前回の続き・・・。
当 Blog では、ワクチンの有害事象(※注 1 )と副反応(※注 2 )に関して絶えず取り上げ続けてきた。
(※注 1 ) ワクチンを含むあらゆる医薬品を使用した後に起きた、あらゆる健康上の問題のこと。医薬品との因果関係があるものも、因果関係がないものも含まれる。
(※注 2 ) ワクチンを接種したことが原因で起きた健康上の問題のこと。有害事象の中で、ワクチンとの因果関係が証明されたもの。
新型コロナワクチン接種後に健康被害にあった場合、遺族や後遺症患者が国に対して申請できる予防接種健康被害救済制度というものがある。
令和 6 年 10 月 7 日に開催された「第 22 回 疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第一部会」の発表によると、審議結果救済申請を行った数は 12,113 件に上る。
【 実績(累積) 】
認定件数: 8,226 件
否認件数: 2,436 件
保留件数: 17 件
申請件数全体の約 7 割弱にあたる。
【 死亡一時金または葬祭料、障害年金及び障害児養育年金に係る件数 】
▶ 死亡一時金または葬祭料進達
受理件数: 1,528 件
認定件数: 867 件
否認件数: 404 件
保留件数: 6 件
▶ 障害年金
進達受理件数: 643 件
進達受理件数: 132 件
否認件数: 235 件
保留件数: 0 件
▶ 障害児養育年金
進達受理件数: 19 件
進達受理件数: 1 件
否認件数: 13 件
保留件数: 0 件
認定件数 :132件認定件数 :1件否認件数 :235件否認件数 :13件 :6件保留件数 :0件保留件数 :0件
一応、今回審議された 96 件の内、認定された 46 件を紹介する。
国から「ワクチン接種と死亡との因果関係が否定できない」と認定された件数は 867 人にも上る。
まだまだ記憶に残っている方が多いと思うが・・・。
“薬害エイズ事件”
1980 年代に血友病患者に対し、加熱処理をせずウィルスの不活性化を行わなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数の HIV 感染者およびエイズ患者を生み出した事件である。
非加熱製剤による HIV 感染の薬害被害は世界的に起こったが、日本国内では、血友病患者約 5,000 人のうち約 4 割にあたる 1,800 人が HIV に感染した。
感染の原因は、ヒト免疫不全ウィルス HIV )に感染したと推定される外国の供血者からの血液を原料に製造された血液凝固因子製剤を、ウィルスの不活性化を行なわないままに流通させ、治療に使用したことである。
後に、ウィルスを加熱処理で不活性化した加熱製剤が登場したため、従前の非加熱で薬害の原因となった物を非加熱製剤と呼ぶようになった。
HIV に汚染された血液製剤が流通し、それを投与された患者が HIV に感染して、後天性免疫不全症候群 AIDS )を発症したことから、多数の死者を出した。
1981 年頃から、米国でエイズの症例が報告されるようになり、エイズ患者の中に血友病患者が高い比率で見られるようになったことから、米国内では、非加熱製剤の安全性が疑問視されるようになった。
1983 年、日本の厚生省がエイズ研究班(エイズの実態把握に関する研究班)を組織し、エイズ患者の調査を開始した。
その研究班の班長には、血友病治療の専門家である帝京大学教授の安部英氏が指名された。
安部氏は当初、非加熱製剤の使用禁止を主張していたが、後に非加熱製剤の使用継続を決めた。
1982 年から 1986 年までに、米国から輸入されていた非加熱製剤は HIV に汚染されていた。
1985年に安全な加熱製剤が承認されるが、このとき非加熱製剤を製造していたミドリ十字は回収を直ちに行わなかったため、 HIV 感染をさらに拡大させた。
後に、ミドリ十字の三人の経営陣は、加熱製剤の承認後も非加熱製剤の販売を継続し感染を生じさせた責任が問われ、最高裁で有罪判決が確定した(一人は裁判途中に死亡のため公訴棄却)。
非加熱製剤の回収を命じなかった厚生省も不作為責任を問われ、担当係長が業務上過失致死で起訴、最高裁で有罪が確定した。
エイズ研究班の班長であった安部氏は、自身の患者に非加熱製剤を投与し、エイズを発症、死亡させた責任を問われたが、上告中に死去したため公訴棄却となった。
一般的には、加熱製剤の承認等によって、安全な血液製剤の供給が十分可能になった後も、日本国政府による未使用非加熱製剤の回収措置が即座に講じられなかったことが、被害拡大の主因であるとされている。
この“薬害エイズ事件”で亡くなられた方は 568 人である。
今回、コロナワクチン接種により死亡したとされる人数は 867 人と“薬害エイズ事件”の死亡者数を遥かに上回っているのである。
何故、マスメディアは“薬害エイズ事件”の時のように大騒ぎしないのだろうか?
次回へ・・・。