「真実の口」295 東日本大震災・・・復興財源について(その1)

前回まで、東日本震災への抗酸化からの提案と言う形で、全20回に渡り寄稿した。

復興には財源が必要になる。

その財源については、歳出削減や税外収入による財源確保はもちろんのことだが、政府保有が保有するJT(日本たばこ産業)や東京メトロ株の一部売却等々が検討され、また、所得税、法人税、消費税など基本的な税の増税に加えて、たばこ税なども増税するかなり大型増税が予定されている。

はたまた、税収確保のため、「第3のビール」の増税から、一時は、競輪や競馬、宝くじ、パチンコなどに税金を課す「射幸税」、携帯電話の電波利用料の引き上げを財源とする「携帯電話税」までもが飛び出していた。

我々、国民としては、本当に復興のために増税が必要であるのならば、吝かではないところだと思う。

しかし、増税ありきで、話が進んで行くとなると、何だか腑に落ちない。

マスコミでは、収入や家族構成にあわせて、どれくらいの負担増になるかをこぞって展開しているが、私の家みたいに、上は20歳の大学生から下は1歳の乳幼児まで子供が5人もいると、モデルケースにもあてはならず、負担増の算出のしようもない・・・ヽ(`Д´)ノ

さて、10月21日、野田政権になって、2度目の臨時国会が招集された。

会期は12月9日までの51日間だが、東日本大震災からの本格的な復興に向けた2011年度第三次補正予算案及び関連法案の成立が、最大かつ緊急のテーマである。

今臨時国会では、6月に法案が提出され、先の国会で法案を成立させ、8月に実施して復興財源に充てる予定だったが、首相交代のゴタゴタで審議入りさえできなかった国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる特例法案の成立も待たれている。

しかし、これも時限措置のため、7.8%カットによる財源の捻出額は年間2,900億円になるというのだが、実施が遅れるほど復興に回す金はどんどん減っていく。

本来、民主党がマニフェストに掲げていたのは、“時限措置ではない”国家公務員の給与の2割削減だったはずである。

与党にしろ・・・、どの野党にしろ・・・、彼らはこの国をどこに運びたいのか、全く見えてこない。

話は変わるが、10月7日~8日、全国環境整備事業協同組合連合会(略称:環整連)の第37回全国大会が高知県で開催された。

環整連と言っても、一般的にはなじみがないと思うが、全国のし尿や浄化槽などの汚泥について清掃・運搬を営む事業者が加入している団体である(現在は、ゴミ処理業者も加入している)。

私が専務の職を務めている有限会社エコットもその協同組合加入しており、高知大会に参加してきた。

近いうちに、下水道のカラクリについて寄稿したいと思うが、今回は復興財源について興味深い話を聞いたので、先に、こちらを公開したいと思う。

大会初日、民主党の衆議院議員:川内博史氏が、『国と政治のあり方』と言うテーマで基調講演を行った。

たけしフリークを自他ともに認める私は、「たけしのTVタックル」に出演するセンセイを見るたびに胡散臭い奴という評価でしかなかったのだが・・・

他の番組でも、小沢元民主党代表擁護を展開するセンセイの姿を度々見ていたが、今回の講演でも、相も変わらず、小沢氏の話をするので、会場は白けた雰囲気の中、居眠りしている人が多かった。

そんなセンセイの話の中で、会場の皆が食いついた話題が、復興財源が眠っているという話である。

センセイが言うには、「一般には知れていないのだが・・・云々」という如何にもという感じで、事前に配布されている資料を見て欲しいとのことだった。

それがこれである。

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2009/ke220730tokai.htm

何のことはない、私でも簡単に閲覧できる平成22年7月30日に財務省が報道発表した『平成21年度特別会計決算概要・特別会計の剰余金(フロー)について』の資料である。

センセイが言うには、主な特別会計の剰余金の処理の一番上にある国債整理基金がその一つというのである。

ついで、これを見て欲しい。

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2010/ke230729tokai.htm

平成23年7月29日に発表された『平成22年度特別会計歳入歳出決算の概要』の報道発表なのだが、下段の表を見て欲しい。

表の4段目を見てみると・・・

国債整理基金=収納済歳入額(A):2,019,341 – 支出済歳出額(B):1,712,036 = 歳計剰余金(A-B):307,305〔単位:億円〕

つまり、「決算上の剰余金」は30.7兆円ということらしい。

えっ!・・・と驚いた人も多いと思うが、長くなったので驚きを引きずりつつ次回へ。