前回の続き・・・。
すぐに電話がかかってくるのかと思ったのだが、”安全性”を確かめる(笑)のに、手間取っているのか、なかなか電話がかかってこなかった。
電話がかかってきたのは、約三時間後だった。
H:「業者に確認したんですが、F☆☆☆☆(フォー・スター)なので大丈夫ですよ!」
・・・と、やたら声が軽快である。
声:「はあ~┐(´д`)┌。やっぱり、この程度なんじゃろうな~。」
当ブログでも、何度も建材の等級を示すF☆については寄稿しているので、気になる方は、検索窓にF☆と入力して、以前の寄稿を参考にして欲しい。
私:「F☆☆☆☆の意味をご存知ですか?」
H:「安全性を示す物ですけど・・・。」
私:「F☆☆☆☆のFは何を意味するか知ってますか?」
H:「いいえ・・・。」
私:「失礼ですけど、その程度の知識で、安全だとおっしゃっているんですか?」
H:「はぁ・・・。」
私:「F☆☆☆☆のFは、ホルムアルデヒド(Formaldehyde)の頭文字を取った物なんですが、ご存じないんですか?」
H:「すみません・・・。」
声:「セキスイハウスと言えど、所詮、この程度なんやろうなぁ・・・。ハウスアドバイザーって肩書きやったけど、何のアドバイスをするんやろ???」
私:「(呆れてしばし沈黙)・・・。良いですか?F☆☆☆☆とは、所詮、ホルムアルデヒドのみの飛散値が小さいというだけで、その他の、化学物質に対しては、何ら関係ないんです。」
H:「はぁ・・・。」
声:「この男、『はぁ・・・。』ばかりやなあ・・・。」
私:「いくら、業者が安全と言っても、その程度の物なんです。化学物質の影響がない物を使用して下さい。」
H:「業者に確認してみます・・・。」
私:「まず、その業者に、同じ質問をしてみて下さい。F☆☆☆☆のFの意味は解るかどうか・・・?」
H:「はぁ・・・。」
私:「F☆☆☆☆のFが説明できない程度の知識であれば、化学物質の影響がない物を探すことなど無理ですから・・・。」
H:「わかりました・・・。後ほど、電話させていただきます。」
私:「はい。わかりました。」
電話を終えた私は、日本トップのハウスメーカーでさえ、この程度の知識なのだから、シックハウスで悩む人が増え続けるわけだ・・・。
夕刻、仕事を終え、家に帰った私は、隣家に向かった。
もちろん、溶剤用抗酸化溶液と資料を持参して、施主の判断で、使用してもらうことが目的である。
しかし、ここでのやりとりは、省略する。
結論としては、素人でよく解らないので、業者と直接話して欲しいとのこと。
残念だが、私の判断で、今後の近所付き合いよりも、私の家族の健康が大切と考えて、敢えて、化学物質除去の件が解決しない限り、工事の中止を要求した。
それから、約一時間後、H氏から電話があった。
H:「結論から言いますと、塗装はしないことになりました。」
私:「とりやめまでしなくても、私の所の資材を使えば無害化できるんですけどね~。」
H:「業者から、化学物質ゼロは無理という報告と、施主から、何かを戴いてまで塗装をしなくて良いという連絡がありましたので・・・。」
声:「ほう・・・。施しは受けないって感じの言い草だなぁ。」
私:「そうですか。じゃあ、それで、結構です。ありがとうございました。」
因みに、私は名刺を渡しているので、私の会社がどういうことを出来るのかは、簡単に調べることが出来たはずである。
しかし、これが、現実なのであろう。
日本トップのセキスイハウスが、一中小企業の助けを借りることは出来ないだろうし・・・。
化学物質に対しての対策を求めても、真剣に取り合わなくても良いのだろう・・・。
たかだか、中古住宅一軒のリフォーム程度の仕事が飛んでも、痛くも痒くも無いのだろうから・・・。
仕事柄、ハウスメーカーの人間と直接、関わることがないので、良い勉強になった。
・・・というより、良いネタを提供してもらった。
最後に、先方の回答が無くて、書き忘れていたのだが、波板を剥がした工事初日に、家内が喉の調子がおかしいと言うことを言ってきたので、それをH氏に伝えていた。
波板を剥がしたときの、ダストの影響なのかどうかは解らないのだが、このことも、最後まで、触れられることは無かった。
家を建てる際に、何を基準にしますか?
ハウスメーカーだから・・・?
会社が大きいから・・・?
コストが安いから・・・?
家は一生に一度の買い物です。
後悔先に立たず・・・、ということにならないことをお祈りします。
以上・・・。