前回の続き・・・。
前回、超過死亡について少し触れたが・・・。
当 blog でも何度も取り上げているが、今一度、おさらいをしよう。
死因統計は、医学のみならず広く社会的な基礎資料として重要な役割を果たしている。
患者が死亡した際、医師は死亡診断書に死因を記載するが、この際の死因は世界保健機関( WHO ) が定めたルールにのっとって判断するそうだ。
例えば、基礎疾患のない健康な人が新型コロナウィルスに感染したのち、重症化し、肺炎を起こして死亡した場合は、医師は何の迷いもなく死因に‟新型コロナウィルス感染症”と書くことが出来るだろう。
しかし、複数の基礎疾患を持った人が亡くなった場合、医師はどの病気を主な死因とするのか迷わないだろうか?
やはり、その判断は難しいらしい。
例えば、糖尿病と高血圧の基礎疾患を持ち、過去に、数回、脳梗塞を起こし寝たきりになった高齢が、新型コロナに罹患した場合を考えてみよう。
幸運にも、一旦、新型コロナ治癒して退院。
しかし、退院後の食事を摂ることができなくなる。
更に、徐々に体力を失って、最終的に誤嚥性肺炎で死亡。
この場合、基礎疾患も死亡に関して影響受けているのだが、直接死因は誤嚥性肺炎となる。
当然、新型コロナは死因として死亡診断書には必ずしも記載されない。
死亡診断書に記載されなければ、死因統計上は新型コロナによる死亡とはカウントされない。
しかし、この患者は、新型コロナにかかっていなければ、亡くならなかったかもしれないのでは・・・?
これらを考えると、「新型コロナによる死亡数」と「新型コロナが流行したために亡くなった人の数」に差がでてきて当然ではないだろうか?
?
感染症状の位置づけが、「 2 類相当」から「 5 類」へ移行しようとしている現在。
新型コロナが社会に対して与えている影響を、死因統計上の死亡数だけではなく、例年の死亡数から予測される数字と比べてどれぐらい死亡数が増えたのかを示す「超過死亡」も考えなければいけないのではないだろうか?
次回、詳しく見てみよう。
先週、月曜日、火曜日の感染動向を追う。
次回へ・・・。