前回の続き・・・。
1b エムポックスウィルス感染例が発見されたスウェーデンとタイ・・・。
我々世代にとって、スウェーデンと言ったら、「セックスフリー」という単語がすぐに頭に浮かぶ。
’60 年代後半から ’70 年代前半にかけて世界中で吹き荒れた「性革命」の嵐のなかで、とりわけ最先端を走っていたのがスウェーデンで、全世界に衝撃を与えた。
これ以前のスウェーデンでは、セックスは隠すべきもので、結婚するまでしてはいけないことだと抑圧されていようだ。
それに反発するように女性解放運動が起こり、ピルが導入され、女性が妊娠を気にせずにセックスを楽しめる風潮が出来上がった。
女性は慎ましくあるべきだと言われてきたのが一転、女性は自らの性欲に忠実であることが社会的に容認された。女性のほうから自発的に男性をセックスに誘い、快楽を求める国へと変貌を遂げたのである。
これで性規範がガラリと変わったという。
現在はどうかというと、“それ”への情熱は失われていないという。
その一翼を担っているのが、 ED 治療薬らしい(笑)。
スウェーデン人ジャーナリスト:
「 ED 治療薬が、スウェーデンの中高年カップルに再び革命を引き起こしました。
勃起力の減退で、お互いの愛撫だけに留まっていたセックスが挿入を伴うようになったのです。」
イエテボリ大学ニルス・ベックマン氏:
「スウェーデンの 70 代男性は、実に 66% が積極的な性生活を経験しています。
’70 年代には 47% でしたから、割合は当時より増えているのです。
同世代の女性も ’70 年代には 12% だった割合が 36% と、 3 倍近く増加しています。
性生活を楽しんでいるのは、 70 代だけではありません。
90 代男性の 26.7% 、女性の 4.7% が性的な興奮や情熱といった感情を維持していることもわかりました。」
東京学芸大学研究員・中澤智惠氏(スウェーデン在住):
「日本では 40 代を過ぎると、新しく性的なパートナーを見つけるのが難しくなります。
ところがスウェーデンでは、いくつになっても相手は見つかります。
社交の文化が根ざしていて、パーティーにカップルで参加する習慣も影響しているのかもしれません。
中高年の女性がパブで『ナンパ待ち』をしたり、ネットでパートナーを探したりすることは当たり前。
一晩限りの関係であっても、二人が合意していれば差し支えはありません。
日本では閉経すれば『性生活は終わり』と考える女性もいますが、スウェーデンの女性はそうではない。
男女ともに年齢は関係なく、セックスを含めたパートナーを求めているのです。」
如何だろうか?
恐るべし、スウェーデン
しかし、スウェーデンでは、 1990 年代に「セックスショップ法」という法律が議会を通過し、買春は禁止されている。
一方、タイはどうだろう?
アジア諸国の中でも、セクシャル・マイノリティ(以下・セクマイ)先進国として知られるタイ。
2015 年にはジェンダー平等法が施行され、2018 昨年には「市民パートナーシップ法案」が閣議決定したり、首都・バンコクには性別適合手術などで有名なヤンヒー総合病院もあり、一度はタイを訪れようと考えたことのある LGBT 当事者も少なくないのではないだろうか?
首都・バンコクでは、街なかを歩いているだけでも、思うままの性・ファッションで生活している人を見かけることが多いようだ。
セクマイ先進国・タイには、セクシュアリティを表す言葉がなんと18種類もあるらしい・・・(笑)。
① 男性:女性が好きな男性
② 女性:男性が好きな女性
③ トム:女性とディーが好きで、男性の格好をした女性
④ ディー:男性的な女性やトムが好きな女性
⑤ トムゲイ:女性、トム、ディーが好きな女性
⑥ トムゲイキング:トムが好きなトム(タチ)
⑦ トムゲイクイーン:トムが好きなトム(ネコ)
⑧ トムゲイツーウェイ:トムゲイキングとクイーンのどちらにでもなれるトム
⑨ ゲイキング:男性が好きな男性(タチ)
⑩ ゲイクイーン:男性が好きな男性(ネコ)
⑪ ボート:女性、ゲイキング、ゲイクイーンが好きな男性(ただし、オカマは除く)
⑫ バイト:トム、レズ、男性が好きな女性
⑬ レズビアン:女性が好きな女性
⑭ オカマ:女性になりたい男性
⑮ アダム:トムが好きな男性
⑯ アンジー:トムが好きなオカマ
⑰ チェリー:ゲイとオカマが好きな女性
⑱ サムヤーン:レズビアン、トム、女性が好きで、かつ、どれにでもなれる女性
何が何だか一回聞いただけでは覚えられない・・・(笑)。
我々にとって身近だった話題と言えば、タレント・はるな愛さんがトランスジェンダーの美しさを競うコンテストで優勝したというのは多くの人が知っているのではないだろうか?
そんなタイの現状を見てみよう。
タイでは、新型コロナウィルス感染症拡大がもたらした非常事態宣言下で、パブや風俗店など「夜の店」の営業を制限されてきた。
当然、貧困層が多い性風俗の従事者は困窮している。
タイでは、 1960 年に売春禁止法が、 1996 年には売春防止・禁止法が制定され、性労働とそこから得られる収入はほぼ完全に非合法化されたのだが、政府はその存在を黙認し続けてきたという日本と似た背景を持つ。
バンコクとその周辺に経済が一極集中する半面、地方は仕事の選択肢が少ない多く、都市での性産業に従事することを選ぶ人は絶えない。
性風俗従事者の人権保護を訴える団体「エンパワー・ファンデーション」によると、タイでは、風俗産業に 100 万人以上が従事し、風俗店を含む夜の産業の経済規模は年間 2,110 億バーツ(約 7,120 億円)に上るという。
GDP の 1.5% に上るそうだ。
因みに、日本では・・・。
風俗産業の市場規模は 5.6 兆円・・・工工工工エエエエエエエエェェェェェェェェ(゚ω゚;ノ)ノェェエエエエ工
これは、飲食業全体、インターネット業界に匹敵し、ゲーム業界を上回る巨大マーケットらしい・・・(笑)
細かく分けると・・・。
・デリヘル・・・ 2 兆 4,000 億円
・ソープランド・・・ 9,819 億円
・ヘルス/イメクラ・・・ 6,708 億円
・ピンサロ・・・ 6,457 億円
ァ’`,、’`,、’`,、(●´ω⊂)ァ ‘`,、’`,、’`,、
話をタイに戻そう。
コンゴ民主共和国と同じとは言わないが、貧困のために、性産業に従事しなければいけないというのは変わらないと思う。
一昔前は、日本から幼女を買いに行くという愚かなツアーが開催されてもいた。
’96 年に発表された報告書だが、実に 80 万人(タイ政府官房長官の公式発表では 10,000 人、警察省の推定では 25,000 人と発表、また非営利組織 Friends of Women の発表によれば 20 万人以上とされている)の 12 ~ 16 歳の子供が売春をしていると、子供権利保護センターのコーディネーター、サ パシット・クンパラパンと子ども基金のパイトゥーン・マンチャイが声明を発表していた。
これらの数字は、1993 年の時点で入手可能な統計データに基くものであり、これらの数値は今日に至るまで劇的な増加を辿っているということが、各国政府・各 NGO 団体や国際機関の共通の認識である。
コロナ後、どのようになっているのだろうか?
人から人への感染が確認されている今、セックスフリーの地・スウェーデンと性地とまで揶揄されている・タイでの感染事例は、世界中への拡散に対する警鐘にならなければ良いのだが・・・。
次回へ・・・。