な物だろう?
昼間は料金が高いからエアコンをつけるのは控えよう・・・
特に、今年は東日本大震災もあり、国や電力会社が、節電を訴えている。
オール電化の家屋では、節電のしようがない。
こういうとオール電化でも節電できると言い張る方もおいでになるかも知れないが、たかが知れている。
国が言うのであれば・・・と、(我々世代とは違い)勤勉な高齢者が、無理をして、熱中症、あるいは死亡事故へと繋がっているケースも少なくないのではないだろうか?
何度も言うが、発電所は常に動いている。
来るべき自由化に向けて、ユーザーの取り込みをするのではなく、もっと電気を有効に使える環境を整えるのが電力会社の本来の指名のはずなのだが・・・
まあ、原子力発電というとてつもない利権と、将来にわたりとてつもなくかかるコストを考えたら、できないんだろうなあ???